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Posted by ブクログ
青春というものは如何なるものかを思い出させてくれる本。読んでいると、自分が生きていること、存在していることに不思議な自信が湧いてくる。
全共闘の時代に自殺した大学生の手記。終始灰色なトーンで日々の生活や心情が綴られている。理想と未熟な自分のギャップに悩み、自分の弱さをいつも反省している。
一方で、時々に綴られる詩や自然の描写はとても美しい。純粋無垢な心を持ちながら、仄暗い自己批判を続けているアンバランスさが愛おしい。
漠とした不安を抱きながら、形のないものに真剣に悩む経験こそが青春だと思う。
そして、自分もこのような経験を持っていることを時折思い出す必要があると思う。
年を取ると青春を経験できなくなってくる。青春には孤独が必要だが、孤独は特権だ。孤独を手放さなければ、生活ができなくなる。生活のために、仕事、家庭、お金など目に見える具体的なものに悩むようになる。具体的なものは自分の外にあるものだ。他人や社会によって、常に変わっていく。青春を忘れてしまうと、これらに右往左往することになる。
この本の中で「青春を失うと人間は死ぬ。」という言葉が書かれている。青春を失うことは精神の熱的死だ。青春という経験を思い出すことで、自分の中に目を向け直すことができる。1個の自分というものを意識することができる。現実に対する1個の自分。それが存在の矜持と自信。
Posted by ブクログ
酒とたばこに費やしてる。
ジャズ喫茶でクラシックを楽しんだりしている。
夜、寝付けず、書き連ねてることが多い。
下宿を変えたことで、友人関係の記述が消える。
長時間のアルバイトに従事している。
仕送り15万円貰ってる。
でもそれを使わず、生活しようとバイトに励んでいる。
4月から5月に対象を変えて、恋愛の炎が燃える。
最初はアルバイト先。後からは大学生。
段々社会主義の言葉が洗練されてくる。
同時に言葉と現実の落差に気がつくようになり、認知的不協和を感じているのではないか?と感じさせられる。
別の言い方をすると、社会主義の言葉を受け入れたことで、観念の世界と、現実の世界の落差に悩んでいたのかなと思う。
1月にスタートし、6月に自殺をされるのだが、4月に入って死に関する記述が出てくるようになる。入れ替わりに、友人からの言葉が消える。
時代の言葉にやられてしまったということか