あらすじ
モロッコを旅するうちに、ある日突然始まった摩訶不思議なイベント“断食(ラマダーン)”。空腹のまま彷徨い続けた後に辿り着いたのは、心優しきベルベル人の村だった。愛と笑い溢れる断食紀行エッセイ!
この作品は「モロッコで断食(下)愛と断食の日々編」を改題し、文庫化したものです。
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Posted by ブクログ
たかのてるこさんの本は何故こんなにも惹き込まれるのだろう!
先日、ずっと読みたかった『ガンジス川〜』を読破して次に読もうと思ったのがこの作品。
私も5年前に旅行したモロッコを題材にした旅行記。
読んでいてあの時の情景が目に浮かんで思い出し、共感しっぱなしだった。(フナ広場でまんまとヘビ使いにボラれたのもしっかり思い出した。)
でも私が旅したのはあくまでモロッコの浅い部分で、めちゃくちゃディープで濃い旅行をできたたかのさんをとてもうらやましく思う。
私ももっともっとモロッコに染まりたかった。
絶対またモロッコに戻ってくると思ったし、モロッコに移住できないか模索したりもした。
でも未だその夢は叶ってないし、これから叶えることも難しいように思えてきてそれを悲しく思っていた。
そんなときに読んだこの本は…まるで自分がたかのさんになって旅をしているような、そしてモロッコの一部になったような気にさせてくれる作品。
美しく壮大な自然の中で
優しく暖かい人々と共に
モロッコという国に溶けていく。
なんて素晴らしい人生だろう、と思う。
この本を読み終えた今日(2023.9.13)から5日前、マラケシュ近くを震源とする地震が起きた。
とにかく一人でも多くの方が無事であって欲しい。
本当に、本当に切に願う。
Posted by ブクログ
怪しいタイトルだなぁと思っていたのだが、思い切って読んでみてよかった。
私がイスラム文化が好きだけど、言語化出来ていなかった部分をものの見事に言語化してくれている本だった。
最後の展開への導き方がすごくテレビ的で、終わり方もテレビだなぁと思ってしまうところが少し残念だったけど、一気に読み進めることしかできなかったし泣いてしまった。
私が手に入れたい愛の形がそこにあって、手放してしまう作者の選択があって、切なかった。
最近旅行に対してとても腰が重かったが、私も社会人になる前に旅に出ようと思う。
Posted by ブクログ
郷に入っては郷に従えと、ラマダーンをするたかのさんはやっぱり強い。日没中は食事ができるとはいえ、日中は水も飲んではいけないなんて厳しすぎて、私にはできる自信がない。
でもたかのさんが経験したように、断食明けの食事の美味しさはきっとひとしおで、食べ物の有り難さを感じられる素晴らしい機会なんだと思う。
旅行記を読んでいると、毎回「旅は出会い」だと思わずにはいられないけれど、今回もまさに「旅は出会い」だった。
誠実で秀才なカリッドとの出会いが、たかのさんのモロッコ旅をより素晴らしいものにしている。
イスラムでは、人間はもともと弱い存在であることを前提にしている。だから酒を禁止したり、女性はベールを被ったりと、様々な戒律があるのだと理解できた。全ての規則には理由がある。
あとがきに旅のその後が書かれている。カリッドと一緒にはならなかったけれど、9年後に2人は再会を果たせていて、人の繋がりや絆を感じられた。
たかのさんの本は自分も旅をしている気分になれる。
でもやっぱり実際に自分の足で赴いて、自分の目で様々な景色を見てみたい。天国だと思うような景色も、実際に見てみたい。
イン・シャー・アッラー。全ては神の思し召し。とてもいい言葉。
Posted by ブクログ
サハラ砂漠の王子様の後編。
今度はモロッコはカスパの村へ。
カリッドという青年の里帰りについて行き、
お城のようなおうちに住む家族の仲間入り。
といっても、裕福なおうちではないようで。
自然と共存するステキな日々を綴っています。
断食中も時間を除いて食事を摂っているとか、
イスラムの異文化を垣間見ることができて
とても面白かったです。
いつの間にか雪が積もる季節となり、
マラケシュに命がけで戻るクライマックスは
ハラハラドキドキ。そして、カリッドとの別れは
すごく切なかったです。
ブログのようなリアル本って感性の一致が重要
な気がしますが、たかのてるこさん、やっぱり好きです。
私のモロッコに行きたい病を進行させた一冊(笑)。
Posted by ブクログ
「サハラ砂漠の王子様」の続き!
サハラ砂漠にてスペイン人と激しい恋に落ちた著者でしたが、今度はモロッコ人と…
当初はお互いそんな意識していないのにじわじわと人柄を知るにつれて惹かれあっていく様子が胸キュンです。
下手な恋愛小説よりよかった!
言葉が通じあっているわけでもなく、文化も異なるのにスゴイ…
また、偏ったイメージのあるイスラムが覆されました。
意外に適当というか、もっとギチギチに厳しいイメージだったので、そういった新しい面を知れたのもよかった~
2012/09/11-13