【感想・ネタバレ】自分以外全員他人のレビュー

あらすじ

マッサージ店で勤務する柳田譲、44歳、独身。傷つきやすく人付き合いが苦手な彼の心を迷惑な客や俗悪な同僚、老いた母や義父が削り取っていく。自分が暴発してしまうまえに自死することだけが希望となった柳田をさらに世界の図らざる悪意が翻弄する――。 太宰治『人間失格』を読んで、作家を目指した著者が送る令和の『人間失格』、第39回太宰治賞受賞作が待望の文庫化! 巻末対談 西村亨×町田康

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Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公がところどころ自分すぎて苦笑してしまった…性格が暗い中年独身男性って皆、似たような感じなのかも(いや、もしかしたら既婚中年男性も?)。
しかし、ネット上に流布している「45歳独身狂う説」も、こういう小説から来てるのだろうなと妙に納得してしまった。
狂わない方法も、安全に狂う方法も探せばあるのに、主人公は境遇なのか視野狭窄からなのか、それにアクセスできないのがキツイ。
そして、ラストが...救いなのか絶望なのかが分からなかった。
死ななかったのだから、またやり直せると思うと救いかもしれないけど、それもまた地獄としか思えない...やはり、甘っちょろい理想だとしても、自らで人生を終わらせた方が心は安らいだ気がするので。
絶賛ミッドライフクライシス中の僕には他人事ではない小説でした!

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2025年10月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。
文庫化されたというのに驚いて購入し、読んだ。
太宰治賞受賞作ということだが、(あまりまともに読んでいないため偉そうなことは言えないが)かなり太宰治を感じた。
文体がかなりオーソドックスで、陰鬱で、でも少し滑稽で、自意識を書いていて、何か自分を重ねてしまう。
僕の好きなタイプの小説だった
だが反面、新しさは感じなかった。
久々に太宰治も読もうと思う。

P.18 独り身で大した苦労もなく、ただ生きているだけなのにしょっちゅう精神を病んでしまう自分が情けなかった。

P.122 たぶんもう他に生きようがないというか。これ以上無駄に生きればきっと、いつか取り返しのつかないことをしてしまうと思うので。しょうもない人生でしたけど、せめて最後は正しい人間になって死んでいきたいんです。憎しみや苦しみを手放して、明るい気持ちで前向きに。そこには大きな喜びがあって、僕はそれを味わうために今まで生きてきたような気がするんです。

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2025年10月18日

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