あらすじ
恋多きゼウスと、嫉妬に狂う妻ヘラ、その子ヘーパイトスと美の女神アプロディテ、恋の矢をもつエロス……。オリュンポスの神々はいかに戦い、いかに恋したか。「遠いむかしに語られ書かれたように、わたしのギリシア神話を書きはじめよう」と著者は言う。しなやかな哲学者による、ギリシア神話入門の決定板。
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Posted by ブクログ
ゼウスだとかエロスだとかその名前や〇の神というようなことは知っているがその中身はあまり知らない、という部分をかなり読みやすい文章で語られていおり、さくさくと読める。そして現代にあふれる様々な物語や思想の源流がここにあるのだと感じられ、これからギリシア神話の知識を深めていくには安定した一歩になったなと思う。
『ギリシア神話を教訓に利用しようなど考える人がいたら、それはずいぶん滑稽なこと』と著者の言葉があるが、読後感はまったく何度も首肯した。神として人と区別している割に彼らが持つ感情や欲望は人間のそれよりも生々しくて、神であるが故なのかそれらを発露することに躊躇がない気がする。
印象的だったのは
『愛の神エロスが恋をした話』
『月の女神と羊飼いの若者との月夜にふさわしい恋物語』
『女神の涙から生まれた花』