【感想・ネタバレ】明治神宮―「伝統」を創った大プロジェクト―のレビュー

あらすじ

七〇万m2にも及ぶ鎮守の森、「代々木の社」とも称される明治神宮は鎮座から九十数年を数える。しかしその歴史は、全国で八万社を超える神社の伝統から見ればむしろ新しい。「近代日本を象徴する明治天皇の神社」とはいかにあるべきか――西洋的近代知と伝統のせめぎあいの中、独自の答えを見出そうと悩み迷いぬいた果ての、造営者たちの挑戦。

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Posted by ブクログ

今年読んだ本の中で通訳ガイドにとって一番勉強になった本。明治神宮という伝統を経済人、政治家、建築家、造園家、青年奉仕団など多くの人々が関わって作り上げた壮大な物語は感動的。日本の伝統だけではなくドイツ森林学など近代の知見も関連しているなど、明治神宮を紹介するガイドの知識に厚みを与えてくれる。

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2021年05月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「明治神宮」ー 伝統の上に近代知も取り入れた全く新たな神社の誕生。
そこに故郷山形のエンジニアが活躍。初めて聞いた技術者の名前ですが、明治神宮以外でも功績がすごく、技術者として誇りに思った1冊でした。

・山形のエンジニア三傑ー伊東忠太・佐野利器・折下吉延
「建築」の伊東、「構造」の佐野、「公園」の折下。彼らが手がけたのはいわゆる「建物」ばかりではない。内苑・外苑の設計、境内・境外道路の計画、そして記念建造物のデザイン等、その活躍の範囲は多岐にわたっている。

・エキスパートたちの東北魂
 戦前、土木・建築・造園等、日本の都市インフラを築いてきた技術者には東北人が多い。明治維新以降、薩長土肥出身者には政界や軍隊で栄達の道が開かれたのに対して、幕末に奥羽越列藩同盟を組み、朝敵となった東北出身者の立身出世とは専門性を身につけた技術官僚として能力を発揮することだったのではないか。

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2013年04月21日

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