あらすじ
最先端のディスプレイ技術・有機EL研究の世界的権威が、その基本的仕組みと最新の研究結果、業界の動向を詳細に解説。そして、有機ELディスプレイの国家戦略としての重要性と、ソニー・パナソニック連合などの日本メーカーが、サムスンをはじめとする韓国・台湾メーカーを凌駕するためのオールジャパン体制の提言を行う。
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Posted by ブクログ
有機ELについては、世界的な先駆者で、山形大学の教授でベンチャーも手掛ける城戸氏による有機ELの今後と日本のとるべき戦略論について述べている。
前半は、技術的には有機ELが次の中核になるディスプレイになるとしており、白色有機ELの発見の話や、太陽電池、トランジスタ、照明等にも応用できることを示している。そのうえで、現在のディスプレイは韓国勢が強く、日本企業の戦略的な失策から現状が生まれてきており、決して韓国の技術力が独自で上がったわけではないとしている。
後半は、東アジアの国々の中で日本が技術的優位をもって戦うにはどのような点が問題か、どのように変わらなければならないかということを提言をまとめている。研究技術開発に大学を入れることや予算を取ることやベンチャーをいれることなどもあるが、硬直した日本の企業文化にも問題があると感じられた。
アベノミクスの3本目の成長戦略は策定中らしいが、このような技術こそ成長戦略が必要なのではないかと個人的には思った。