あらすじ
ある日、神様がやってきた…ヒトと同じ地平に立ち、同じ苦悩を背負い、些細なことで喜び涙する。そんな神様は現代社会に何を見るのか…? ヒット作「自虐の詩」「空気人形」の鬼才が放つ、静かなる咆哮を見よ。
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Posted by ブクログ
全1巻。神様の仕事はゆるす事。生身の身体で降り立った神様がまーったりとこの世のいろいろなものに感動したり、時には人の優しさにふれたり。僕は神様の事を信じたりしてはいないのだけれど、こんな神様ならいたらいいかもなーって作品。温かい気持ちになりますよ。
Posted by ブクログ
きっと本棚から神様が呼んだんだと思う。
「関係あれ!」って。
すごいへっぽこな外見の神様と妙に現実主義的なアンジェラ。
神様が人間の世界にやってくる、という設定は「聖☆おにいさん」に似てなくもないが、業田さんの描く神様は、ストレートに神様である。でも地球上にいるときは生身の体(ロボットのような頭部だけど)なので、わかりやすい奇跡は起こせない。にもかかわらず、「関係する」ということで小さな奇跡を巻き起こしていくのだ。
何も解決しないし、人類の問題は言い尽くされたものだし、「人間を滅ぼして地球を救うべき」という議論はドラえもんにも出てくるテーマである。
神様は、世界じゅうのあちこちでつくりあげた「関係性」でもって、とりあえずの滅亡を止める。100%の解決でないことは承知の上で。そして最後は、仲良しの人間に呼ばれて、「いなくなって困ったよ」と言われるのだ。
「あなたがいないと困る」「あなたがいないと寂しい」畢竟人が言われたい言葉はこれに尽きるのかもしれない。
すべてのものは関係があるのだよ、という神様の言葉が胸に沁みる。
「自虐の詩」を読んだ時も、最後でどうしても涙が止まらなくなった。この物語も、なぜかしら涙があふれてくる。