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Posted by ブクログ
私の好みから言うと、こういうゆるふわガーリーな筋はむしろ苦手だ。
が、柴崎友香に限定して、惹かれてしまうものがある。なぜだろう。
一見、音生という奇矯なキャラクターや、旅先のきれいな風景、が読みどころに感じられるかもしれない。
そういう表面的な読み方で満足することもできる、のだろう。
が、私は柴崎友香が何気なく書き記す、視覚描写の的確さ、に惹かれているのだと感じながら読み進めた。(つまりは保坂和志と長嶋有の解説の通りなのだが。)
例のごとく読書感想をネットで漁っていて、膝を打つ記事があった。
(以下引用)
いわゆる“行きて帰りし物語”的な、旅を通しての成長、変化が描かれる小説ではない。
けれどかといって、音生の強烈なキャラクターを描くためだけに芽衣が語り手になっているわけではなくて、
一言で言ってしまうと、“芽衣がとにかくいろんなものを見る”という小説
(以上引用)
永井くんにトルコで見たものを話す場面があるが、見るという行為、それを他者に話すという行為、の間に時間的な間隙がある。
それはもちろん当たり前なのだけれど、この柴崎友香は間隙のせいで生じるズレの間隔を、「なかったことにしない」。
するとそこに「記憶」という要素が加わるので、描写も会話も多層的になる。
この「多層性」こそが、「確かに今ここに誰それがいる」という感覚をもたらす。
登場人物の関係性でいえば、今ここにわたしとあなたが確かにいる、読者の読み方でいえば、すべての登場人物が確かな時間を積み重ねた上でいま本の中に開かれていく、という感覚が得られる。
柴崎友香の作家性というか魅力はそのあたりにあるのではないだろうか。
Posted by ブクログ
まあ。。。良くある話と言うか。。。かわいい女の子とそれに憧れる普通の女の子のどたばた旅劇。
主人公の子の面食いは分かる。でもしつこくないかい?顔ばっか気にするから行き当たりばったりで自分を磨こうともしない。
とか。面食いなだけでそんなに言われる?またかわいい子もそんなしょっちゅう浮気される?こんなにかわいいのに?
良く理解出来ない話でした。。。何かに似てると思ったら。。。絲山 秋子さんの「逃亡くそたわけ」 だった。なんだかなーーーーって感想の読後は一緒でした。。。はい。。。。
Posted by ブクログ
わがままで、ゴーマンな美人な音生と、綺麗なモノ好きで、音生の顔を見ているとどうしても言いなりになってしまう芽衣の物語。
男にフラれて、遠くに行きたいと言い出した音生。大阪→トルコ→四国→石垣島と旅をしていきます。
はじめは、「芽衣が音生に振り回されて大変だな」くらいに思っていたのに、途中から芽衣も大概わがまま何だということに気がついた。
わがままな女子二人が、わがまま気ままに旅をしているのを読んでいると、自分の二人旅を思い出します。
どうしても、喧嘩になってしまうし、「あぁ、今怒ってんだろうな」って思うこともあり、気まずい思いもするのに、また、二人で出掛けてしまう。
気持ちよくわかります(笑)
私は芽衣タイプ。
外見なんて、中の下なのにイケメンが好き。
後で、ウジウジ悩んで後悔して、それを誰かに聞いてもらって共感してほしい。
意見言われたら、むくれてしまう。
・・・・自分が情けなくなる。