あらすじ
突然、あなたの大切な人が倒れたら?
脳溢血で倒れ、右半身痲痺と失語症のリハビリと闘う夫との日常を、
愛情たっぷりに描く痛快エッセイ。
本書は「リハビリより鉄道、介護よりドラゴンズ」という脳天気な夫婦の、発病から1年間のお笑いリハビリ日記です。
夫にも私にも「好きなこと」があります。そして、病気になったからといって、ふたりともそれを我慢しなかった。
するとあら不思議、「好きなこと」の存在は、ときには息抜きに、ときには励みに、そしてときにはリハビリそのものになりました。 愛と涙の闘病期には登場しないリハビリの実際と生活のどたばたについて、
「こんなことするんだ」
「なーんだ、これでいいのか」
と思っていただけたら幸いです。
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Posted by ブクログ
昔、まだインターネットがこんなにも普及していなかったころ
パソコン通信なるものがあり
掲示板みたいなものと思って貰えばいいんだけれど
その中のひとつニフティサーブというものを利用していて
主に自転車の会議室にどっぷりはまっていた時期があった
1990年代の後半頃のこと
自転車という大きなくくりの中に、ロードやマウンテンバイクなどと
細分化された括りの会議室があり、地域別の会議室などもあった
パソ通自体もそんなに誰もがやってるものでもなく
ましてや若い娘(27歳〜30歳くらい)はもっと少なく
パソオタ気味のおっさん中心の会議室の面々に
まあ可愛がって貰っていたわけだ
当時から新聞連載を持っていたので
多少は文章が書けた、というのも理由かもしれんが
何しろテキストベース、顔は見えない世界だ
27歳女子だ、かわいがるだろう普通
自転車の会議室なんで、そのうちツーリングしようという
オフ会話が盛り上がり、実際に会議室のメンバーに会った後では
サルというあだ名がつけられたタカクラの位置は微妙に変わっていた
そんな事はもう忘れたが
そんな会議室で、飛び抜けて面白い文章を書く人がいた
年の頃は同じくらいの女性だ
面白いだけでなく時折会議室で持ち上がる議論にも加わり
ずばっと自分の意見を述べたり、歴史に詳しかったり
いったい何者なんだろう1?と思うくらい、その人の書き込みは
燦然と輝いていたのだった
そして会ってみるとイマドキ(当時のね)のボディコンスーツに
身を包んでバシっとメイクも決めた美人で巨乳のお姉さんだった
こちらはスッピンのモンチッチ
年はひとつしか違わないのに
あんな面白い文章書いて、そのうえオシャレ人間(BY 海月姫)
なのにそのオシャレ人間の中身はサバサバとしていて漢(おとこ)だった
そりゃあ憧れるだろう普通
会議室では彼女のことを姉と呼んで慕い尊敬していた
そしてちょっぴり憎んでいたのだった
やがて彼女が名古屋に嫁いで
私も結婚し自転車の会議室からも遠ざかったけれど
彼女がたちあげたミステリ書評サイトでの活躍は
眩しく見つめていたのだった
その彼女の初の著書が
「脳天気にもホドがある。」
サブタイトルは
「燃えドラ夫婦のリハビリ日記」
(東洋経済新報社)
著者は大矢博子さん
彼女のダンナさんが脳出血で倒れ
その後の1年間をまとめた本だ
帯の背表紙部分に書かれている通り
「お笑いリハビリ日記」
である
彼女のダンナさんは筋金入りの鉄オタ自転車オタ
パソオタ、ドラゴンズオタだ
脳出血の後遺症で失語症になったダンナさんは
嫁の名前は言えなくても
「クモハ」という電車の名前は出て来るという
そんなような介護エピソードも笑いが満載で
あと夫婦でドラゴンズファンだから
ドラゴンズの動向も頻繁に挟み込まれる
どんな介護日誌やねん、である
同様の脳卒中関係の患者さんやご家族には
とっても役に立つ実用知識もたくさんあり
何より元気になれると思います
名古屋の書店ではドラゴンズのコーナーに置かれてるらしい
(もう一度、どんな介護日誌やねん)
おすすめです