あらすじ
【文革開始60年! 満を持して発刊】多数の写真・版画によるビジュアルと一次資料で明らかになる革命の実態。「中国文化大革命は『20世紀十大歴史的事件』の1つにカウントされているが、真相はいまだに解明されていない。凄惨な実態だけは世界中に知られるようになりつつあるが、原因は究明されていない」「文化大革命は1966年に発動され、1976年に終息したとされている。全世界に重大な影響を与え続けた政治運動はある日突然、勃発したのではない。毛沢東を最高指導者とする中国共産党が模索しながら決定し、最終的な目標もなく突進してきた『革命』である」「文化大革命は、中国の長い歴史の中の特殊な10年ではない。文化大革命こそ中国のありのままの姿である。中国そのものが、20世紀の流行語である『革命』の仮面を被って具現化されただけである。中国という存在の本質が文化大革命であり、進化しつつも生き続けている文化大革命こそ、今の中国である。文化大革命は歴史ではなく、現在進行形の中国である」(本書「はじめに」より)
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Posted by ブクログ
「未完の中国文化大革命 習近平がめざす「未完の共産革命」と日本(仮) (PHP新書)」という本を読んだ、
以下、感想メモである。
・「ゴミ資料」、公文書、プロパガンダ資料から、文革の実態を説明した本。
・秦の始皇帝や明の朱元璋などのように、新しい統一王朝ができたときに、旧勢力や戦乱期の功臣たちを虐殺してきた歴史が中国にはあるが、
文革はその範囲が政治家・エリート層だけでなく、全国民に及んだ点が、これまでの歴史と違う点だろう。
・国民国家ではなく、人民国家を作ろうとしたから、虐殺の対象が全国民に及んだのだと思う。人民は国民よりも狭い概念で、中国国籍を持つだけでなく、中共に従順な人間を人民としている。だから、中共以外の道徳の基準(血族や宗教、学問など)を中国人から排除しようとした。
・本書では、たくさんの資料が取り上げられている。
文革のプロパガンダ資料はどこか滑稽な印象を受ける。露骨な表現、隠すつもりもない暴力性、すけすけな意図、おどけたマンガ調の絵など、児戯的な印象を受ける。その裏で、おびただしい人間が殺されているのと、ひどくギャップがあって、そこが、文革を不気味な怪物のような事象に見せている。