あらすじ
脱サラし、京都で観光個人タクシーを始めた椿裕之。バツイチの彼にとって唯一の楽しみは、元嫁の妹が営む小料理屋で常連客とともに舌鼓を打つ時間だ。ある日椿は、物静かな着物姿の女性客・鈴に紅葉巡りを頼まれる。張り切って車を走らせる椿だが、鈴は始終硬い表情を崩さない……。毎回、訳ありの乗客、そして京都の名所・美食処として登場する連作集。カバーイラストは、わたせせいぞう氏。
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Posted by ブクログ
京都の実際にある店や寺院を巡りながらお客さんの悩みに相応しい観光を行って悩み解決しながら自分も成長していく話。主人公は結婚しているにもかかわらず奥さんに相談なしに個人タクシーを始めて離婚される。第一話は紅葉前なのに紅葉を見たいというお客さん。訳あって別れたもののまだ愛する旦那さんのために死ぬ前に好きな紅葉の景色を見せたく依頼。主人公も喧嘩別れではないので、離れたことの大変さを思い知る。第二話は父親と喧嘩別れしたことで結婚式に来てほしいのに素直になれないお客さん。主人公も奥さんも頑固なところで変に意地を張ることは良くない結果になることを示してるように思う。第三話は子供たちのレポート作りのために一緒に観光する。父親のお客さんを思う心に子供は感動し、そのレポートを読み主人公も感動する。第四話はラーメン屋の店主が帰郷前に京都を観光したいとの話。故郷に残した愛する人がバツイチであることを卑下している悩みをキズがあることが良いことと前向きになることをさとす。五話目は好きな能をやめるお客さん。新しいことを始める覚悟が、前妻のことを思い出させる。全話を通して家族のことを軸に主人公が気づきを得ているような雰囲気。また、毎回でてくる京料理とお酒の表現も抜群で、食べたくなる。読み終えたころには京都観光に行きたくなるし、続編も期待したくなる作品。