あらすじ
【Hanada新書 013】
定年してもまだまだ元気。
仕事もたくさんある!
60代を迎えたライターが多くの仕事にチャレンジする体験型職業ガイドノンフィクション。
〇目次
はじめに
仕事探し その1 63歳のハローワークデビュー【サービス業】
仕事探し その2 路線バス会社の見学会に参加【交通】
仕事探し その3 タクシー会社の面接を受ける【交通】
仕事探し その4 清掃車に乗って街のゴミを集める【サービス業】
仕事探し その5 伊豆の会員制ホテルでベッドメイク【観光】
仕事探し その6 大阪と神戸のラブホテルでバイブを消毒【風俗】
仕事探し その7 解体業のパトロール隊として出勤【建設】
仕事探し その8 宅配会社の倉庫で早朝に荷分け【物流】
仕事探し その9 栃木の山小屋でクマに怯えて歩荷【観光】
仕事探し その10 ソープ嬢を送迎する女性【風俗】
仕事探し その11 脳障害者のグループ・ホームで調理【福祉】
仕事探し その12 ファストフード店で店員【飲食】
仕事探し その13 取材文字起こしにトライ【出版】
仕事探し その14 オートレース場で警備【サービス業】
仕事探し その15 沖縄のマンゴー畑で悶絶【農業】
おわりに
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Posted by ブクログ
■はじめに
新書は世相を敏感に映す。“今”を知るには手っ取り早く、それでいて財布にも優しい。そう思うのは、僕がシニア世代だからか…。
書店の新書棚を眺めていると、『60歳からの◯◯』というタイトルがやたらと目に入る。新書市場の主な読者がミドル〜シニア層であることの証ってこと。本書もまさにその一冊。
僕自身も、60歳で広告会社との契約が切れ、現在は“ひとり広告代理店”としてフリーの身。売上の多寡に関係なく、コピー1枚から交通費・事務所代等経費はすべて自弁。だからこそ、著者がハローワークの門を叩くに至る事情が痛いほどわかる。
今回の読書は、僕自身の“身の置き方”と“これからの振る舞い方”について、あらためて考えさせられる時間となった。
■内容
本書は、〈定年後もまだ働きたい63歳のライターが、さまざまな仕事に挑戦する体験型職業ノンフィクション〉である。
著者はキャリア40年以上のフリーライター。政治・経済からスポーツ、文学、音楽まで幅広く手がけ、著書も多い現役の書き手。
しかし、還暦を境に仕事が激減。背景には出版市場の縮小、SNSの台頭を受け活字離れにますます拍車がかかり、そして編集者から見た「年上ライターの扱いづらさ」。言わなくてもいい指摘をしてきたり、必要以上に気を遣わなければならず、つまり“面倒くさい存在”になりがち。
そんないくつかの理由と事情が重なり、執筆依頼が減り、著者はついにハローワークを訪れる。そこで提示された仕事の多くは肉体労働。資格は自動車免許のみ。やはり現実は厳しい。でも著者は「選り好みしなければ仕事はある」という事実に気づく。
ただ頻尿とお腹を下しやすいという肉体的不安も抱えており、実際、タクシードライバーや路線バスの運転士にトライしようとするも長時間トイレに行けない現実を知り断念。
以降一年間、さまざまな職に挑んでいく。ゴミ収集・ラブホテル清掃・解体業のパトロール・宅配会社の荷分け・山小屋への歩荷(ぼっか)・グループホームでの調理・ファストフード店員・オートレース場警備・沖縄のマンゴー農園…。
とりわけ過酷だったのが「山小屋の歩荷」と「沖縄の農作業」。歩荷は20キロ以上の荷物を背負い険しい山道を登る仕事。登山経験の乏しい63歳に、息切れ、動悸、めまいが容赦なく襲う。獣臭が漂う熊出没の危険性もある山道をひたすら歩く。
一方、沖縄のマンゴー農園は真夏のビニールハウス。入った瞬間から滝のような汗。ひたすらしゃがみ続けて雑草を抜く作業に、熱中症寸前まで追い込まれる。
そんな中で「向いているかもしれない」と感じたのは、宅配倉庫の荷分け・ファストフード店員・グループホームでの調理だった。共通点は大手企業であること。労働環境と受け入れ体制が整っていたからだという。
肉体労働の現場で著者が感じたのは、意外にもそこに流れる明るい空気だった。叱られることはあっても、同じ失敗を繰り返さなければ気持ちよく働かせてもらえたと語る。
■感想
フリーランスとはいえ、著者が直面したのは会社員の定年問題とほとんど同じだった。それでも彼はライターという肩書きに固執せず、一年間、数多の仕事に身を投じていく。
その末にたどり着いた結論は、驚くほどシンプル。年齢が上がるほど選択肢は狭くなる。誰もがやりたい仕事に就けるわけではない。そして何より重要なのは「体力」。体力さえあれば、仕事はあるだけに「餓死」は免れる。体力は事務系、肉体労働系に関係なく、必要であると。
そう、汗にまみれた一年の末にたどり着いた答えは、どれも当たり前すぎるほど真っ当なものだった。正直に言えば、道徳的で面白みに欠ける。だが、その“当たり前”は、決して軽い言葉ではない。肉体の駆使から生まれた境地…。
価値観がゴリゴリに固まったおじさんが、体力の衰えと向き合いながら、新しい仕事に挑み続け、また、著者には「誰かの役に立ちたい」という尊い思いまであり、それは奮闘であり、激闘であり、ときに死闘でもあった。
■最後に
読んでいる途中、何度か胸が熱くなった。そして62歳のおっさんである僕も、しばらく行方不明だった「やる気スイッチ」を見つけた気がする。だから著者に、こう言いたい。—ありがとう!そう思わせてくれる一冊だった。
Posted by ブクログ
【意外と豊富】
定年後63歳の著者がいろいろな職業を体験する企画ですが、おもしろいです。
エッシェンシャルワーカーはどこも人手不足です。
AIの進歩で無くなる仕事が多数発生すると言われていますが、当初の予想に反してホワイトカラーの仕事がどんどんAIに取って代わられています。
人が体を動かして作業を行ういわゆるブルーカラーの仕事はまだまだAIには代替できない仕事になります。
体を鍛えて体力さえあればいくらでも仕事はあるということですね。
Posted by ブクログ
未経験、年齢が上がってもできる仕事はある。
きっと定年を迎えても働くことになると思う。
今の職場で働き続けることができればいいと思うけど、選択肢はあればあるだけ良いと思い、手に取った本。
仕事探し体験レポートを読むのは楽しく、一気読みした。