あらすじ
NISAで投資を始めた人、インデックス投資で安心している人、「長期で持てば大丈夫」と信じている人——その前提が、すべて崩れる日が来る。
株・債券高が42年も続いてきた。しかし、このバブルはいよいよ限界だ!
本書は、投資運用歴54年の著者が発する「資産防衛の最終警告」である。
いま世界の金融市場は、かつてない規模のカネ余りバブルの渦中にああります。年金マネーの膨張、中央銀行の金融緩和、レバレッジの拡大——あらゆる要因が絡み合い、株式も債券も不動産も、実体経済からかけ離れた水準にまで膨れ上がっています。
しかし、膨らんだ風船は必ず萎むもの。
大逆回転が起きた時、暴落相場から逃げ惑う者は、残念ながら消えていく運命にあります。一方で、備えた者だけがチャンスを掴む。これが相場の冷徹な現実だと思い知るでしょう。
いまやっておくべきは、バブル高と思える持ち株を一刻も早く売っておく。著者はそのように主張します。
本書では、半世紀にわたる運用経験をもとに、なぜいまの相場がバブルだと考えるのかうや、いつ・どのように崩壊するのか、そしてその時どう行動すべきかを明らかにします。
著者にしか書けない、本来の金融や経済社会のあるべき姿も、一読の価値あり。
【本書の構成】
第Ⅰ部 超カネ余りバブルの正体
半世紀にわたる世界的なカネ余りの実態。年金マネーが運用の世界をいかに変えたか。金融資本主義の膨張が限界に達しつつある現状を解説。
第Ⅱ部 大逆回転が起こる時
バブル崩壊の引き金となる要因を検証。評価益が一転して資産デフレに変わる「大逆回転」のメカニズム。機関投資家運用が破綻するシナリオを描く。
第Ⅲ部 大暴落相場を生き残る本物の投資家
多くの投資家が逃げ惑う中、本物の長期投資家は何をしているか。アクティブ運用が復活する理由。そして、自助自立の気概を取り戻すことの重要性を説く。
【著者について】
澤上篤人(さわかみ・あつと)
さわかみホールディングス代表取締役、さわかみ投信創業者。1971 年から 74 年までスイス・キャピタル・インターナショナルにてアナリスト兼ファンドアドバイザー。その後79年から96年までピクテ・ジャパン代表を務める。96年にさわかみ投資顧問(現さわかみ投信)を設立。販売会社を介さない直販にこだわり、長期投資の志を共にできる顧客を対象に、長期保有型の本格派投信「さわかみファンド」を99年に設定した。同社の投信はこの1本のみで、純資産は約4460億円、顧客数は13 万1000人を超え、日本における長期投資のパイオニアとして熱い支持を集めている。著書多数。
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Posted by ブクログ
かなり面白い!
歴史をたどり、今の金融市場の背景を垣間見ることができる一冊です。
株をやっている人ならわかるが、銘柄選びは非常に難しい。その銘柄の分析には熟錬の人が必要となるというのもうなずける。そして、そのような熟錬者が不足していたために、人に頼らないコンピューターを使って処理できる、インデックスファンドが生まれてきたという背景はすごく納得した。インデックスは考えなくて良いからね。
そしてそのような考えないで買っていくインデックスに世界の年金(基金)が依存しているのもすごい。そして、第二次世界大戦後の団塊世代は、世界中で団塊の世代がいて、彼らがこれから年金を使っていく。この辺も自分の考えている事と一致した。
文字数は少なくさらっと読める割には中身が濃い。
今、若者に、やたら株を始めた方がいいと、大人がいう時期だからこそ、読むべき本だと思った。
Posted by ブクログ
インデックスファンドの終焉とアクティブファンドの復活
アナリストやファンドマネージャーの人材不足が、インデックスファンドの躍進へと繋がる
歴史的な円安により物価は高騰する一方で、株価は史上高値を更新する
景気拡大の終焉による資産の逃避の話はいつの時代もあるかもしれませんが、素人目にはやめ時は常に難しく感じます。
Posted by ブクログ
さわかみファンドの創設者である澤上氏による最新本で、私が読んだのは、これで12冊目となります。彼の本を読んで10年ほど前から、定期的に購入していますが、実績は満足できるものだと思っています。最近の著作において、彼は一貫して「いずれ株式市場の大暴落はくる、今まで対応してきた施策は今度は適用できない」という主張をしています。
今までは、市場動向に追随していく「パッシブ型運用」が良い成績をあげてきたが、大暴落が起きることを考慮すると、ある思想を持って企業の選別を行った「アクティブ型運用」が良いとしています。
ただ、アクティブ運用は現時点の実績では多くのファンドが「パッシブ型運用」の実績を超えられていないので、良いものを選ぶ必要があるとしています、それが彼の主催するファンドなのかもしれませんね。
以下は気になったポイントです。
・2008年9月に発生したリーマンショックの後大量の資金供給によって 米国では GDP の40%、 欧州では60%にまで財務を肥大化させた、日本に至っては 130%にまで膨らませた、 日銀のバランスシート が日本経済の1.3倍にまで膨れ上がるという 途方もない 大量の資金が供給された、 その後 2020年からのコロナ 感染機器では さらに 大掛かりな資金供給が実施された、金余りはかなり前から続いていた(p26)
・米国の長期金利は1983年からずっと低下傾向に入り、 2023年まで続いた。 1982年9月には 15.8%であった(p31)
・国民の年金制度が整備されているのは先進国だけである 、 その先進国はどこも 高齢化が進み 年金の給付額がどんどん膨れ上がってきている。 それで10年ほど前に、 ついに 毎年の年金 給付額が 積立額を上回る状態に突入した、 いずれ 年金まで全体も純減に入っていくのは避けられない(p65)
・ 金余りバブルがはじけたら収集のつかない 大混乱となろう、 やみくもな債権売りに走るだろうが、 もはや 売れない。 債権価格は価格がつかないまで下げていき 長期債利回りは上がるだろう。債権相場が暴落しだすと全ての債権が売られる、 一方的な下げとなり、あっという間に紙切れ同然の価格まで落ちていく、 これが 債権投資の怖さである(p68)
・ 2012年の段階では 世界 GDP の2.1倍 だったが、 この10年ちょっとで3.25倍になった、 つまり 1個分の借金が上積みされたわけである。 これらの多くは先進国 中心に ゼロ金利政策 が展開されていた時代の産物である、 そういった 借金 純増に対し 金利が上昇してきている、これも超カネ余り バブル崩壊の端緒となる可能性が大きい(p106)
・ 新興国や 途上国に設置された工場や農園は、より安く 労働力を提供される方向へと どんどん追いやられていく、 これが資本の論理による「富の収奪」である、 この流れが進むと 新興国や 途上国では貧困化を煽り 食えない人々が続出する。 それが十数年前から世界中 あちこちで正確 リスクの高まりを許し、 世界各地で 根の深い インフレ圧力となってきている、 これは世界経済のグローバル化の反動とも言える歴史的な現象である(p114)
・トランプ 政権は関税を一方的に引き上げているが、 関税率を引き上げた分だけは 対米輸出にブレーキがかかる、 また 米国内での物価上昇にもつながってくる。 当然のことながら 世界貿易は縮小し 自由貿易体制の成果である世界経済のインフレ なき成長にも、やはり ブレーキがかかる(p115)
・金融マーケット全般が売られると今までの好循環は一変する、つまり 逆回転 を始めるや、 どの法人投資家も地獄に叩き落とされる 。これまで 評価益を積み上げてきたはずの 資産勘定が大きく 目減り、投資損が一気に膨れ上がる、一方、負債勘定の方はまるまま残っている、 この状態を「資産デフレ」または「 バランスシート デフレ」という(p124)
・金融機関は 三重のダメージを食らう、1) 融資先の企業がバブル崩壊で大きくやられる、融資 勘定で 不良債権となる、2)事故の投資勘定が大きく下落し 投資損失が発生する、3)預金をはじめとする 借入先への 元本と利子の返済義務は確実にしなければいけない(p131)
・ 次に到来する 世界規模のバブル崩壊 だが 状況は リーマンショック時とは全く異なる、 当時と同様の対策は打てないだろう。 先進国はどこも、新興国など多くの国々でも財政は大きな赤字となっている、米国の財政赤字は国内総生産の6%に達しており 持続可能の域を超えていると言われている(p139)
・インデックス運用はただお金が増えればいい、 とする マネーゲームの一環でしかない。 投資運用 の 本来の姿からは遠くかけ離れてしまっている、お金に働いてもらうにあたっての当事者の夢や 想い、そして意思というものが欠落している (p195)
・ゴールドには金利がつかない、 だから 金利水準が高くなると金は売られがち となる、金利上昇に沿って 投資商品の投資妙味が上がってくるにつれて 金利がつかない金は見向きもされなくなる(p218)
・ 本格化の長期投資家からすると、将来を築いていくにあたって、 そのパートナーとして心から応援したい企業かどうかが一番大事なポイントとなる。 別に 高成長企業とかを追いかける必要はない(p225)
2026年2月11日読破
2026年2月11日作成