【感想・ネタバレ】完全版 ブラック・マシン・ミュージック ディスコ、ハウス、デトロイト・テクノ 下のレビュー

あらすじ

ポスト・フォーディズム期の荒廃した都市デトロイトで、クラブ・ミュージックとアフロ・フューチャリズムの出会いが、テクノという新たな思想を生んだ。ビルヴィレ三人衆(スリー)の活躍と、URら次世代が切り拓いた抵抗文化という新たなフロンティアへ――。はかりしれない感動を呼んだ歴史的名著。文庫化にあたり大幅な増補改稿を施した決定版。
◎カバー装画=Abdul Qadim Haqq/カバーデザイン=SKATE THING

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Posted by ブクログ

ご多分に漏れずシカゴを訪ねた事だった 以上が僕のイクイップメント(道具)だった その手の常識や定式の一切を無視し 鑑賞者の深い解釈があってこそ存在し得ると考えるが ミルズのこうした知性を強調する態度はダンス・カルチャーの中に遍在反知性主義(馬鹿になろうぜ)を苛立たせ 手術室の医師のような手捌きで彼はハードな音楽をハードにミックスする こうした弁証法についての僕の解釈は、一言で言うならミルズの内に秘めた闘争心を表している。彼の因習打破の数々は必ずしも全ての人から支持されてきた訳では無いし、またミルズは、例え如何なる大物からリミックスの依頼があっても(名前は伏せるが実際に幾つもあった)、それが本人からではなく、レコード会社やマネージメント会社という業界の組織からの話であれば断ってきたような、全く表には出さないが支配的な力には徹底的に抗うパンクな一面が実はある。 平岡正明はこう書く。「我々は感情を心の毒液に浸しながらこっそり飼い育てねばならない。身も心も智慧も労働も叩き売って一向に差し支え無いが、感情だけは奴等に渡すな」 キャンセル・カルチャーに於ける侮辱と排斥の暴力的メカニズム、即ち粛正の文化、政治的正しさに迷い込んだリベラル、ジャーナリズムの役目の是非等々、様々な由々しき事態を内包している。 文脈や言葉の意味を知らなければ充分に楽しめない音楽とは対極にある フランク・ザッパによる「メインストリームは向こうからやって来るがアンダーグラウンドへは自分で行かなければならない」という定義は今でも通用すると僕は思うし ダンス・ミュージックは恍惚への入口だ。それは我々の身体性を再定義し、我々を支配するリアリズムの向こう側に誘う。一瞬の事かもしれないが、しかしあの時代、僕や彼奴や彼の娘はその光景を見てしまったのだ。

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2026年05月12日

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