あらすじ
祖母の介護に追い詰められSNSで助けを求めるヤングケアラーの少女、ストリートに生きる日系ブラジル人の少年、NPO法人で子どもを見守る青年――。この国の片隅で生きる、声なき子どもたちの声をすくい取る、傑作社会派エンタメ小説。《解説・久田かおり》
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Posted by ブクログ
丸山正樹『キッズ・アー・オールライト』朝日文庫。
ハードな社会派エンタメ小説であった。これまでの丸山正樹の小説とは一味違い、ハードな一面が際立っていたが、相変わらず社会問題にもズバッと斬り込んでいる。
少子高齢化が進む日本はヤングケアラーや移民外国人の増加が問題化している。さらには、かつての暴力団に代わり、半グレによる凶悪犯罪の増加も大きな社会問題となっている。
少子化の波は自分の勤務する会社にも押し寄せている。数年前までは30人、40人という多くの高卒新入社員が入社していたが、ここ2年は2人、3人という有り様だ。派遣会社に頼るにしても、そもそも派遣する社員が居らず、最近は外国人労働者を受け入れている。
鳶の親方でストリートチルドレンの元締めを務め、シバリと呼ばれる28歳の富岡悟志は不登校の日系ブラジル人少年と出会い、彼らの日系ブラジル人グループと仲良くなる。かつて、富岡はそのグループの創設者にブラジリアン柔術を教わっていたのだ。
一方、NPO法人で『子供の家』で貧困やヤングケアラーで学校に通えない子供たちのケアに尽力する河原剛志は、祖母の介護に追い詰められSNSで助けを求めるヤングケアラーの少を気に掛けていた。河原はかつて救ったうさこの力を借り、その少女とコンタクトを取ろうとする。
そんな中、日系ブラジル人グループのリーダーのベルナルドが半グレ集団に拉致される。富岡は半グレ集団のリーダーであるトミに話を付け、ベルナルドを解放してもらう。トミに借りを作ってしまった富岡はトミから薬物の受け渡しの仕事を頼まれる。
本体価格900円
★★★★