あらすじ
「揺るぎない日米同盟」は一体どこに向かうのか? 第2次トランプ政権誕生で対日圧力がますます強まり、日米の軍事一体化が進む今こそ読みたい。
黒船来航から現在まで約170年にわたる日米関係史を、戦史・紛争史の観点から読み解く! 「日米同盟をより一層強化すれば、日本国民の安全は高まる」という日本政府が国民向けに提示する単純な図式を、我々はどこまで信じていいのか!?
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Posted by ブクログ
I have never seen a book on U.S.–Japan military relations that is organized so clearly and logically.
It is very rich in content, exciting to read, and genuinely enjoyable.
There were many things I had forgotten, so it was also very useful for organizing my thoughts.
This is a book I would definitely like to come back to and read again.
○ペリーは圧倒的な力量差を見せつけるために、大量の蒸気船と軍艦を用意しようとしたが、日本はすでにこの情報をオランダから仕入れていた。
○1854年に再度ペリーが来航し、日米和親条約が締結された。当時の天皇は、これを追認したが、「従来の秩序に大きな変化をもたらす」として勅許(天皇の裁可)を拒絶。ここでペリーは、このままではイギリスとフランスに攻められるとのブラフを聞かされ、勅許なしで締結を決断。
○1860年に入ると、日本は戊辰戦争、米国は南北戦争でしばらく両国関係は一時的に足踏み状態へ。戊辰戦争では、戦後の日本への影響力を見込み、イギリスは新政府軍に、フランスが旧幕府軍に兵器を送り込んだ。
○1868年の明治新政府が特に重視したのは外国との「不平等条約」の解消。とくがわばくふじだいに、オランダやイギリス、フランスなどと結んだものは例外なくそれであった。このため、岩倉使節団を派遣。彼らはここで帝国の成り立ちも学んできた。
○1902年、日英同盟。これは大日本帝国が近代国家として最初に締結した軍事同盟。
○1904年の日露戦争で日本海軍は国際社会での存在感を飛躍的に高めた。(ロシアのバルチック艦隊を破ったツシマ海戦は世界の海戦史にも残る決戦)
⭐︎ロシアの南下を防ぎたいイギリス、満州の利権独占を危惧したアメリカ、ロシアと関係が深いフランスは、日本が勝ちすぎない段階での終戦を望んだ。
○この戦争の際、アメリカの銀行家と鉄道王が日本の戦時国債を買い支えることで間接的に勝利へと貢献。
○シベリア出兵で日本が得たものは、「米国への不信感」「軍事強化の必要性」など、欧州、米国と足並みが揃わないことを確認。
○こうした方向性が軍の暴走を許容する雰囲気を生んだ。決定打としてワシントン会議で、米国不信が一段と深くなった。共産主義を身につけたソ連、信用できないアメリカなどに挟まれた日本は、世論や現場の関東軍の勢いで満州事変を決行。これで国際的に孤立。国際連盟からも脱退。
○1930年代まで大西洋はイギリスによって守られていたため、潜在的な敵国である日本にアメリカは目をつけていく。
○日中戦争を始めた日本達を見たアメリカは、当時、反戦主義路線。これにより、経済制裁で日本を追い詰めていく。最終的に石油を止め、これにより太平洋戦争が勃発。
○太平洋戦争開始が知らされると、多くの日本国民はアメリカとの戦争開始を喜んだ。
○アメリカは日系アメリカ人も潜在的脅威と位置付け、カルフォルニアへ強制的に移住させる。
○マッカーサー陸軍中将は「フィリピン軍元帥」の肩書も併せ持つ。
○日本軍は敗戦が濃厚になり、フィリピン戦で初めて特攻を開始。これで、米海軍の弱い空母を撃沈したことにより、有効性を見誤り、継続して攻撃を実行。結局3年9ヶ月もの間アメリカと戦争を繰り広げることに。
○北朝鮮の韓国侵攻により、マッカーサーの日本共産党への弾圧がさらに熾烈に。アカハタの発行禁止を命じたことも。吉田内閣は共産主義者の公職追放を閣議決定。
○朝鮮戦争勃発により、自衛隊の前身「警察予備隊」が発足。
○サンフランシスコ平和条約でも沖縄の主権は回復せず、引き続きアメリカの占領下に。その後、日米安全保障条約に調印。当時は、第三国が日本を侵略しても米国は守る義務すらなかった。結局、岩倉具視が不平等条約を解消すべく動いたにもかかわらず、これが復活することに。
○その後、岸信介がこの条約の改定に取り組んだ。そして新日米安全保障条約を結んだが、激しい反対運動が巻き起こった。
○1989年、ソ連崩壊により冷戦終結。
○1990年、イラクによるクウェート侵攻により、新たな火種が。これはもともとオスマン帝国から英国の植民地を経て独立したイラクがクウェートも我々の一部であるという主張から行われたもの。
○日米の軍事的な協力関係は、国会での批准が必要とされる両国政府間の条約と、国会での批准が不要で内容も国民に明かされない日米合同委員会での合意という、二つの面で構成。
○安倍政権は2014年に集団的自衛権の憲法解釈の変更を閣議決定。その年NSSも設立。
○2016年には「自由で開かれたインド太平洋戦略」を発表。これは中国の権勢も含めたもの。
○第一次トランプ政権以降、アメリカ製武器の購入量が大幅に増加。日本はアメリカの軍事産業にとっての上客に。
○岸田政権下では、安保三文書の改定、防衛費の増額などを実施。
○トランプ政権により、これまでの日米関係に変化が見られる可能性がある一方、安倍路線を継承する高市政権により、より関係が強まる展開も想定される。