【感想・ネタバレ】ホワイトスペース戦略 ビジネスモデルの<空白>をねらえのレビュー

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 私たちも新しい顧客価値提案をしても既存のルールに妨げられて利益方程式や主要経営資源、業務プロセスを変更できずにいる。
 新しいビジネスモデルにとって特に有害なのは既存のビジネスモデルで適用されているルール。既存のルールにとらわれると未知のものを避ける事を合理的な判断だと思い込む。
 新規事業に取り組む私たちだが、実際は上記のような大企業病的な足枷に苦しんでいる。
 改革のリーダーシップがルールを変え、何度反対されてもやり抜くという粘り強いボトムのエネルギーが欠かせないと感じた。

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2020年06月22日

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ストーリーとしての競争戦略を読んで以来に素晴らしいと思ったビジネス書。ホワイトスペース戦略と言われるだけあって、単に新しい市場を切り開いて行くための示唆だけでなく、企業にとっての既存のコアビジネスとどう協業し、何を注意しなくてはいけないかを論じている部分が会社で働くものとしてはとても関連があるように思えた。以下要約

ホワイトスペースとは既存のコアビジネスから組織的に適合しないビジネスチャンスのことを言う。隣接スペースはホワイトスペースとは呼ばない。判断基準は既存と同じ利益方程式と主要業務プロセス、経営資源が違うかどうか、逆説的にこの三つの違いを見極めないとホワイトスペース戦略は失敗する。

ビジネスモデルの基本構成要素は顧客価値提案、利益方程式、主要業務プロセスと経営資源で、この三つのどれかに革新的な改良や想像をすることがビジネスモデルイノベーションである。

顧客価値提案について、そのジョブがどれほど重要か、既存のサービスにどれほど満足しているか、ほかの選択しと比べてどれほどより有効に解決できるかがビジネスの価値である。

利益方程式はどれだけ売上を上げられるか、直接費と間接費のコスト、一回の取引で得るべき利益、経営資源の回転率から成る。まずは顧客価値提案にイノベーションを起こしてから利益方程式を柔軟に考えることが大事である。何故なら利益方程式は不確実性を多く含むから。既存のコアビジネスはこれを前提にスタートする傾向があり、それがホワイトスペース戦略が社内で潰されてしまう理由である。既存のコアビジネスとは別にチームを設けて取り組むことが良い。

主要業務プロセスとは持続可能、再現可能な形で顧客価値提案を実現するための手段。主要経営資源とは顧客価値提案を実現するために必要な人材、テクノロジー、商品、施設、distributor, channel, supplier, 資金、ブランドなど。

市場の競争基準は時間共に変化する。機能性から信頼性へ、利便性、価格へと大衆化を辿る。アイムスはこのペットフード市場が利便性への変遷を遂げている狭間で顧客価値提案で差別化出来なくなり苦しんでいるような気がする。

ビジネスモデルの類型として、ソリューション工房型、バリュー付加プロセス型、ネットワーク促進型があり、皆が知らなかった知識が民主化されるに伴ってソリューションからネットワークに変遷して行く。ソリューション工房型は経営資源の回転が遅い一方で高付加価値カスタマイズサービスを提供し、バリュー付加プロセス型はパターンに応じて一様のサービスを提供する。ネットワーク促進型は知識が民主化されてくる世の中でインターネットを介在して消費者間での知識の交換わ促し、交流場での広告収入や会員費で売上を得る。

ホワイトスペースは市場の地殻変動も注意深く見なくてはいけない。市場の需要に劇的な変化(例えば東北大震災で人々のクリーンエネルギーへの需要が高まることなど)、テクノロジーの変化(インターネットとか)、政府の政策に大きな変化が起こることなどである。

顧客のジョブを発見する際、必ずしも顧客に尋ねるのが良いとは限らない。何故なら彼らはありきたりなことしか言えないからだ(機能を追加しろ、便利にしろ、安くしろ等)。それよりも観察などを用いて、顧客がどのような課題を解決したいと考えているかをステップバックして聞くことが助けになる。

顧客のジョブには機能だけでなく、情緒的なジョブや社会的なジョブもある。例えば、車だったら誰もがみっともない車に乗りたくない。水深10kmなんて潜りもしないのに防水の時計が魅力的に見えるなどだ。ファッションなどの分野ではむしろこちらが重要だと言える。

新しい顧客価値提案を作る際、沢山のオプションを最初に検討するべきである。商品やサービスの選択、アクセスの選択、支払いスキームの選択など、全ての要素で対極を考えることがソリューションを出やすくさせる。

ビジネスモデル導入期は育成期、加速期、移行期がある。育成期の目的は顧客価値提案の成否に重要な仮説を割り出し、意識的に体型的に検証して、ビジネスモデルの実現性を早期に判断することだ。小規模のテストマーケットが良い手段である。

加速期は再現性のあるプロセスを築くことに力を注ぐ。移行期は既存のコアビジネスがある企業ならではの時期で、コアビジネスと統合すべきか否かを判断する。何故なら新規事業は今までコアビジネスで築かれたやり方、人々の価値観に潰されてしまうことが往々にしてあるから。

進歩が起きるときは、いつも同じパターンが繰り返される。最初は無視される。その後は、頭がおかしいと言われる。次は危険だと言われる。やがて沈黙が生まれる。そして気がつくと、誰も反対を唱えなくなっている。トニーベン(イギリスの元国会議員)

既存のルール、行動規範、評価基準は足かせになる。ビジネスのルールを見直し、評価基準を変えなくてはいけない。

企業の経営陣の仕事はビジネスを伸ばすこと、それはコアビジネスを順調に運営する一方で、新しいビジネスモデルを実践するための資源に投資し、このビジネスモデルの作る、運営、廃止のサイクルを繰り返すことだ。その際に適切なリスク管理が必要だ。

新しいビジネスモデルを作る際はまず戦略優先で考えて、それに合わせてシステムや組織を修正すべき。顧客に価値を提供することが全てであるという優先の付け方が重要だ。そしてそれを提供する能力をつけるべきだ。逆の発想はアイデアを小さくする。ビジネスイノベーションはスケールの大きな目標を掲げるべきだ。既存の市場での競争のあり方を変えたり、新しい市場をゼロから作り出したり、業界の様相を変えたりする必要がある。コアビジネスが資産を生み出す作業は他の人に任せる。

勉強になった!

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2011年11月19日

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新事業の開発が成功しないのはえてして、まだ一つの仮説にすぎないものを確定的な事実と決めつけて行動するからだ。必要なのは、早期に、安価に、頻繁に、テストを行うことだ。少額の投資で多くのことを学び、新しい発見に基づいてビジネスプランを修正出来れば、新事業開発につきものの不確実性を大幅にやわらげられる。

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2011年09月19日

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こういう本では成功例をなぞるだけで、WHYの部分の深淵に踏み込んでいないため、ガッカリ感を味わうことが多いが、久々に「なるほど」感を味わい、モチベーションを向上することができた本でした。

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2011年06月27日

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ポーターの競争戦略論に近いが,
・顧客価値提案
・利益方程式
・主要経営資源
・主要業務プロセス
という4つのより平易なフレームワークで新規ビジネス立ち上げを語っている.
やっぱり特徴あるビジネスモデルと,それを実現するために最適化した業務プロセスが重要.

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2020年03月12日

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・言語の構造は、人間の思考だけでなく、物事の現実も左右する
・形を作ることにより、インスピレーションの扉が開かれる場合もある
・顧客価値提案:一定の金銭的対価と引き換えに、顧客がそれまでより有効に、あるいは確実に、便利に、安価に、重要な懸案を解決したり、それを成し遂げたりするのを助ける商品やサービスの提供
・成功する価値提案の特徴は、シンプルでエレガントであること。顧客価値提案を絞り込めば、対応するジョブの数を限定できる。それにより、新しい試みに対して過度に意欲的になることに歯止めがかかり、顧客がお金を払いたいと思わない(あるいはお金を払わされることに不満を感じる)ような要素を商品やサービスに盛り込みすぎる事態を防げる
・ビジネスを行う際に目指すべきは、一定レベルの利益率を確保することではなく、目標とする利益を得る為に必要な水準の利益率を確保することなのである
・競争の基準の変化:機能性→信頼性→利便性→価格(コモディティ化)
・顧客の未解決のジョブを見いだそうとする際に忘れてはならないのは、機能面のジョブだけでなく、情緒的・社会的な面のジョブも考慮に入れることだ。ヒンドゥスタンユニリーバでは、シャクティ・アマの社会的立場を意識した。環境保護の重要性を理解している人でもマイカーに対する情緒面でのこだわりを捨てられない
・顧客価値をどうやって最大化するか
1)現状では十分に解決されていない顧客の重要なジョブを見いだす
2)最も安い妥当な価格で市場にある他の選択肢より好ましい形でそのジョブを解決する提案を考案・開発する
・商品・サービス「それの最も重要な要素は私にとっての合格レベルに達しているか」
・アクセス「だれから、どのくらいの頻度で、どうやってそれを入手すれば良いか」
・支払いスキーム「何を基準に払うのか、数量単位か、利用回数単位か、生まれた価値の大きさに対してか」
・新しいものを想像する際に大切なことのひとつは、コントロールしすぎないことだ
・現実には、新事業を既存事業と一元化しようという条件反射的な判断が幅を利かせ、新しいビジネスの独特な正確が無視されるケースが多い。下記の場合は分離した方がよい
1)既存事業と大幅に異なるビジネスルール、評価基準、行動規範が求められる場合
2)明確に区別されたブランドが必要な場合
3)既存事業に破壊的な影響を及ぼすことが予想され、しかも、既存事業より固定費をはるかに低く抑えること及び経営資源の回転率を大幅に高めることの一方または両方が求められる場合
・企業買収を行う場合、注意すべきなのは、既存のビジネスモデルの要素を新事業に押し付けず、むしろ必要な要素を既存事業から引き出せるようにすることだ

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2019年01月05日

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訳本ながら比較的読みやすく好印象。
「ホワイトスペース」の定義がいくぶんあいまいなまま進むので全体を通す主張に弱さを感じる。

四つの基本要素
顧客価値提案/利益方程式/主要経営資源/業務プロセス

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2016年08月16日

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成功例を後付けの説明で納得するのではなく、
自分が新たにビジネスモデルを構築することができるかが課題となる。
☆顧客価値提案
・顧客にとって重要な未解決のジョブを見つけ出し、そのジョブを処理するための商品やサービスを一定の価格で提供すること。まず、標的とする顧客層がどのような未解決のジョブを抱えているかを十分に理解することが必要。

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2016年06月10日

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成長し続ける企業は常にクォンタムジャンプが必要という
ことと理解。既存の組織にあまり適合しないビジネスチャンスに
従来と根本的に異なる方法という普通に考えたら無茶なことに
チャレンジし続けることで、成長することができる。
その実現のために「4つの箱」というシンプルな考え方を
示してくれているのがわかりやすい。

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2013年02月08日

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ビジネスモデルが作り上げられるまでの概略図についての本。

顧客ニーズの把握と解決方法

利益構造

経営資源と業務フロー

サイクルを繰り返し、補正。

経営戦略を練りたい方に、
オススメです。

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2013年01月19日

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文章が多少難解ではあるが、考え方として知識として持っておきたい。
ホワイトスペースとはイノベーションの先にある。
顧客価値のスタートは、
何を欲しているかではなく、
何を解決したいと思っているかだ。

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2012年10月14日

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ビジネスモデルのイノベーションについて深い分析が記されている。

企業が成長を続けていくためには既存のビジネス、及びその周辺分野だけを戦場とするだけではやがて限界が訪れる。今までの事業から大きくはずれた場所=ホワイトスペースへ打って出てビジネスモデルにイノベーションを起こすことが、長期的な繁栄を目指す上では必須。というお話。

ビジネスモデルを考える上で、著者の言う、顧客価値提案、利益方程式、主要経営資源、主要プロセスという「4つの箱」は、独自でありながらとてもわかりやすく、企業比較をするとその中で明確に違いが出ておもしろいツールだと思った。

その他にも、非消費者を生みだす4つの障壁(資金の障壁、技能の障壁、アクセスの障壁、時間の障壁)やビジネスモデルの3つの類型(ソリューション工房型、バリュー付加プロセス型、ネットワーク促進型)など、なるほどそうやって見るとおもしろいねという視点をいろいろ紹介してくれている。

ビジネスモデルのイノベーションについての最大の課題は著者の言うとおり既存のビジネスとの折り合いだと思う。新しいことを始めようとしている最中に、拒絶される、型にはめられる、攻撃に合うことは避けて通れない。経営者がトップダウンでコントロールするのもそうなのだが、現場の推進者がなんとかそれをくぐり抜けていく術はないものだろうか。やはりコミニュケーション(人脈構築、根回し、ネゴ、はったり、おだて)しかないような気はするが。。

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2012年03月10日

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「真の発見を目指す旅で必要なのは、新しい土地を探すことではなく、新しい目を探すことである」プルースト

まーたまたまたカタカナ戦略ですか。。。と思いつつも、「イノベーションのジレンマ」の共著者だけあって面白いところもあった。

『デザイン思考』との共通点
「顧客価値提案」がスタート。顧客の、未解決で重要な課題を見つける。「何が必要ですか?」と聞かない(もっと安い、もっと性能がいい、とかありきたりの答えがかえってくるのが関の山)。「どのような課題を処理したいですか」と聞く。観察する。→利益方程式(事業の重要な指標を考える)、ビジネスモデルを考える。(ただしこれは線形ではなく反復的プロセス)
プランに1年かけるより、早期に、安価に、頻繁にテストしよう

膨大な量のケースを整理しただけあって興味深い類型:
ある商品・サービスの競争の中心の変化:機能性→信頼性→利便性→価格(ここまでくるとコモディティ)
問題解決事業の形態変化:1.ソリューション工房(体系化され切れていないものを扱う。医院、弁護士事務所、会計士事務所、コンサルなど(だいぶもう体系化されてきているような気もするが))→2.バリュー付加プロセス型(ほとんどの製造業)→3。ネットワーク促進型(通信ネットワーク。証券取引所。消費者が実権を握る)

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2011年11月04日

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ホワイトスペースという考え方が新鮮。概念だけでなく、具体的な事例やビジネスモデルの手法も記載されており、なかなか読み応えのあった一冊。

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2011年10月09日

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企業内での新規事業開発が前提だが、
新しいビジネスモデルを世に問うために必要な要素を網羅的に記しているので、
新規開業の際にも役立ちそう。

顧客価値と利益を生む方程式、
これがビジネスモデルなのではなく、
加えて資源確保のシナリオや業務プロセスまでを組み込んで
初めてビジネスモデルだということ。

また、PDCAサイクルをビジネスモデルそのものに組み込むという考え方はズッポリ腹に落ちた。

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2011年08月22日

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ネタバレ

ビジネスにおいて大きな成功・イノベーションを起こすには中核となるコアスペースだけでなく、その外側にあるホワイトスペースに進出しなければならない。イノベーションは偶然起きるのでなく、秩序だったプロセスを通じて実行できるという点が新しい。企業における戦略だが、個人的な戦略においても実践できる点が多いと思った。

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2011年07月18日

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Apple・ダウコーニング・ユニリーバ・ベタープレイス等々さまざまな会社の具体例を通して、様々な分野での新たな事業の中にある共通の戦略をわかりやすく紹介してくれていました。イノベーションビジネスの方法、?未解決JOBをみつけその解決法を考える?どうしたら未解決JOBと利益を両立できるか考える?ビジネスモデルを導入する、と具体的に説明してくれてあったのでなんとか理解できました(笑)またホワイトスペースとなりうる3つの条件等わかりやすかったです。まだまだ若手の自分には壮大な話で現実味がいまいちわかなかったけど、自分レベルで実践できることは、?既存ビジネスを理解すること、?経験則・目先のインセンティブ・過去の成功体験だけに頼ることを避ける・・・の2点かな。面白く読めました。次は「イノベーションのジレンマ」「イノベーションの解」「戦略的イノベーションー新事業成功への条件ー」を読もうと思います。

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2012年07月16日

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ネタバレ

ホワイトスペースとは、既存の組織にあまり適合せず、既存の顧客あるいは新しい顧客のニーズを従来と根本的に異なる方法で満たす領域のこと。そしてそこへのビジネスモデルイノベーションを行える企業が生き残る。顧客価値提案と利益方程式、そして主要経営資源+修行業務プロセスをいかにして回すか。いろいろな事例をもとに解説されています。これを行うには如何にして既存の事業からまずは切り離すか。

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2011年12月20日

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ネタバレ

ビジネスモデルとは、ビジネスが顧客と企業双方にとっての価値をどのようにして創造、提供するかを表現したもの。

ビジネスモデル設計は、4つの枠組みをデザインせよ。

1 顧客価値提案
2 利益方程式
3 主要経営資源
4 主要業務プロセス

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2014年09月27日

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いわゆる古い大企業に勤めつつ新規事業を考えないといけない身としては、よく聞く愚痴「上は分かってない」の原因理解と対処に役立ちそうだと思った。

ホワイトスペース
= 「既存組織のインフラに適合しない」かつ
「ニーズを既存と根本的に異なる方法で満たす」もの。
ホワイトスペースに踏み出すには、ビジネスモデル(どう儲けられるか)から刷新しなければならない。
特に既存企業の場合、自社の現在のビジネスモデルをまず理解する。その上でやろうとしていることがホワイトスペースへの進出か否かを経営者が理解する(させる)のが、第一段階として必要。
そしてホワイトスペースに進出するなら、既存とは全く異なるシステム(ルール、評価方法)が原則必要。

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2022年05月08日

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企業の自社の中核となる事業領域を「コアスペース」とした上で、「その企業の既存のビジネスモデルが活動の対象としていない領域」「コアスペースと隣接スペースの外にあり、新しいビジネスモデルを確立しないと生かせない領域」としてホワイトスペースを定義し、ホワイトスペースに進出し成長するための方策について論じられている。具体的には、ビジネスモデルの「四つの箱」と名づけた強力な枠組みを打ち出している。
「成功するビジネスモデルは例外なく、互いに関連し合う四つの要素で構成されている。第一の要素は、顧客価値提案。顧客が解決すべき「ジョブ(=用事)」をそれまでより有効に、あるいは便利に、あるいは安価に実行する助けになる商品やサービスを提供することである。…第二の要素は利益方程式だ。…
 …第三と第四の要素は、主要経営資源と主要業務プロセス。」
ホワイトスペースも「内なるホワイトスペース」=既存の市場を変革する、「かなたのホワイトスペース」=新しい市場をつくる、「はざまのホワイトスペース」=市場の地殻変動に対処する、に分けてそれぞれ論じている。
「既存事業の能力を活用する不合理」というのは、自分の今の業務に通ずるところで、肝に銘ずべきと痛感した。
「コアスペースのビジネスモデルを支える主要経営資源・業務プロセスは、事業を日々運営しているマネジャーたちの考え方に重大な影響を及ぼす。既存の能力が新しいビジネスモデルで実際に役立つかどうかに関係なく、その能力を新事業で用いようとするマネジャーが多い。
 …新しいビジネスモデルに既存事業の能力を押しつけるべきでない。なにを既存事業から借用し、なにを刷新するかは、新事業に自由に判断させる必要がある。
 新しいビジネスモデルにとってとりわけ有害なのは、既存のビジネスモデルで適用されているルールだ。既存のルールにとらわれると、未知のものを避けることが合理的な判断だと思い込みやすい。」
ちなみに、序文は「ゲームの変革者」の著者であり、P&G全会長兼CEOのA・G・ラフリーが記しており、両著書ともイノベーションの重要性を強調していることが印象的である。

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2021年08月08日

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ビジネスモデルを理解すれば
ホワイトスペースつまり未知の領域でもビジネスを成功させることは出来る

アッブルなどを実例にビジネスモデルの型を解説。リスクを無くす事は出来ないが、少なくする事は出来る。

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2015年09月03日

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「ブルーオーシャン戦略」の「戦略キャンバス」や「アクションマトリクス」のように新たな視点からのツールやフレームワークが提示されるのかというとそうではなく、戦略本としてはオーソドックスな内容で、既存の戦略論の領域を出るものではない。
ただ、「ビジネスモデル・イノベーション」という視点を軸足として、既存の戦略論のエッセンスを上手く組合わせて分かりやすく論じられており、個々の要素(著者がいうところの「四つの箱」)の間の「整合性」を重視するあたりは、「ストーリーとしての競争戦略」を彷彿とさせる。
加えて後半では実践にあたって想定される課題と対処策も紹介されており、特に既存企業において新規事業を始める人にとっては読む価値は大きいと思う。

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2015年06月07日

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新規ビジネスの立ち上げ方や評価のメソッドを、かなりしっかりと体系的に解説してる本。
既存組織内で新規ビジネスを立ち上げるのが如何に難しいかを説明しながら、それにどう対応しておく必要があるかを教えてくれます。

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2015年03月01日

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世界的に成功しているグローバル企業や、事業に失敗してしまった企業のケーススタディを通して、成功するビジネスモデルのあり方について分かり易く書かれています。内容も分かり易いですが、文量や図表のバランスも適切なので、スラスラ読み進められます。著者が強調しているのは、成功する企業のビジネスモデルとは、例外なく、「顧客価値提案」「利益方程式」「主要経営資源・業務プロセス」の4つの要素で構成されているということです。本書の中でも私が特に関心を持ったのは、顧客価値提案は「ジョブに基づくアプローチ」より始めよということです。この部分を理解できただけでも本書を購入した意味があったと思います。また、巻末でも述べられていますが、やはり企業のトップが新規事業に対して寛容であることが、結局のところ一番重要であると感じました。

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2012年05月06日

Posted by ブクログ

ホワイトスペースとは:
対象会社にとっての新規事業。現在対象会社が採用しているビジネスモデルが全く採用できない事業のこと。

本書は、対象会社にとって大きなビジネス機会となる新規事業への参入に対する考え方と障害についてまとめた書。
新規事業(ホワイトスペース)が成り立つためには、①顧客の未解決ジョブ解決手段の提供。②利益獲得手段の確保。③必要ビジネス資産の確保。④業務プロセスの整備。が必要であるとといている。

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2012年01月26日

Posted by ブクログ

Kodama's review
IKEA、FEDEXのように中核となる事業領域の外側にある『ホワイトスペース(空白)』を狙え!とのことでした。
(11.08.06)
お勧め度
★★★☆☆

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2011年09月27日

Posted by ブクログ

ホワイトスペース戦略という言葉に惹かれて購入し、読んでみた。
ビジネスモデルにイノベーションが必要な事は良く分かった。
ただ、ブルーオーシャンやニッチなどと近く改めて言うほどの事ではないような。
遠くのホワイトなスペースを目指すためには、イノベーションというよりは、ニューアイディアを構築するという方が適しているのでは・・・。

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2011年09月03日

Posted by ブクログ

既存の組織にあまり適合しないやり方でありながらも、既存の顧客もしくは新しい顧客のニーズを従来と根本的に異なる方法で満たすビジネス

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2011年06月19日

Posted by ブクログ

Business Innovationに対する著者のフレームワークは非常に面白く、理解を深めるにあたって有意義。とりわけ、犬と猫のアナロジーはわかりやすかった。

しかし、多くの理論書がそうであるように、PrologueとEpilogueで事足りる。「イノサイト会長であるMark Johnsonが書いた」というところに意味がある。

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2011年06月14日

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