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Posted by ブクログ
ボヴァリー医師の妻、美しいエマが、姦通を重ね、虚栄に溺れ、借財に追われ身を滅ぼす話。目の前の誘惑に負ける、強欲で愚かなエマ。遺された者のことを考えない、身勝手で卑怯なエマ。でも、およそ500ページにも及ぶ彼女の半生を辿ると、同情してしまう自分もいる。
エマは根から倫理に反した人間ではなかった。ただの夢見がちな少女だった。親や周囲に決められた結婚だったが、夢を見るだけに止まっていた。参事官の演説中、ロドルフがエマを口説く場面では、その行間にエマ(天使)とエマ(悪魔)の会話が隠れているみたい。彼女の葛藤が見事に現れていた。そして、彼女の人生の転落へ扉が開かれる印象的なシーンだった。一度身を持ち崩すと転がるように破滅の道を進む。夫が仕事で失敗し、自尊心の痛打をうけたときには、操正しくしたことを後悔すらする厚顔ぷり。
シャルルもシャルルで、エマの不貞に一切気がつかず(死後ロドルフからの手紙を見つけてもなお疑わないほどに現実から目を背けていたのだろう)、エマに理想を押し付けていたんじゃないかな、と思う。でもシャルルが全きの悪人でないところにこの物語のやりきれなさがある。
結局はエマの周りの人は誰一人幸せにならず、現実を生きる薬屋オメーと悪商人ルウルーだけが成功を収める。対比が痛烈。
現代だって、有名人の不倫なんてどーーでもいいことを第三者が鬼の首を取ったようにやいのやいの言うんだから、この小説が発表された19世紀には問題作扱いされるのは当然とも言える。裁判にまで発展し、そこで作者が発した「ボヴァリー夫人はわたしだ」という言葉はあまりにも有名。この言葉の裏にあるのは、「誰の心にもボヴァリー夫人がいる」ってことなのかな??????????
Posted by ブクログ
細部まで磨き上げられた作品。トルストイ『アンナ・カレーニナ』を意識させられた。悲しい話だが、文学の良さを再認識させてくれる。数多くの作家に影響を与えた作品。
Posted by ブクログ
退屈な夫の生活に嫌気がさし、不倫を重ねて、身を滅ぼす夫人の話。死ぬまでに読むべき1000冊の本のリストにあって、友人が話題にしていたので読んでみました。
Posted by ブクログ
海外の名作です~。
かなーり長い名作でしたぁ。
でもね、長いわりに飽きるってことはなかったなぁ~。
ストーリーは
田舎の医師ボヴァリーの後妻になったエマの不倫や借金地獄、そして自殺。を描いた長編小説。
うーん、エマっていう女性は、私からみるとわがままで自分のことしか考えられず、気分屋だし、夢見る夢子ちゃん。
私としてはそんなに好感持てなかったんだけど、でもね、読んでるうちにエマの心が分からないでもないのよ。旦那に退屈して、毎日の生活に退屈して、不倫に走っちゃう。でもって、入りこみすぎて相手に逃げられちゃう。なんか、どこかで聞いたような。。。。。
家族、家庭を壊してまでやってないいけないでしょ~。
これが出版された当初では風俗的に許されない話で裁判沙汰になったらしいけど、やっぱり時代はかわるのね~。今じゃ、こういう話も当たり前の世の中になってしまった。。。
フローベールも驚くだろうな~。