あらすじ
性的な関心が少ない、性的なものに惹かれない「アセクシュアル」を自認する人が増えている。
アセクシュアリティの概説から暮らしの中で受ける誤解、さらには自分が、恋人が、友人がアセクシュアルだった場合の理解と対応まで、当事者として活動してきた著者が丁寧に説くアセクシュアルコミュニティとその周辺の人たちにとって福音となる一冊。
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Posted by ブクログ
なかなかひとを特別好きになれず悩んでいて(嫌いであるということではないです。みんな友達になりたい)、ふっとアセクという言葉を思い出した。しまなみ誰そ彼という漫画で知った言葉だった。
この本を読んで、恋愛感情の有無と性的指向は分けて考えていいんだということ。アセクシュアルは性的指向が白紙であるということを知った。
特に、誰にも恋愛感情を持たないことを表す「アロマンティック」という言葉に出会えたことがすごくすごく良かった。
まだ結論を出すには日が浅くて、クエスチョニングを選択したいけど、もし、自分の中に恋愛感情が存在しないとわかっても、それを示す言葉がこの世に存在するというのは、こんなに安心できるものなんだと。言葉があるくらいには、自分の状態は世の中にあり得ることなんだと。
ずっと、何でお前はみんなと同じことができないんだと自分を責めていたのが、少し落ち着いたような気がする。
この先もしかしたら誰かを好きになれるかもしれない。でも、今この本を読めて良かったと思う。
ただ、文章中に出てくる「性的魅力を感じる」があまりよく理解できなくて読みとくのに時間がかかった。多種多様な表現になるから不可能に近いとは思うが、「恋愛として/性的に惹かれる」感覚の一例があれば良かったなと思う。
Posted by ブクログ
「アセクシュアル」という言葉に馴染みがない、よく知らない人のための入門書。
当事者の周囲の人に向けたアドバイスにも1章割いて説明されているので、性的指向の多様性に全く触れてこなかった人でも、理解を深める手助けになるだろう。
LGBTQ+の「+」に内包される、文字通り見えない人々であるアセクシュアル。
その輪郭を捉えるための光を投げかける一冊。
Posted by ブクログ
『見えない性的指向 アセクシュアルのすべて』を通読し、アセクシュアルという概念について理解を深めた。アセクシュアルは性的指向の一形態であり、他者に対して性的に惹かれない人々を指す。本書では、それが病気や障害ではなく、健全かつ成熟した状態においても見られる現象であることが強調されている。 構成としては、前半でアセクシュアルの定義や特徴が整理され、後半ではアセクシュアル当事者への接し方や、当事者自身がどのように受け入れていくかについて解説されている。ただし、専門用語の多さにより、読者が理解を補うために前半へ戻る必要が生じる点は効率性を損なう要因となっていた。巻末に用語集を設ければ、読者体験の質は大幅に改善されたと考えられる。 総じて、本書はアセクシュアルを理解するうえで有用なリソースである一方、知識の整理や読者への配慮という観点では改善の余地がある。編集上の工夫が加われば、より多様な層にとって実務的にも価値の高い書籍になるだろう
Posted by ブクログ
分かりたい、と思って。つらい思いをさせたくないし、傷つけたくないから。
性的興奮と性欲と性的に惹かれることは、それぞれ別のことだ、って今まで考えたことなかった。全部ひとまとめにしちゃってたと思う。恥ずかしいからってこともあるけど、雑だった。アセクシュアルについて考えたことで、性的指向のグラデーションについても考えた。コミュニケーションって、大事だよね。私と誰かは、同じに見えても、違うんだ。
自分は周囲と違うようだ、と気づいた人は、いろいろ色々、考えるんだろうな。それを生きづらさにさせたくない、から私も考える。
私にできることは、認めること、受容すること、信じること。