【感想・ネタバレ】まっとうな人生のレビュー

あらすじ

移住者として暮らす富山で十数年ぶりに再会した花ちゃんとなごやん。飛騨でのキャンプ、身内の死、そして輪島への家族旅行……緊張感に満ちたコロナ禍の暮らしを富山の風景に乗せて描く、温かな傑作長編。

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Posted by ブクログ

 躁うつ病の女性「あたし」(博多出身21歳)と、うつ病の男性「なごやん」(名古屋出身24歳)が、精神病院を脱走し、九州を舞台におんぼろ車で逃亡するロードノベル『逃亡くそたわけ』の続編です。

 前作から10数年後、2人はそれぞれ家庭を持ち、偶然にも共に富山に暮らし再会を果たします。
 「あたし」は、衝動に突き動かされかつての日々を愚かで、今を「まっとう」と思っています。ゆる〜くトホホな大人の話は、笑いを誘いホッとします。

 そうした笑いの中に、「まっとうな人生」って、どんな人生? どうすれば送れる? 人や物事が正しい状態の「真っ当」と頭で理解しても、そんな哲学的な深い問いがもたげてきます。

 富山の食・方言・歴史や文化・風景等がふんだんに描かれ、花ちゃん(あたし)の人生はまっとうに面白おかしく展開されると思いきや、コロナ禍に突入します。失われゆく日常の暮らしを死守すべく、花ちゃんはもがき続けるのでした。

 自身の病気、周囲の人との摩擦や対立…。これらを極力避けつつ、日常を大事に生きることが、いかにめんどくさく難しいことかを思い知ります。他人事と思わせない不思議な味わいでした。

 誰もが人生というロードノベルを生きているのでしょうか? 身の丈に合った暮らしが一番でしょうし、繰り返し難題が降りかかっても、物事に対して誠実かつ堅実な判断をしたいと肝に銘じました。

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2026年05月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「逃亡くそたわけ」の続編。ざっと読み返してから、臨んだ。
富山のあるあるや、県雑学や、生活や、イベントや、固有名詞たくさん。
地図があるのは前作と同じだが、経路ではなく、富山の歩き方というニュアンス。
花ちゃんもなごやんも、県外からの移住者。いわゆる「たびの人」としての生活観だが、たぶん作者の実感でもあるんだろう。
2019年4月から2021年10月まで、つまりコロナ禍の初期。
自粛と分断で生活が、ガタつきそうなのを、なんとか抑えるのだが、双極性障害持ちとして、とはいえ家族もできたいい大人として、なんとかかんとか。
特に花ちゃんが、大人になったものだなと感慨深いが、それは読者も同じ。
前作のやたけたな抒情を愛する者だが、本作もまた別の手ごたえで、よい。
娘の佳音がちょうど自分の娘と同年代ということもあり。

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2026年01月21日

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