あらすじ
★★★話題沸騰につき発売即重版!
★★★世界的ベストセラー『BUTTER』著者・柚木麻子氏推薦!!
ベストセラー『ファスト教養』著者レジー氏推薦!
「生産性向上と効率化に取りつかれた社会を生き抜く御守りとしての1冊」
【社会心理学者が「働きすぎの時代」に警鐘を鳴らす!】
米フィナンシャル・タイムズ紙はじめ
全米各紙で絶賛!
いつも頑張りすぎている人に希望をくれる。もっと人間らしい、良い生き方はできるのだ。
―ニューヨーク・タイムズ ベストセラー『デジタル・ミニマリスト』『DEEP WORK 大事なことに集中する』著者カル・ニューポート
一読の価値あり。
―『フィナンシャル・タイムズ』紙
資本主義に翻弄されて疲れた人のための科学に基づく自己啓発書だ。
―『シカゴ・リーダー』紙
人はそんなに働かなくていいし、価値は外からの評価で決まらないし、
すべてに詳しくなくていい、すべての人を助けなくてもいい。
休むことに罪悪感を味わう必要はない。
なぜなら「怠惰=悪」は植え付けられた "信念" に過ぎず、しかも誤っているからだ。
【「はじめに―『自分は怠惰じゃない』と気づくまで」より抜粋】
何年も、私はひどい生活パターンで生きてきた。朝から5~6時間、休憩も取らずに働いて、片っ端から業務を処理していく。この時間帯は、メールの返信やレポートの採点に猛烈に集中していて、軽食をつまむどころか、席を立って少し歩くのも、トイレに行くのも忘れていた。
こんなふうに超生産的でいられるのはいい気分だった。前日の夜に考えて不安になっていた「やることリスト」のタスクを全部片付けられる自分が好きだった。そう思うと短距離走のように全力で凄まじい量の業務を処理できた。
だけど、そんな働き方をしていると、その後、使い物にならなくなる。午後は生産性ゼロに等しい状態で、SNSを何時間もただ眺めているだけだった。終業後はベッドに倒れ込む。暗い部屋でポテトチップスを食べながらネット動画を見る以外のエネルギーは残っていない。
こうして数時間、「充電」をすると今度は、時間を有意義に使えなかった罪悪感が押し寄せてくる――友達と出かければよかったのに。なんで執筆しなかったんだろう。どうせなら健康的で素敵な晩ごはんを作ればよかった――そうして、翌日にやるべきことを考えてストレスに襲われる。そしてまた翌朝になると、罪悪感から働きすぎて疲弊、というサイクルが始まるわけだ。
この本は、一般に「怠惰」として切り捨てられている行為を全面的に肯定し、社会から「怠け者」だと排斥されている人びとを全力で擁護する一冊だ。
生活のあらゆる場面で、頑張りすぎそうなリスクがあるときに、どのように一線を引いて自分を守ればいいか、実践的なアドバイスをたくさんお伝えする。「これ以上はできない」と相手に理解してもらうための具体的な伝え方も盛り込んだ。何より、「自分はどうしようもなく怠惰な人間だ」という恐怖心は見当違いだから捨てていい、という根拠を示すので、読んで安心してほしい。
【目次】
はじめに 「自分は怠惰じゃない」と気づくまで
第1章 「怠惰のウソ」
第2章 怠惰を再考する
第3章 そんなに働かなくていい
第4章 人間の価値は業績では決まらない
第5章 すべてに詳しくなくていい
第6章 疲れる人間関係はそのままにしない
第7章 社会の「べき」を払いのける
結び 共感で「怠惰のウソ」を終わらせる
※本書は2024年5月に小社より出版された単行本『「怠惰」なんて存在しない 終わりなき生産性競争から抜け出すための幸福論』の携書版です。本書の内容は同じですので、あらかじめご了承ください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
約400ページの大作でしたが、むさぶるように一気に読み上げた。もっと早くこの本に出会っていたら、私の人生はとても心地よいものになっていたと思う。私は仕事で疲れて、完全に燃え尽き症候群になった経験がある。この本のフレーズにある怠惰だとみなされている事は、実際には、自己防衛本能の強い現れであると言う表現に、はっとした。頑張りすぎのリスクがある時に、どのように一線を引くか、様々な事例を通して深く感銘を受けた。
私たちは完全向けの生産用ロボットではなく、『生産性=善』と考えてきたその思い込みは、捨てなければいけないと思う。『怠惰のウソ』のせいで、個人主義と教えられていると言うことに気づき、自分を労わりたいと思う。
Posted by ブクログ
人の本質があるかどうかは分からないが、人は時に怠惰に見えてしまうことがあるものだし、それはその人が無価値であることの証明にはならない。怠惰な自分を克服しようといつも一生懸命頑張る必要はないし、人の価値は生産性では決まらない。仕事が人生の中心であるのは限らず、途中で辞めてしまうことや、頑張れないことがあったとしたも、それは不道徳なことではない。
Posted by ブクログ
タイトルを読んではっとした.
まさに毎日が,休むことに対する罪悪感の連続だった.
仕事の予定を詰め込み,週間スケジュールに空きがあれば埋めずにいられなくなる.新たなタスクをはめ込み,朝は2時間以上の早出出勤,夜も3時間以上の残業.土曜日も日曜日も祝日も,仕事の準備や整理から離れられない.
その現状を家族に申し訳ないと思いながら,家族と過ごす時間や家庭のタスクをこなしたあと,みんなが寝静まった深夜に翌日の準備や書類整理をする.
たまの有給休暇も,ゆっくり寝坊することはできない.かといって妻の家事を主体的に担うこともできず,手持ち無沙汰で,罪悪感いっぱいで,読書もギターも,のんびりすることもできない.朝から心はドキドキしっぱなしで,「こんなことなら忙しさにかまけて働いている方が楽」とまで思ってしまう.
当然,仕事もうまくいくはずがない.対人関係の細かなミスが積み重なり,トラブルに発展し,職員の自由闊達な意見交換さえ阻害していることに気づいた.
本書は,そんな罪悪感が資本主義や奴隷制度,一部のキリスト教倫理によって張り巡らされた「怠惰のウソ」によるものだと示す.そして「怠惰は悪ではない,必要なものだ」と気づかせてくれる一冊だった.
もちろん,読んだからといってすぐに抜け出せたわけではない.ただ,抜け出そうとしなければ潰れてしまうことのほうが,「潰れずに突っ走ること」よりもはるかに現実的だと痛感した.
だから昨日,重い気持ちのままスタッフと腹を割って話した.
周りを頼らず孤軍奮闘しているつもりの自分は,周囲からは「入り込む余地のない,冷たく他を寄せ付けない人」に見えていたらしい.限界を宣言することは「負け」「弱虫」「リーダー失格」だと,自分で自分を追い込んでいた.
でも話してみると,みんなはずっと心配してくれていたし,手助けしようとしてくれていた.
「休むこと」「立ち止まること」を恐れていると,コミュニケーションまで閉ざしてしまう.この本を読まなければ,そこに踏み出す勇気は持てなかったかもしれない.
ただ一方で,本書の議論は「ある程度選択権を持つ人」を前提にしている側面もあると感じた.いわゆるブルーワーカーに対する視点は十分とは言えないのではないか.
本当に「罪悪感なく休む」ことが保障されるべきなのは,むしろ指示系統の最下層にいる人たちのはずだ.
上に行くほど働き方も休み方も「選択」できる.……選択できても,僕のように勝手に追い込まれる人間はいるのだけれど.
それでも,万人にとって大切な問いであることは間違いない.