あらすじ
弁証法は、社会の原理を鋭利にそして的確に解明していく。矛盾とは? 否定の否定とは? ……難解といわれがちな唯物弁証法。本書では、科学的研究の武器として弁証法を捉え、かつ、身近な話題を例にとりながら、平易に解説し、その核心をつく。(講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
ヘーゲルの観念的弁証法
(絶対理念から自然の運動、精神から物質へ)
マルクス、エンゲルスの自然の運動を基礎とする科学的唯物弁証法
(物質から精神へ)
「哲学一般はヘーゲルと共に終結する」byエンゲルス。
弁証法の諸法則。
量から質へ、またその逆の転化の法則。
敵対的矛盾、非敵対的矛盾、二重化、否定の否定。
"それまでのありかたを否定
変わったあり方
またそれを否定、はじめのあり方に戻る。"
この否定の否定の法則は自然、社会、精神を貫く法則だという。
ただ対立するのではなく対立し相互浸透する。
媒介を重視。
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「ゼノンの詭弁」p53
【弁証法の3つの法則】p103
①量から質への、またその逆の転化の法則
②対立物の相互依存の法則
③否定の否定の法則
【「量質転化」の法則】p212
量的な変化が質的な変化をもたらし、また質的な変化が量的な変化をもたらす。Eg. 集団力、収穫逓減の法則、限界効用
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著者の哲学不要論の立場とか、創価学会に対してどう思ってるかとか、なかなか切れ味するどくて引き込まれた。
弁証法の3つの法則、「質量転化」「対立物の相互浸透」「否定の否定」について、具体例をもって色々説明してくれる本。
分かったような、分からないような感じだが、こうした考え方を持っていると、より柔軟に考えられるのではないかと思う。
Posted by ブクログ
読み慣れない人には少々難解な部分もあるやもしれないが、歴史も人生も弁証法的性格を持つということを実例をもってとてもわかりやすく解説してくれている。
一読の価値あり!
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
弁証法は、社会の原理を鋭利にそして的確に解明していく。
矛盾とは?
否定の否定とは?
……難解といわれがちな唯物弁証法。本書では、科学的研究の武器として弁証法を捉え、かつ、身近な話題を例にとりながら、平易に解説し、その核心をつく。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
世の中で起きている現象。戦争や議論、受容など、その「構造」を解き明かせば、そこに弁証法というアプローチが見出せる。対立する概念。〈Aが正しい?それともBが正しい?いや、それらの意見を踏まえて別のCにしよう〉みたいなこと。
その別のCが、折衷案であったり、代替案であったり、AとBの中間や上位か、その際に生じる他方の部分的な否定など、そうした手続きを解説した話。一見難しそうだが、日常ありふれた話だ。
もう少し踏み込んでいうと、弁証法が扱うのは「対立するAとBにおける矛盾」である。つまりこれはそれぞれの正義、正論がある状態で、正論が二つあるなら、それは矛盾だよね、と。どうしてそうなるかというと「自分の立場でしか、物事を考えられていないから」。
ならば簡単だ。弁証法とは、相手の立場を踏まえ、同じ共同体としての解決を見い出すこと。
ー 「唯物史観と、それをプロレタリアートとブルショアジーとの現代の階級闘争へ特別に適用することは、弁証法を媒介としてはじめて可能であった。」
立場を選ぶ。いや、選ばなくても大多数の立場は自然発生である。あなたは生まれながらに女性である。それは男性と異なる利害を含む属性だ。そうなると、男女は互いに「完全な理解」はできず、享受する果実も互いに「同じ効用」とは限らない。そこで話し合い、解決していく必要がある。
相手を否定し、否定され、その過程で互いに「同じではないこと」に気付き、自らを否定(妥協)しながら考える。平和な解決策だが、否定が無秩序な暴力に変わる事で喧嘩になり戦争になる。弁証法はそうした現象をも解き明かす。人格否定や過去の出来事を持ち出す暴走は、弁証法にあらず。
「矛盾は絶対であり、闘争は普遍である。しかし、矛盾の解決は暴力ではなく、弁証法的理解によって達成されるべきだ。」毛沢東
とここまできて、毛沢東と似たような同じ話に辿り着き、自己嫌悪。毛沢東の発言と行為に対して、アウフヘーベンを試みる気力は生まれず。「何言ってんだコイツ」と人格否定して終わりだ。
Posted by ブクログ
1955年が初版で、新書化が1968年。
字が小さいうえに潰れていてやや読みにくい。電子書籍で読んだ方が良いレベルではないけど気にはなる。
エンゲルス、スターリン、毛沢東という名前が随所に散りばめられていて時代を感じさせる。新書化された1968年そのままの内容のようで、読んでいてすこし気恥ずかしいところもある。
本書は(マルクスの)弁証法について書かれた新書なのだが、「弁証法ができない左派」というものは昔からいて、そう珍しい存在ではなかった、というのがよくわかる。現在では「弁証法ができない人の集まりが左派」という印象すらある。どうしてこうなった。
「まわり道」という例えを使って解説する「否定の否定」の章が抜群におもしろかった。また矛盾についても詳しく書かれている。
そのうちに再読したい。
Posted by ブクログ
えーと…、
書いてある事はちと難しいので説明に窮します(笑)
弁証法。耳慣れない言葉ですが、これを辞書で調べると
『対話・弁論の技術の意。ソクラテスやプラトンでは、事物の本質を概念的に把握するための方法とされ、アリストテレスでは、真の命題からの論証的推理から区別され、確からしい前提からの推論を意味した。カントは、理性が不可避的に陥る錯覚として、仮象の論理の意に用いた。ヘーゲルは、思考と存在を貫く運動・発展の論理ととらえたが、その本質は思考(概念)の自己展開にある。概念が自己内に含む矛盾を止揚して高次の段階へ至るという論理構造は、一般には正・反・合、定立・反定立・総合という三段階で説明されている。また、マルクスやエンゲルスは、唯物論の立場から、自然・社会・歴史の運動・発展の論理ととらえた。』
と書いてあります。意味が分かりますか(笑)?
この本を読めば、タイトル通り弁証法とは何かが分かる…かと思いきや、分かりません(笑)。
相対立物の変遷を形而上学的と、環境に絡めたダイナミックなものの視点から述べています。
観念論や唯物論、レーニン、毛沢東…非常に難しいですが、章題を取り上げると、
世界のありかたをどう見るか
弁証法はどのように発展してきたか
「対立物の相互浸透」はどういうことか
「量質転化」とはどういうことか
「否定の否定」とはどういうことか
矛盾とはどういうものか
と、列挙すればなんのこっちゃ!ですが、量質転化、物事の本質は量と質を混同してはならない。相互浸透は対立物は相互に対立物になっていく…
それこそ枚挙に暇がないのですが、押し並べてある程度の知識が無いと理解できないように思います。
僕も咀嚼率は高くないです(笑)
ただ、身近なもので説明している箇所もあるので、著者のいわんとしていることは何となく分かるような気がします。
えと……面白いですよ(苦笑)