あらすじ
同日の同時刻に苦悶と驚愕の表情を残して死亡した四人の少年少女。雑誌記者の浅川は姪の死に不審を抱き調査を始めた。――そしていま、浅川は一本のビデオテープを手にしている。少年たちは、これを見た一週間後に死亡している。浅川は、震える手でビデオをデッキに送り込む。期待と恐怖に顔を歪めながら。画面に光が入る。静かにビデオが始まった……。恐怖とともに、未知なる世界へと導くホラー小説の金字塔。
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Posted by ブクログ
ふと思い立って約30年ぶりくらいに再読。内容はすっかり忘れている。映画の影響で貞子のイメージしかないけれど、風の噂で聞いていた通り、テレビから貞子が出てこない。ホラーじゃなくて、謎を追っていく点でミステリって感じ。タイムリミットがあって、ページをめくる手が止まらない。サスペンスとも言えるのか? たまたま最近読んだ『クラインの壺』と印象にてるかも。「ジャパニーズホラー」って言葉で騒ぎすぎちゃってないだろうか。貞子は、たぶん世の中一般に思われているような「悪」ではなかったし、境遇も悲しいものだった。この先のリングシリーズも読んでいきたい。そうそう、昔はカセットテープとかビデオテープって、書き込みできないように爪を折って、もう一回書き込みたいときはセロテープで貼ったりしてたよなって思い出した。
Posted by ブクログ
映画版の方は見たことがないけど、もしかしたらそっちの方はかなりホラー的な脚色が入っているのかな?と思った。本だけを読んだ感想として、SFとホラーを盛り込んだサスペンス小説のような印象を受けた。貞子もミーム的な扱いにならなかったかもしれない。小説ベースだとしたら境遇が悲惨でそういう対象にはなり得ないと思うので。
主人公の一人称視点で話が進んでいくうちに、精神が疲弊していくタイミングで視点が合わなくなったことはあったけれど、読みやすくて面白かった。あとウイルスのことなんだと思ってるんだよっていう変な面白さもあった。
Posted by ブクログ
恥ずかしい話私はこれまでリング・貞子はパチンコでしか大まかな内容は知りませんでした。そこで今回,夏だから少し元祖ジャパニーズホラーを堪能しようと本書を書店で購入しました。呪怨と迷いつつも,貞子の悲しい過去の表現を活字で読みたいと思い,リングを選書しました。又,これを機に映画も並行しながら見てみることに。
まず,呪いのビデオなるものを見たとされる高校生が次々に奇妙な死を遂げていくところから物語は展開していきます。死を遂げた高校生の叔父にあたるもの,浅川という人物が今回の主役となるでしょう。浅川は記者で姪の死の真相を突き止めるにあたり,自分も呪いのビデオを再生し見る事になるのでした。ビデオをみた瞬間から言い知れぬものが自身の体内に入ってきたような感覚が浅川を襲います。そして,自分も姪等のようにビデオを見てから一週間後に心臓麻痺で死んでしまう…かも知れぬという恐怖を感じます。そこで,友人の竜司という人物に相談を持ち掛けます。竜司は楽観的にそのビデオによる呪いを楽しんでいる様にも見える一面があります。
飛んで,呪いのビデオに映る脈絡のない映像の謎を浅川と竜司は解明していくのです。その映像を解明していく中で貞子という人物の存在を知る2人。貞子とは一体どんな人物なのか。調べていくうちに衝撃的な貞子の過去を知ることになります。
ビデオは見た者から呪いが伝播されていきます。その呪いを解く方法はあるのでしょうか。ウィルスのように感染するように呪いは拡大していくのです…。
Posted by ブクログ
知り合いに勧められてみてみた!
短くさくっと読めておもしろかったけど、映画を知ってるから怖さが物足りなく感じちゃった。
映像の不気味さとタイムリミットによる精神的に追い込まれてくる恐怖はあるんだけど、その間は何かが出てくるわけじゃないからかな?
でも解決策がわからないってほんと絶望すぎる…そして最終的に読者も恐怖に陥れてくるのが上手い。
エスみてみようかなぁ
Posted by ブクログ
むかーし映画を見たので貞子とビデオダビングのことだけは覚えていた。映画はホラーの印象が強かったけれど、原作はミステリー要素が強い。貞子が超能力者、しかも半陰陽だったとは。ただの恨みよりも、「子どもを産みたいがための増殖」というのは確かに説得力がある。そしてテレビからは出てこない。
浅川はオロオロしすぎでリュウジのほうがいいキャラだったのだけど、高校の時の犯罪エピソード(しかも嘘疑惑)とか必要だったのか?3部作だし、マイはあまり活躍しなかったし後で明かされるのかな?
Posted by ブクログ
冒頭の女子高生が死ぬ場面や、主人公が初めてビデオを見てビラ・ロックキャビンから逃げ帰る場面は、得体のしれないものへの恐怖があった。でも、それ以外はあまり怖くなかった。ウイルスや両性具有など、伏線はいろいろ張ってあるが、真相がわかってそれらがつながってもあまりカタルシスがない。オマジナイの答えも言ってみれば不幸の手紙だから、そこまで意外性がない。確かに自分や家族が助かるためには、他者を犠牲にする必要があって、そうすることにより呪いが爆発的に増殖していくというのは、この先を想像すると恐ろしくはある。