あらすじ
私たちは見て判断するのではない。
判断して見ているのだ。
悪意の有無に関係なく存在する偏見、バイアス。それがいかにして脳に刻まれ、他者に伝染し、ステレオタイプを形作っているかを知ることなしに人種差別を乗り越えることなどできない。米国の学校・企業・警察署の改革に努める心理学者が解く無意識の現実とは。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
めちゃめちゃ濃い!
p.227「長い間、研究者でさえも偏見を打ち消すための人と人との交流の力について甘く見ていた。その単純化された手法の落とし穴は、オールポートの「接触仮説」により指摘された。嫌悪感を抱かずにはいられない集団と時間を過ごすことは、実際にはバイアスのかかった心の内を正当化することになりかねない。この人たちは頭が悪いと思っていたけど、本当に頭が悪いみたいだ。オールポートは、競い合うことを伴ったり、不安を煽ったりする場合は特に、交流は衝突を改善するのではなく、悪化させる可能性があることを発見した。関与する集団がお互いに居心地の良さを感じられ、共通の目標や絆を持っていると感じられるほど、交流は長く頻繁である必要がある。それこそが、外集団を区別したことによって生まれた人種的分離を解消するのに役立つのである。」