あらすじ
尽くしてきた義母に、金を盗んだと疑われた冬美。
都内にいくつもビルを所有するが、孤独な茉莉。
そして、ある事情から船内で働き続けている早苗。
65歳の女性3人が、辛い日常を忘れるため乗り込んだ豪華客船。
偶然生まれた友情は、残りの人生の希望となっていく――。
「私たち、色々不幸はあるけれど、3年後、船の上で再会しましょうね」
豪華客船×文学、誕生!
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Posted by ブクログ
危ういなぁ、と思いながらも情緒に訴えかけて読ます印象。
タイトルも巧みです。
装画が素敵です。
女性2人が豪華な食事?をしているイラスト。こちらに顔を向けている人の方が年齢を重ねているように見え、顔の見えない女性は若そうに思ったので 序章はお姑さんとお嫁さんが最後の2人旅をする話なんかなと想像しながら読み進めました。
認知機能が怪しくなり始めた義母と、その元部下の嫁。つらい介護生活を想像させる始まりですが、嫁には壮絶な過去があり義母を本当の家族のように愛し慕う積み重ねた生活があるのでした。
この最初1/8くらいでもう泣きそう。
義母が元気な時に一緒に行きたいね、と応募し続けた豪華クルーズに忘れかけた頃当選したと連絡が来て、義母の介護があるからキャンセルしなきゃと思いながら旅行の準備を整える主人公の思考回路は よっぽど毎日辛かったん?とついていけない思いでした。めっちゃ行動力ある。
当日この時間になったらキャンセルしようって思っているところに義母からお金を盗ったと濡れ衣を着せられ家を飛び出して、せめて船を見に行こうと船のそばまで行ったらなんやかんやで船に乗ってしまって、次の港で引き返して来ようと思ったら酔っ払って寝過ごしてって気が小さいんだか呑気なんだか。
食料はあるしエアコンはつけっぱなしだから一日居なくても大丈夫とか本当に?ご飯食べたか食べてないかも分からなくなる人だよ?短時間で全部食べ尽くしちゃうかもしれないよ?
飛び出した次の日から家のある地方が大規模停電で熱中症で死者も出たという大事件が実は起こっていたということもクルーズ中に分かって、義母ともヘルパーさんとも連絡が取れなくて保護責任者遺棄致死になるんじゃないかと震えながらこうなったらもう逆に船は降りられないと途中下船をせずにクルーズを続けることにした主人公。クルーズの最後まで義母の状況が分からないままなので寄港地で感動しても、船上での素晴らしい体験の後でも義母のことを考えて気持ちが落ち込んだり情緒がジェットコースターです。
結局クルーズは義母からのプレゼントで、主人公が帰ってこないことを覚悟の上で送り出した、と言うことでした。そうだろうなと思ったけど停電とかあったんだし種明かしは途中でしてあげて?せっかくの豪華クルーズで痩せて帰ってきたよ?と主人公が可哀想になったのでした。
設定に無理があるんだけど人物やエピソードが魅力的でそれに助けられて最後まで一気に読めました。
しかし豪華クルーズを定期的に景品に出すスーパーてどんな太っ腹なの。大昔の話なの。
船内の飲み食いやイベントの参加も料金に含まれていて、クルーズ中の寄港地での観光も楽しそう。豪華クルーズへの憧れは高まりました。