あらすじ
魔女の娘は世界の優しさと残酷さを知る。
それぞれが失った大切な人を生き返らせるため、旧ガルディア魔導帝国の皇都跡地を目指すネロとアーシェ。これまで城の外の世界を知らずに育ったアーシェには見るものすべてが新しい。ネロにはそんな子供っぽいアーシェが年上ながらも愛らしく思えた。夜には、一枚の毛布に二人でくるまって眠る。そんな時ネロは、アーシェが異性であることを意識せずにはいられなかった……。
“重罪人の息子”と“魔女の娘”として、国から追われる身である二人は、関所を迂回するため、危険と困難がつきまとう山岳地帯のルートへ。そこでネロとアーシェは、旅姿の青年ハンスと出会う。彼もまた街道を使わずに国境を越えようとする訳ありの人物だったが、アーシェが魔法使いであることを知るや、ハンスは恐れるどころか、彼女に結婚を申し込んできた……。
彼は敵なのか、味方なのか。ハンスの存在が、ネロとアーシェの間にある変化を引き起こす。
外の世界に出たアーシェが直面するのは、人と自然の優しさと残酷さ、そして、自分が世界に嫌われる魔女であるという現実……。
世界を敵に回した少年と少女の、寄る辺なき旅の物語第2弾。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
ちょっと間が空きすぎの気もしますが、無事刊行されて何よりです。
もしかして煮詰まっちゃってるのかなー?とも思ったのですが、
個人的にはそんな気配も感じず読めました。
むしろ綺麗に纏まってると思います。
さて、こっから前巻のネタバレ含みますが
前回《不帰の谷》を旅立ち《皇都跡地》を目指すことになったネロとアーシェですが、
それによりタイトルの意味につながる世間の風当たりや、
そこから生まれた弊害や悪意に触れていくことになります。
それと同時に個々の理解ややさしさに触れる機会も得ます。
現代マスコミのプロパガンダより根強い浸透を見せている
「魔法使いを拒絶する世界」ですが、
正直これを覆すのは一世代程度じゃ無理だろうと思います。
ただ、理解の輪を少しづつ広げていくことは可能なわけで。
ネロとアーシェの旅が今後どのようにしてその輪を広げていくのか、
そしてなにを手に入れていくのか、非常に楽しみであります。
次はもう少し早く出るといいなー。