【感想・ネタバレ】奇跡のレビュー

あらすじ

2013年カンヌ国際映画祭において、『そして父になる』で審査員賞を受賞した是枝裕和監督。同監督の前作『奇跡』(11年公開)をノベライズした感動作が電子書籍で登場! 両親の別れにより、鹿児島と福岡で離れ離れに暮らしている小学生の兄弟。再び家族揃って暮らすことを願う兄・航一は、ある噂を耳にする。「近々開業する九州新幹線の一番列車が初めてすれ違うとき、そこに膨大なエネルギーが生じ、奇跡が起きる」。家族の絆を取り戻すために奇跡を信じた子どもたちと、彼らを温かく見守る大人たち。彼らの思いの終着駅は――?

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Posted by ブクログ

安定の中村航品質。特に手が込んでるとかどんでん返しがあるとかいうわけでもなく、何というか先の読めてしまう展開ではあるのだけれど、それでも惹きつけられてしまうのは、やっぱりリズム感というか、会話のテンポというか、そういうのが心地いいからなんだろうな、と思う。耳がいいんだろうなあ。ミュージシャンだからなのかなあ。

中村航さんの小説の登場人物は、誰もが痛みや悲しみに敏感で、その分やさしさを持っている。飾り気のない文章だからこそ、そういう繊細な心の動きが耳に残りやすくて、淡々とした口調だからこそ、そのリズムやメロディが読む方の心に残るんだろう。
中村航さんの小説は、良質なポップソングなんじゃないだろうか。

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2013年06月19日

Posted by ブクログ

福岡と鹿児島に離れて暮らすことになってしまった兄弟の物語。
九州新幹線さくらとつばめがすれ違うときに起きるという奇跡で、兄弟が再び一緒に暮らせることを願う。

主人公やその友達が走っているところに小学生らしい元気さや前向きさが感じられる。
また一緒に暮らしたいという奇跡を願いに行く過程でおきる奇跡。普段の生活でも、結果だけでなく過程にもいろいろな奇跡が起きているんだろうなと思った。
あと、宮尾さんイラストの表紙がとてもいい。

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2013年06月19日

Posted by ブクログ

舞台は鹿児島と福岡。

かるかん、水ようかん的もの。水、山芋、かるかん粉
ジャンベ、太鼓

ソフトバンクのペタジーニは友達の親と結婚した。

子どもは小さな希望を持って信じて、思ったことを行動している。
若いというものはこういう物を持っている。
衰えるとこういう物が自分の中から無くなるんだと思った。

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2022年05月24日

Posted by ブクログ

無粋を承知で言うなら。
・今時の子達なら、さくらとつばめの一番列車がどこですれ違うかなんて、ネットでちょちょいと調べてしまいそうなもんだけど。
・ついでに言えば、そんなオイシいポイント、鉄オタがほっとかないんじゃない?
・あと新幹線は停車駅ごとに減速・再発進するし、駅と駅の距離もバラバラなんだから、上り列車と下り列車がきっちり真ん中ですれ違うとは限らないんじゃ…。
・そもそも九州新幹線の開通って、3月じゃなかったっけ?
…等々突っ込みどころは数あれど。

健気な子供って設定は、ズルい。
何だかんだ応援したくなってしまう。
しかも幼い兄弟が二人で困難乗り越えて…って、『はじめてのおつかい』シリーズに通じる鉄板のシチュエーション。

そして、子供達の冒険に力を貸してくれる大人達が、またいい。
ぶっちゃけ物語的にはかなりご都合主義な展開もあるけど、そういう理屈はどうでもいいやと思わせてしまう勢いがあった。
例えば自分が、もしくは大人になった主人公達が働いて稼いだお金で熊本に行ったとしても、それこそ馬刺を食べて熊本城を観光して、ついでに温泉でも入って終わりだろう。
子供達だけの秘密の旅、大人になったら意味を見いだせない目的の旅、というところが物語の肝なのだ。

そして子供達はよく走る。
大人に捕まれば万事休すというところでは勿論走る。
目的地に近付いて抑えきれない高揚感を走ることで表す。
そして、何も理由がなくても走り出す。
必死で走っているのに、みんなに追いつけない子がいる。

主人公達が走る姿は、在りし日の自分の姿だ。
こんな大冒険はしなくても、秘密基地を作って子供だけの秘密に高揚感を覚えた。
だから共感できる。

大人は走らない。
走っても意味がないと思うから。
てか疲れるし。変な人だと思われるし。

でもこの物語を読むと、自由に走ったり叫んだりできた子供時代にちょっぴり戻りたくなる。
(収入の範囲内でだけど)欲しい物を買ったり好きな場所に住んだり旅行に行ったり、着たい服を着たりとか、そういう自由と引替えに失った子供時代の自由。

そう言えば子供時代は『大人の自由』を早く手に入れたくて仕方なかったっけ。
とどのつまり、無いものねだりということか。

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2013年06月24日

Posted by ブクログ

映画を元に書かれた作品というのがなんだか新鮮だった。

幼い子ども達のひたむきさがまぶしくて、悲しい。
何かが本当に起こってくれたら…と、ついつい先を読み進めた。
つい物語に引きこまれるテンポの良さみたいなのがあって読みやすい。

前を向いて進んでくれたことが「救い」だと思った。

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2014年06月10日

Posted by ブクログ

親の離婚で福岡と鹿児島に離れ離れとなった兄弟が、九州新幹線の交差に立ち会えば願いが叶う奇跡を信じて仲間と旅をする。原案の是枝裕和が監督、脚本で映画化され、主演は前田兄弟。まぁ、観てないけど良い出来だろうと予想はつく。映画化前の小説だとノベライズにならないのかな・・ともあれ中村航作品としては直球。読みやすいけど、らしくない。7人の子供が主人公で、素直な内容。無理してなくて好きだけど、インパクトは弱いな・・

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2014年05月13日

Posted by ブクログ

"博多発と鹿児島発の新幹線、「つばめ」と「さくら」が初めてすれ違う時に奇跡が起こる"…それぞれの思い・願いを胸に、その場所を目指しその瞬間を迎える男女七人の小学生たち。子供の純真な真っ直ぐ目線と、見守る大人たちの温か目線にホノボノさせられる。

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2013年07月17日

Posted by ブクログ

離ればなれとなった兄弟の再会と、奇跡を信じ旅に出る物語。タイトルからどんな奇跡が物語中で起こるのかと期待して読み始めはしたものの、内容は奇跡にあいにいくまでの軌跡。流れ星が見たいから星のよく見える場所にいくということとかわりはない。ただ、奇跡を信じる子供達の状況、心境が、この小説の面白さの主軸となっているように思います。子供ながらの葛藤や、子供らしい純粋さは、自分にとっては懐かしく、そしてうらやましく感じずにはいられません。

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2013年09月28日

Posted by ブクログ

文庫本の帯には「是枝裕和監督の映画にインスパイアされた、感動の物語」とあります。一方、単行本の紹介には「是枝裕和監督の新作映画を『100回泣くこと』の中村航がノベライズ。」となってます。インスパイアとノベライズでは随分意味が違うと思うのですが。。。
私は映画を見てないので判断付きませんが、ネットで見る限りノベライズが正解のようです。まあ、全体のテイストが中村さんらしくないですし。
後半、子供達の暴走に理解ある大人が次々に現れます。御都合主義と言えばそれまでですが、それぞ奇跡なのかもしれません。もっとも、映像ならば叩き込むようにして感じさせなかったのかもしれない違和感を、文章になると感じてしまうのですが。
爽やかな話ですが、ちょっと軽すぎかな。

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2016年06月19日

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