あらすじ
開国前夜。
肉親の愛に飢えた少年、日本の行く末を案じるアメリカ人総領事。
幕末動乱期に下田という港町で出会った二人の絆が、この国の運命を大きく変えてゆく……
江戸時代末期の安政年間――捕鯨の補給基地確保と清国との交易を目指すアメリカは、その圧倒的な軍事力を背景に、強固な鎖国政策を敷く幕府と「日米和親条約」を締結。さらに4年後には「日米修好通商条約」を結んだ。しかし、この条約は天皇の勅許を得ない幕府独断での調印だったため、国論を攘夷強行派と穏健派に二分し、やがて安政の大獄、桜田門外の変へとつながってゆく。まさに幕末動乱の引き金となった条約だったが、果たしてそれは日本にとって真に不幸な出来事だったのか……?
日本の植民地化を狙うイギリス、プロイセン、ロシアといった列強諸国に対抗するため
下田へやってきたアメリカ全権、タウンゼント・ハリス。
その家僕として暮らしを支えた少年・滝蔵。
「日米修好通商条約」締結の裏に隠された異国人と少年の熱き友情の物語。
時代小説の俊英が幕末史に新たな光を当てる感動の歴史ロマン!!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
中学生の頃に歴史の教科書で学んだ記憶の中では、タウンゼント・ハリスに対して「不平等条約を締結した人」というイメージがありました。
新聞の読書欄でこの本を知り、稲葉稔さんの作品ということで興味がわき手に取りました。
登場人物たちは実在の人物で(下田記念館のホームページなどで確認しました)、小説を楽しみながら歴史を深く学ぶことができました。
下田奉行所の足軽だった村山滝蔵少年は、玉泉寺の米国総領事館でハリスに仕え、身の回りのお世話をしながら、英語を学び、ハリスと心を通わせていく様子が描かれていました。ハリスは、鳥や植物を慈しみ、畑を耕したり飼い犬を可愛がる場面もあって、読み進めていくうちに、かつて自分が抱いていたハリスに対するイメージが大きく変わっていきました。
(p328から引用)
ハリスが満天の星を指さし、ゆっくり話しはじめた。
「タキゾー、夜空の星はどこの国に行っても同じだ。空は世界に通じている。海は陸地で隔てられるが、空には隔てるものがない。世界はそうやってひとつになるべきなのだ」
(引用ここまで)
幕末の混沌とした中で、日本が変わろうとしている時代、ハリスの言葉が心に沁みました。この本に出会えたことに感謝しています。
Posted by ブクログ
日本経済新聞の夕刊て紹介されていましたので早速購入しました。幕末の幕府は決断力が無く、今の政府も引き継いでいるように思いました。
ハリスの条約締結に対する決意は尊敬に値するし、米国 日本の事を考えての目的であったことが知らされました。
「友人」滝蔵のハリスに対する献身 滝蔵の成長が読んでてワクワクします。
交渉術 英会話力を身につけたい若者にお勧めの1冊です。
最後の数ページは感動し何度も読み返しました。是非読んで欲しい本です。