あらすじ
外国人就労拡大への大転換、共生に正面から向き合うとき
“外国人に優しい社会は他者に寛容な社会につながる――“
政策の大転換に影響を与えた書籍の増補版刊行!
書評掲載・メディア紹介多数!
早稲田ジャーナリズム大賞(2017年)
新聞労連ジャーナリズム大賞優秀賞(2018年)W受賞!
「労働力を受け入れたつもりだったが、来たのは人間だった」。私たちの側には、彼らを人間として見、人間としてつきあう準備がまったくできていない。そして、この多様性を拒絶し、周縁に押しやって、見て見ぬ振りをする姿勢自体が、この国の経済や政治や文化が活力を取りもどす機会を失わせているのではないか、という指摘は鋭い。
――吉岡忍氏(作家/早稲田ジャーナリズム大賞選考委員・授賞理由より一部抜粋)
外国人労働者受け入れへの一大転換と言える改定入管法が2018年に成立、翌年に施行されたが、政府の本音と建前の乖離は依然として埋まらない。大手メディアとして、いち早く外国人労働者との共生を問い大反響を呼んだ初刊版に、改定入管法施行前、施行1年後、ネパール再訪の連載を加え大幅増補。共に暮らす隣人を直視した現場からの報告。
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Posted by ブクログ
★10年で進展しているようで★外国人労働者の受け入れ枠組みである特定技能で、外食の受け入れが上限に達し停止となる2026年。それからほぼ10年前に新聞で連載された、留学生や技能実習生の実態をまとめた書籍を手に取った。
労働者という実態と、学生や国際貢献という名目のねじれを丁寧に取材し、送り出し国であるネパールなどの状況も記す。特に後者は誰もフォローしていない内容で興味深い。働く人を受け入れるのなら、日本語を学べる生活環境などを整えることが同時に欠かせないことを改めて感した。
10年経って働く外国人はさらに増え、近所のスーパーではそれこそネパール人らしき女性が日本人を指導している。そんな現実に枠組みが追いついていない。移民の議論はきちんと広がらず、選挙で排斥を訴える人が目立つようになったくらい。思考停止を自省する。
そもそも外国人の受け入れに際して「高度人材」などと口にする人は、自分はそういう枠組みを超越した優れた存在だと思い込んでいるのだろう。自分が言葉の通じない別の国に行って、何ができるのかは想像すらできない。
本については新聞の連載をまとめたものなので読みやすい。ただ、逆にエピソードが次々と並べられてどれも深みに欠ける。表層的になってしまうためみな同じに見え、背景にある粘着質なドラマが感じられない。きっと取材はしているだろうに、手間をかけてでも発表媒体によって描き方を変える必要がある。