【感想・ネタバレ】焔に手をかざして 新版のレビュー

あらすじ

一人暮しという “ぜいたく”
大正生まれの昭和育ち。
14歳から定年まで単身勤め上げた詩人が灯す小さな焔たち――
生活をめぐるエッセイ集。

解説 田尻久子(橙書店店主)
カバーデザイン 小川恵子(瀬戸内デザイン)
カバー画 Donchi

「あと五、六年もすれば会社をやめなければならない、という年の暮れ。そこに建つはずのアパートの絵図をたよりに、夕暮れの建築現場を見に行った」──大正に生まれ、戦争を越えて大人になった。定年前になんとか求めた1DK、開いた窓から眺めた世界、綴った言葉、薫った記憶、自分のための自分の部屋に一人で暮す詩人の“ぜいたく”。生活を照らす傑作エッセイ、復刊。

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Posted by ブクログ

勤めていた銀行を定年退職された、
1975年前後に綴られたエッセイを集めた1冊。

今ではもう当たり前になってしまって、
疑いを持つことすらもなくなってしまった、
習慣、言葉、生活、日常。

それらが始まっていくとき、
どのような感覚で迎え入れられて、
あるいは反発を生んでいたのか。

少しの罪悪感を調味料にインスタントラーメンに舌鼓を打ち、
終戦の年の初夏、伊豆の町で空襲に遭う。

まごうかたなき、暮らしの記録。

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2026年03月26日

Posted by ブクログ

銀行員として定年まで勤めながら創作を続けた詩人石垣りんのエッセイの二作目。一作目から読むべきかと思ったが、最寄りの書店に本書しかなかったのでこちらから読むことにした。

聞きしに勝る名文に唸る唸る。沁みる沁みる。
定年退職後に生活をする予定のアパートの建設現場を眺めるところからはじまる。ぽっかりと空いた時間と世の移り変わりに戸惑いながらも、どこか他所ごとを楽しむようで目線が優しい。
読んでいると今は無き昭和の風景が浮かんでくる。贅沢の意味が変わってしまったのは今でも感じるところで、お金がないと贅沢できないかのような風潮は限界まで来てると思う。現代を見つめ直す意味でも、本書は今の若い人に刺さるのではないだろうか。

生活の中で感じたこと、違和感であったり、ちょっとした感動であったり、断定できないものに考えを巡らせる。物事の受け取り方や受け止め方に、その人の個性が出る。エッセイの石垣りんは安易に答えを出すことはない。ほとんどは不思議に思うだけであるが、消化できなくてもちゃんと味わっている。ちゃんと味わっていれば、消化できなくても良いのだなと、変な感心をしてしまった。ワカラナイをワカラナイまま楽しめる芯の強さがあるように思う。

飾りのない真っ直ぐな言葉が心に響く。なんて格好良い人だと思った。こんな風になりたいが、なれまい。
戦後の日本で定年まで勤めながら詩を書いた。詩も素晴らしいけど、エッセイも素晴らしい。すっかりファンになりました。他の著書も読みます。

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2026年07月20日

Posted by ブクログ

Ⅰ 暮らしの周辺
Ⅱ 言葉・読むこと書くこと
Ⅲ ゆかりの人・人
Ⅳ この岸で
各章にたくさんの小さな焰たち

母の世代よりほんの少し上の りん さん
おなまえと 詩人 としか知らない方の
たくさんの、折に触れた思いたちに
出会えて嬉しかった
私の記憶にある時のことは
なんだか懐かしかった

母も同じような想いをしたことがあっただろうか

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2026年05月11日

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