感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
米津玄師のorionに、真白な陶器みたいな声という歌詞があるが、雪国の白い陶器に薄紅を刷いたような皮膚というのを連想させた。
スキィ、ヴェエル、ポスタア、ウィスキィ、カアテン、クリイム、ストオヴ、大正や昭和初期らしい表記で、宮沢賢治感もあって、好き。
濃深縹色、玉蜀黍(とうもろこし)色、檜皮(ひわだ)色、桑染(くわぞめ)色、紅葉の銹(さび)色、、、日本の伝統色による表現が多かった。
表現がこれまで読んだどんな作品よりも深くて素敵で驚いた。読んでよかった。
Posted by ブクログ
無為徒食でニヒルな島村と、不器用だが素直で純粋な駒子との愛のかたちが描かれた本。
徒労を嫌い蔑み、虚無でもあり事実をそのまま受け取るような島村と、熱を帯びた情念で素直に生きる芸妓の駒子の対比が、特に最後の火事の場面において印象的に書かれている。
「徒労とは」
人々は無駄を嫌うが無駄をしない人などおらず、駒子のような徒労を続ける、続けることができる強い人間を逆説的に肯定している作品だと感じた。
Posted by ブクログ
駒子に対する島村の細かい感情の描写が秀逸。というか島村自身が文学的。これこそ耽美だわあと思わされる。雪国って寂しいんだよなあ。でもそこで火が起きた時の力強さとのコントラストはすごく良いね。分からない単語がたくさんあって、読み進めるのに結構時間がかかってしまった。駒子、迫りすぎ感は否めないけれど彼女の気持ちを考えると切ないー。島村もうやめてえー
Posted by ブクログ
すべてを文にして語らない、それが川端康成の作風だと思うし『雪国』ではそれが特に顕著だと思う。
寒々とした風景の描写はひたすら美しい。
星空の描写が特に好きです。
自分にとっては意味の内容なことが他人からすると生きていく理由になるというのは今でも通じるテーマ。
小説なのに、文豪なのに『書かないこと』を徹底して必要最低限な言葉で構成された作品なので、一から十まで説明してほしい人からすれば読み取るのが難しい。
文章からいかに『察する』かが求められる。
すべてを咀嚼できているとは思えないのでまた時間を空けて読んでみます。
駒子は一生懸命で哀れでかわいい。