【感想・ネタバレ】アメリカ 崩壊の地をゆくのレビュー

あらすじ

カローラを駆って365日、
トータル2万6000キロ。
素顔のMAGAに会ってきた!

2024年11月のアメリカ大統領選で共和党のトランプが再選された。
選挙前後のアメリカには何が起きていたのか?
いまだやまぬ、20年大統領選の選挙不正論、とめどなく拡散する偽情報や陰謀論、
容赦なき移民狩り、そして求心力を失ったレガシーメディア......。
アメリカの民主主義は崩壊の一途をたどっている。
それでも、アメリカはトランプを選んだ。
トランプ信者・MAGAの本音とは? なぜ、民主党は負けたのか? アメリカにはいかなる未来が待っているのか。
大統領選を境に365日、アメリカ各地を巡った著者による渾身のリポート。

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Posted by ブクログ

著者がほぼ実費でアメリカ現地の共和党支持者や民主党支持者をそれぞれ取材して回った渾身のルポ。
文字の連なりではあるけれど、でも個人的にニュースを見るよりも、よりアメリカの分断の現状やそこで暮らす人達のことを知ることが出来たように思う。そしてそれを通して、今の日本の置かれた状況やこれから先に訪れうるかもしれない未来を見てるかのようでもあった。

「MAGAの人たちだってアメリカがどうなってもいいと思っているわけではなく、何とか良くしようと必死なのだ」
という著者の言葉があるのだけど、このルポに出てくる人たちを見ていると、それがよく分かる。
差別的だったりデマを多用していたりするようなとんでもない政治家を支持しているからといって、その人自身に善良なる部分が全くないわけじゃない。
人はその一面だけではなくて多面的で一貫性のないものだという、それはすごく当たり前なことなのだけど、でも日常の中で人の話を見聞きするとつい忘れがちになってしまう。
こうして本や人の会話をきっかけに思い出したり考えたりして、できる限り肝に免じておきたいなと改めて感じさせてくれる。筆者の思いはもちろん、アメリカの地に住む色んな人の思いや言葉に刺激を受けるルポでした。
この本の中で気に入っている言葉や考え方、やり取りは沢山あるのですが……。
古いメディアだと揶揄され地方の新聞社がどんどん減る中、経営が苦しくても新聞を作り続けている人たちが「新聞経営は効率的になんてできない。民主主義は効率的なものではないからだ。これは市民としての義務だ」「真実はあなたが見たいものとは、違う。真実はあなたを幸せにしないかもしれない。もし真実があなたを不幸せにするなら、(それをこれから)どうやって解決すればいいのか考えるべき」ということを述べていたのがすごく印象的でした。
誠実に働いてくれる新聞社やジャーナリストの人たちの存在の有難みを感じたし、そうして彼らが届けてくれる情報や言葉を蔑ろにせずできる限りで拾っていきたいと思いました。できる範囲や保てるモチベーションは限られていますが、こうした重要な仕事を担う人がその職を続けられる環境であってほしいです。
また、とあるアメリカ市民の「外に出ないと自分の文化はわからない。……中略……自分が正しいと考えがち。もっと謙虚でなくてはいけない」という言葉も好きです。
自分を知るためにも外の世界や他人の言葉にたくさん触れていきたいなと思うなどしました。
この本はアメリカの人たちの話であるけど、でもこれは自分からかけ離れた遠い人の話ではなくて、すごく身近な人たちの話なのだと感じた。大切で貴重な一冊です。

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2026年05月07日

Posted by ブクログ

現在のアメリカの状況があまりに悲惨で、読んでいて気持ちが悪くなるくらいだった。トランプがギャロップの支持率調査を停止させたニュースを聞いて、さすがにアメリカ人も現実の問題点に気づいてきているのではと甘い期待を寄せていたが、筋金入りのMAGAにとっては、民主党地盤の都市部に軍兵を派遣したり、ICEが呵責ない拘束や暴力を振るうことも、全く憂慮すべきことではないようだ。今年行われる中間選挙でトランプ派に自らを省みる機会が与えられるのでは、というかすかな期待も、この本を読んでいていかに楽観すぎるかを思い知らされた。前回同様、自分たちが負ける選挙は不正選挙なのだから。これらの強烈な敵対意識と思い込みの元凶がSNSなのだから、アメリカに限らず民主主義は破滅の一途だろう。

「SNSは注目を集めるコンテンツの製作者に金銭的なインセンティブを与える。事実でない情報、まったくの嘘を拡散させることで大きな利益を得ることができる。それが民主主義を壊しているのです。」

「権力者の最終目的は権力の維持。インフルエンサーは金と影響力の確保が目的だ。そして、目的が手段を正当化する」

今回の衆議院選挙の結果にもそれが表れているように、日本も遠からずその道をたどるだろうという暗い展望に、日々気分が押し下げられている。

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2026年02月24日

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