あらすじ
物質を作る最小単位の粒子である素粒子。誕生直後の宇宙は、素粒子が原子にならない状態でバラバラに飛び交う、高温高圧の火の玉だった。だから、素粒子の種類や素粒子に働く力の法則が分かれば宇宙の成り立ちが分かるし、逆に、宇宙の現象を観測することで素粒子の謎も明らかになる。本書は、素粒子物理学の基本中の基本をやさしくかみくだきながら、「宇宙はどう始まったのか」「私たちはなぜ存在するのか」「宇宙はこれからどうなるのか」という人類永遠の疑問に挑む、限りなく小さくて大きな物語。
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Posted by ブクログ
この本のおかげで、大学で訳もわからず数式を追って得た知識に対する理解が深まった気がする。色々な切り口で同じ概念に触れることはやはり大事だと感じた。
概念の大枠とそれから得られる仮説とをかなり大きく紹介しているので、そこまで難しいとは感じなかったが、説明を省いているような部分の知識を持っているとより面白く読めたと思う。実際に、研究で使うために勉強したような理論の部分は、最先端をいく科学者が自分の学んだことのある知識を、どのように活用しているのか知ることができ、興味深かった。
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恐らくこれ以上はそうできないというくらいわかりやすく現代宇宙論の概略が書かれているのだが、それでも4つの力と素粒子の振る舞いからはやはり難しい。ここまで来ると理論的に設定されたいろいろなものと直感によるイメージの世界とが乖離して純理論の世界に近づくからだろう。クォークの色(色じゃない)とかそう理解できないよね。
それでも極大の宇宙の世界と極小の宇宙の世界をウロボロスのようになんとか同じ法則、同じ視野で見通したいという著者の熱意ははっきりわかる文章であり、不正確なイメージではなく何度も読んでそういうもんとして飲み込むほうが多分正しい気がする。素粒子物理学入門としては上位のわかりやすさではある。
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村山さんの宇宙論はとても分かりやすいので、文系の人でも理解しやすいと思います。
しかし後半の4つの力あたりから難しくなり、理解が追いつかなくなりました。
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#ヨンデルホン
#宇宙は何でできているのか #素粒子物理学で解く宇宙の謎 / #村山斉
#幻冬社新書 #ヨミハジメ #ドクリョウ #ヨミオワリ
2010年刊行。難解な内容を分かりやすく丁寧に書かれていた。過去の研究やノーベル賞受賞の後日談などもあり、面白く読めた。ビッグバンまで遡れば人類皆兄弟。
Posted by ブクログ
とても素晴らしい内容である題名から不足される宇宙の出来事でありますが 本書の内容は副大臣に示す 物理学の話が主になっている とても分かりやすく解説されているので 多くの人におすすめできる内容である
何でできているのか 更生する物質は ソリューシと呼ばれるものである これはとても小さな物質を構成する単位である 宇宙を語ることは所有者に成り立ちよ ら調べることと同じ意味合いにあることを意味している
ニュートリノのバンコク 物質 ビッグバン
素粒子量子力学の研究はどのように行われているのかクオークを探し求めるミニ ロンド 実験の世界が語られている
4つの力とは 重力 電磁力 強い力 弱い力不確定性パリティがキーワード仕草 粒子は発見された
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文系の私にとって「素粒子」「強い力・弱い力」「暗黒物質」などちんぷんかんぷんもいいところ。
でもこの本を読んで解ったのは、「2000年以降、物理学では『何が解らないのか』がわかってきた」ということ。
宇宙の総重量のうち、元素が占める割合は「4%」で残りのうちほとんどが何でできているかわからない…とか。
知的刺激を受ける本です。
Posted by ブクログ
宇宙は何でできているのか
ベストセラーとなっているのもうなずける、平明な文章と解説です。特に、各理論のエッセンスを要約し、難しい説明を省く際の思い切りの良さが光ります。
内容的には、ウロボスの蛇をモチーフとした、極大(宇宙)と極小(素粒子)の世界が実は密接な関係があり、現状で物理学・天文学はその真の姿にどれくらい迫れているのか?を教えてくれます。
また、逆に何がわかっていないのか?わかっていないものにはどんな説があるのかに関しても若干触れています。
惜しむらくは、「生物と無生物のあいだ」の福岡先生のようなドラマティックな発見物語や裏話などはないのでその点は期待なきよう。
一昔前は、面白い科学本は欧米の科学者かサイエンスライターの書いた物という頭がありましたが、最近日本にも平明な文章で楽しく・面白く科学を解説してくれる科学者の方々が増えてきているようで、今後期待したい分野であります。
「事実は小説より奇なり」ですから。
竹蔵
Posted by ブクログ
ビルや街灯、ネオンが煌々と輝く都心では殆ど見る事はできないが、小学生の頃に林間学校で見た夜空を覆う幾多の星は子供時代の私の心を躍らせ今でもドキドキ感をよく覚えている。流れ星がこんなに沢山あるんだという事、これだけ星があればきっと地球以外の星に生命体がいるという期待。宇宙はそもそも何で出来るかなど考えたこともなかった。今ならYouTubeなどの動画でそうした謎を解明する番組も多いが、当時は携帯電話すらもない世界、ただただ空の星に想いを浮かべるほか無かった。今でこそ様々なメディアで取り上げられるから宇宙の始まりも、今なお拡大を続ける状態などをご存知の方も多いだろう。本書はそもそもその宇宙自体が何で出来上がっているか、その謎を追い続ける研究者達の飽くなき探究心を伝えている。筆者はそのひとりの物理学者である。
内容は当然難しいのだが、ノーヘル賞をとった研究成果などの解説と判りやすい例え話が豊富で物理に無知な私でもイメージし易くなっている。
本書を読んでいると、人間の技術力の凄さと、何より知りたいという想いの強さが強烈に伝わってくる。遠いものを見るのも、小さすぎるものを見るのもどちらも技術がなければ見れないのだが、それよりも前に「それはあるはずだ」という強く信じる気持ちがなければ、それに辿り着くのは難しい(もちろん偶然の発見も沢山あるが)。
物理学の世界だけに限らず、何事も理論と実証の繰り返しで事実とされていくのだが、スーパーカミオカンデやヨーロッパの巨大施設CERNに籠っていつ出会えるかわからないものを待ち続けるのは根気以前に強い信念と確信が無ければ心が折れてしまうだろう。
本書を読みながら自分にもここまで情熱を注げる事があるかと、自問自答しながら、恐らくは筆者がにやけ顔で楽しそうに執筆している姿を思い浮かべるのである。
Posted by ブクログ
素粒子、宇宙の仕組みの研究の来歴を解説した新書
宇宙の始まり、宇宙の果て、物質の最小単位
ウロボロスのように循環する謎
今まで何となく理解していた素粒子というものについて、ちょっとだけ深く知れた
ただ、全てを理解できたわけではないので、ちゃんとした理解には程遠い
物質には大きさのスケールがある
自分を基準に大きくしていけば宇宙の果てになるし、小さくしていけば物質の最小構成単位になる
宇宙の果てを知るには、宇宙が発生した残滓を観測すればいい
宇宙の発生時は高エネルギーで物質が安定しない状態だった
だとしたら、高エネルギーの状態を作り出せば宇宙発生当時を再現できる
素粒子の種類や力の法則が分かれば宇宙の成り立ちが分かる
成り立ちが分かれば今後どうなるのかも予測できる
といった風に最大のものと最小のものへのアプローチは密接している
現在観測されている原子を全て足しても宇宙全体の重さの4%
他は観測できない質量を持つダークマターが23%や存在するであろうエネルギーのダークエネルギーが73%
それだけのものがなければ現在の宇宙を構成できないという、観測値からの推論
作中ではヒッグス粒子は推測語られているけど、既に観測済み
物質に重力を与えるのはヒッグス粒子
ヒッグス粒子の影響を受けるものと受けないもの(光子)があるので、それぞれの振る舞いの不可解さが理解できるようになったと
標準理論に必要なレプトン、クォーク、光子、グルーオン、W粒子、Z粒子
そしてヒッグス粒子
宇宙の始まりは全ての粒子が重さを持たずに光速で飛び回っていたが
ヒッグス粒子が発生して宇宙空間を満たし、他の素粒子に重力を与える
クォークやレプトンはヒッグス粒子から受けた抵抗によって質量を持つようになり
質量が生まれたことで素粒子が集まりやすくなった結果、原子核ができ、原子が生まれたと
それぞれの素粒子の発見に至る過程
それまでの研究や観測結果があり、理論があり、またその実証実験という繰り返し
やはり、科学の発展は人々の想いがあってこそだなぁと思う
Posted by ブクログ
宇宙を構成する原子および素粒子を中心に噛み砕いて説明されている。
正直あまり理屈は理解しきれていないが(エネルギーが質量になる、など…)、すべての星を集めても宇宙全体の重さの0.5%、原子で4.4%、それ以外は暗黒物質、暗黒エネルギーなどの原子以外のものであるらしい。標準模型やクォーク、ヒグス粒子など、そういったものの存在を知ることができただけでも学びになった。
この本は2010年のものなので、13年経った今の最新宇宙事情が気になる。
Posted by ブクログ
今までSFを漁りながらも、ド文系で最低限知識もないまま読んでいたのですが、少しでもわかった方がよいのではないかとチャレンジしました。入門書として最適だったのでは...!暗黒物質とか暗黒エネルギーとか、ちゃんとした物理学上の単語であり、定義なのだということをしっかり理解しました。とてもわかりやすい。
また少し経つと、クォークってなんだっけ?ってなる気がするので読み返したいと思います笑
Posted by ブクログ
★分かりやすい入門編だが、もう一歩欲しい★広大な宇宙と極小の素粒子がウロボロスの蛇のようにつながっているという関係性を分かりやすく説明してくれる。物理の世界では現象を説明するための仮定が次々と生まれ、巨大な実験設備で確認されていく。ダークマターなどそれでおも分かっていないことが多いことが分かり、日本人のノーベル物理学賞受賞者の貢献も何となくイメージがわくように記してくれる。物理のワクワクを伝えるための本で、ケタの違いを比喩で表したりと確かになんとなく伝わってくるのだが、こちらの能力不足で細かい点は全く頭に入ってこない。それはいかんともしがたいのか。
Posted by ブクログ
素粒子が聞いたことがあったけど、クォークなんて初めて聞いたといレベルで読み始めたが体系的に説明されているのでぼやんとだがつかむことができた。
合わせてより理解するための本として、佐藤勝彦監修の『相対性理論を楽しむ本』と『「量子論」を楽しむ本』(PHP文庫)を読みたい。
Posted by ブクログ
以前、半分ほどのところで挫折。今回その部分の内容が、とてもよく頭に入ってきました。著者の説明がとても上手なのがよくわかりました。ここ一世紀の研究の進歩の面白さは想像を絶します。
Posted by ブクログ
入門書の役割に徹した誠実な記述。かつ、実験と理論の歴史をめぐっては、正確な記述でこの分野の研究史を概観できる。
もともと評者は大学時代、クォーク論のなかの強い力をスーパーコンピューター上で計算していたので、極小の世界はほぼ理解。極大の暗黒物質や暗黒エネルギーは初耳。
これからの展望を知る上でも、面白かった。
Posted by ブクログ
宇宙については、誰でも1度は考えたことがあるであろう。無限に広がる黒い空間に吸い込まれている自分の姿を思い浮かべ、怖くて眠れなくなった幼少時代を思い出す。
が、時が経つと共に、宇宙への思いはどこかへ行ってしまい、現実の世界での考えで、頭が埋め尽くされていく。
そこで、現れたこの1冊。
本の帯に書かれている一文を引用する。“ギリシャ神話で「世界の完全性」のシンボルとして描かれた「ウロボロスの蛇」。宇宙というマクロの世界が、素粒子というミクロの世界の法則に支配されていることを表している。”
以前、NHKのドキュメンタリーで、宇宙は一瞬のうちに形成されたと映し出されていたことを思い出した。実際には、そうだった野ではないかと考えられている。その一瞬というのも、1000分の1秒とかいうものではなく、100億分の1秒とかという時間なのだという。ただし、その時間でこの空間が形成されたということではないらしいが。
読み進める間に驚くのは、中高と学んできた、電子、原子核などというレベルの話は、科学、物理学の古典であり、現在では小学校で、あいうえおを学ぶ以前の段階のように思えるのだ。
さらに、ここ20年度の科学技術の発展で、過去に予想されていた理論の裏付けが次々とできてきたことは良いのだが、それとともに新しい疑問点が湧き出してきており、それを解明するといういたちごっこの日々のようだ。
しかし、もしかしたら、私たちが生きている間に、宇宙の歴史について、見えないところ、要するに光を放つ物質が形成されてくるまでの歴史が見いだされ、今後の宇宙がどのようになっていくか予想できるようになるかもしれない。
というのも、これまでの科学では、宇宙は膨張し、ある時点をすぎると、縮小していくと思われていたが、膨張は加速度的に進んでいるということが分かってきた。これは、今までの科学では予想できなかったことである。
もしかしたら、フリーエネルギーが発見できるかもしれない!とは、書いていなかったが。
現代の最先端の科学を、わかりやすく説明されている1冊であることに間違いはない。時事ネタも満載なので、今から、年始、年末の休みにでも、教養を広めるために読んだらいいと思える1冊です。
Posted by ブクログ
素粒子物理学が難しそうで不安だったんですが、大変わかりやすく説明してくれていたので理解出来ました。そう、比喩が大事なんだ比喩が。文系にはね。しかも触れているどころじゃなくガッツリでしたからね。相対性理論の知識もほんのちょっと増え…たかなぁ。とりあえずエネルギーと質量を同じに考えることができるということを知り。
はぁー、物理学はここまで進んでいるのか…最先端になるほどファジー君がやってきます。最先端の科学者ほどいきなりオカルトにハマりだしたりする、っていうのがわかる気がする。必死に考えてきたのにいきなりヘイ、ファジー!ってなればねぇ。頭のネジが飛んじゃうよね。
そうじゃなくとも物理学者は研究のためならアンデスに登ったり地下に潜ったり山手線程の実験道具を作ったり。お疲れ様です。
私達の体は他の星が爆発した時の星屑で出来ているようです。ロマンチックサイエンス。
Posted by ブクログ
ざっくり理解をする事が出来たと思うが、物理や数学的な専門的なところに入り込んでくると、中々理解が及ばないので、もどかしさはある。
でも宇宙に対する興味はあるだけに悩ましい。
宇宙の始まりとか、もう自分の頭では想像が及ばない領域なのです。
Posted by ブクログ
専門用語や難しい単語はたくさんあるが、調べながら読むと知識が深まった。岐阜県にあるスーパーカミオカンデ(2027年?からはハイパーカミオカンデ)という場所はかなり興味が湧いた。しかし、調べてみると研究機関の人以外は行けないらしかったので残念。
宇宙の物質の構成の円グラフで暗黒場(ヒグス)というものがあったが説明がなく、調べても分からなかった為そこで読むのを辞めた。暗黒物質についての説明はあったし、それらに関する本もあったため、それらについての知識を深めようと思った。『宇宙の謎 暗黒物質と巨大ブラックホール』という本をいつか読む本としてメモした。
Posted by ブクログ
副題にあるように、宇宙空間が何でできているかというより、宇宙に存在する素粒子に関する本。まあ、素粒子を掘っていくと何で宇宙がそもそもあるのかに突き当たるのかもしれないが、まだそこまでは解明されていない。
Posted by ブクログ
前半はなんとなく意味もわかっておもしろかったのですが、後半から難しくてわからないところが多かったです。
入門書でこのレベルなら、宇宙を知るにはまだまだ勉強が足りません^^;
宇宙エネルギーの73%を占めるという、暗黒エネルギーの正体が気になります。
Posted by ブクログ
最初のほうと最後のほうはわかりやすかったが、中間部が多少難解であるのは否めない。このような話を誰にでもわかりやすくというのはムリがある、というものだが、興味をもつためのとっかかりとなると思う。
宇宙ができたのが137億年前、望遠鏡で確認できる範囲が130億光年先、それより先が見えないのはまだ宇宙ができたばかりだから・・・というのはすごい。
宇宙が出来る前は何があった?虚無?
・・・こうなると神は存在してるのか?のような考えも浮かんできたり、物思いにふけるのである。