あらすじ
貴世は39歳、独身、小説家。体験のない「殺人」は書けても、体験のない「結婚」が書けずに悩んでいる。そんな貴世が、結婚小説のリサーチのため蕎麦打ち合コンに潜入。なんと急性蕎麦アレルギーを発症するものの、朦朧とする意識の中で、ある男性と出会い……。出会いをよせつけない磁場を抜け出して、遠かった「結婚」がついに現実に!? 幸せを求めて、貴世が選んだ「私らしい結婚」の答えとは?
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Posted by ブクログ
軽い読み口ながら、「結婚=幸せ」というテーゼへの疑問に徹底的に向き合った作品。
小さな違和感をすくい取る視点に、なるほどなぁ、と思わされました。
なるほど、とは思ったけど、「結婚=幸せ」ではないのと同様に、「結婚=人生を型にはめてしまうこと」でもないのになぁ、とも思わずにはいられませんでした。
まぁ、6年も前の小説なので、著者の中島さんが今の世相を踏まえて書けば、また違う形になるのかもしれませんが><
最後が結局日本の社会批判で終わってしまった感じなのも、ちょっと残念。
日本の社会に問題がないとは思いませんが、社会というものがどうあろうが、そんなのはほっといて、勝手に自分たちらしく幸せになっちゃう、という選択肢がいくらでもあるような気がするのになー。。。
そもそも自分は社会というものに、そこまでの期待をしていないのかもしれません。
「結婚しなかった=自分たちらしい、めでたしめでたし」みたいな結論に見えなくもなかったのが、唯一の引っかかりでした。
(著者の中島さんは、そんなことを考えていたわけじゃないかもしれません)