あらすじ
これからの時代、経済成長を追い求めるだけで私たちは本当に幸せになれるのだろうか? 貧富の差の拡大、長時間労働、物質的には豊かでも精神的には満たされない暮らし、金融危機、環境破壊など経済成長だけでは解決できない難問が社会には山積している。いまこそGDPを上げるのみの成長至上主義には別れを告げ、「人間の顔をした資本主義」を目指すべきではないだろうか?経済の本来の目的は、「最大幸福を、最大多数に、できるだけ長期にわたってもたらすこと」。そこから導かれる真に豊かで持続可能な社会を創るための実践的処方箋は、ポスト3・11時代を考える上でも示唆に富む。ドキュメンタリー監督と経済学者が贈る21世紀型経済論。
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経済は何のためにある?
軽快な文章で行き過ぎた自由主義経済の問題の本質を捉え、
それに対する解決策も提示している
非常に読みやすく、目からウロコも落ちる
タイトルに関心がある人にはオススメの本です!
Posted by ブクログ
経済成長が、幸せをもたらす。そんな神話が壊れてきている。貧富の差の拡大、長時間労働、物質的に豊かでも精神的には満たされない暮らし、金融危機、環境破壊など、経済成長だけでは、解決できない課題が、山積みとなっている。
功利主義者ベンサムは「最大多数の最大幸福」を経済の本当の目的であると主張したが、現在は「最大幸福を、最大多数に、できるだけ長期間にわたってもたらす」ことよりいっそう重要となっている。
経済成長が暴走させないようにしっかりと見ていきたい。
Posted by ブクログ
資本主義経済の限界については多くの書籍に書かれていて、自分自身でも感じています。
「では次に来るのはどんな世界なのだろう?」という疑問があり、関連する図書を継続して読んでいます。
この本は、アメリカ人のドキュメンタリー番組の制作等に関わっている作家と経済学者による共著。
そもそも経済とは何のためにあるのか、という基本的な問いかけを読者に投げかけた上で、まずはGDPという現在の「尺度」の問題点を指摘します。
その上で、「最大幸福を」「最大多数に」「できるだけ長期間に」提供するという視点で、現在のアメリカという国の課題を挙げて、今後どうしていくべきかという提案をしています。
全体を通じて、アメリカという国の問題をアメリカ国民に問いかけるような構成になっていること、そして提案よりも課題提起にページがさかれているので、日本人の僕には当事者意識が持ちづらいように感じました。
しかし日本という国にも共通する問題も多く、特に資本について「物的」「自然」「金融」という形に分けてとらえるという考え方は参考になりました。
世界を牽引するアメリカという国も、多くの課題があり、多くの悩みを抱えているのですね。
この分野については、継続して勉強していきたいと思います。