あらすじ
ガナーズはなぜ「黒人性」のアイコンとなったのか?
イアン・ライトからブカヨ・サカまで――
時に交わり、時に分かれるアーセナルFCの黒人アイデンティティの変遷
本書はいかにしてノース・ロンドンに拠点を置くサッカークラブ、アーセナルFCが英国における黒人性のアイコンとなったかの物語だ。1960年代のもっとも初期の兆候からグローバルな団体としての目覚ましい台頭まで「ブラックアーセナル」は黒人としてのアイデンティティとクラブとのつながり、そしてそれがメディア、音楽、ファッション、政治といった領域にいかに拡大していったか、という観点からアーセナルと現代的な黒人カルチャーの関係性を探訪しようとする史上初の試みである。
序文
01 我々のストリートとブラックアーセナル ポール・ギルロイ
02 ブラックアーセナルを定義する クライヴ・チジオケ・ヌウォンカ
03 オレの仲間はどこだ? エイミー・ローレンス
04 アウェーとホーム クライヴ・パーマー
05 ポール・デイヴィスにとってのブラックアーセナル ポール・デイヴィス
06 アーセナルを味わう スターディアス・クリスティ
07 ライト、ライト、ライト……1995年のアーセナル対ミルウォール、ロンドンにおける政治と人種差別 レズ・バック
08 ハイバリー・スタジアムの管理人 スティーヴン・デイヴィス
09 2002年・リーズ対アーセナル~ほとんどチーム全員が黒人じゃないか! ロドニー・ハインズ
10 エルソーン団地のゴッドマザー シーリア・フェイシー
11 サッカーとボクシング~マイケル・ワトソン、ハイバリーとともに戦ったファイター クライヴ・チジオケ・ヌウォンカ
12 支えあう仲間たち~アーセナル、黒人コミュニティ、そして音楽でつながる人々 クライヴ・チジオケ・ヌウォンカ
13 アーセナルを愛する黒人女性たち ローラ・ヤング
14 カヌからケレチへ ショーン・ジェイコブズ
15 イングランド北部から見るアーセナル デイヴィッド・フォレスト
16 アーセナルと黒人としてのアイデンティティ イアン・ライト
17 ハイバリー・スタジアムからハイバリー・スクエアへ タリク・ジャジール
18 私とイアンライト~ロンドンとサッカーの周縁から エディ・オッチェレ
19 アーセナル・イン・ザ・コミュニティ サミル・シン
20 壁画「私たちが所属する場所を見つけた」の製作 ルーベン・ダンゴー
21 セレブカルチャーとアーセナル サム・メヒアス
22 ブラック・ヒーローとブラック・スーパーヒーロー タヨ・ポプーラ
23 アーセナルのジャマイカシャツのデザインの裏側 クライヴ・チジオケ・ヌウォンカ
24 ブラックアーセナルとアジア系イギリス人 アナミク・サハ
25 ブラックアーセナルのビジュアルカルチャー クライヴ・チジオケ・ヌウォンカ
26 アーセナルのユースチーム~変わるもの、変わらないもの マシュー・ジョゼフ
27 ブカヨ・サカ~デジタルカルチャーのスターボーイ ジェームズ・マクニコラス
28 ブラックアーセナルの今後とこれからの可能性 ゲイル・ルイス
訳者あとがき
執筆者紹介
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Posted by ブクログ
20数人のアフリカ系英国人による執筆連作で、イングランド・プレミア・リーグのアーセナルが黒人たちと良好な関係を築き、彼らに愛されているチームになったかが強く語られる。強い人種差別の未だに残る英国において、ロンドンにもいくつかのチームがあるが、アーセナルが早くから黒人やアジア人も受け入れてきたか、特にアーセン・ヴェンゲル監督が積極的に多くの黒人を獲得してきたことが英国社会にも影響を与えてきたであることが良く分かる。イアン・ライトやティエリ・アンリ(元・仏代表)がレジェンドとして尊敬を集める存在になり、現在ではブカヨ・サカをイングランド代表の中心メンバーとして送り出している。英国のフーリガンは今では聞かなくなったが、このような人種差別の強い国だからこそ起こったことであることが理解できた。こういう環境下でのヴェンゲル監督の判断は凄かったという印象である。
最後に女性チームについても語られる。英国文化を理解する好著である。