あらすじ
「喪失感」とは、大切な人やものを失ったとき、さまざまな悲痛な思いが複雑に絡み合う、誰しもが抱く感情。高齢者専門の精神科医として、多くの患者やその家族と向き合ってきた著者・和田秀樹氏が、自らも60代半ばを迎えたいまだからこそ、心理学を学んできた精神科医として、今を生きる同年代として、喪失感という大きなテーマを、現代風に捉え直しました。
医療の発達により平均寿命が飛躍的に伸び「人生100年時代」となった現代、人生後半をむかえた人々は、喪失に対する心得にも変化が必要と言います。かつて「老後の始まり」だった60代は、現代では「人生の新しい章の始まり」であると同時に、「家族や友人との付き合いがガラリと変わる転換期」でもある。つまり、喪失感の塊が襲いかかってくる年代なのです。
本書では「若い頃のように身体が動かなくなった」「周囲の環境が変わってしまった」といった身近なものから、「二度と戻らない物事への後悔」「死」など人生を変えるような大きな出来事まで、相談事例を多く交えながら、さまざまな喪失感とどう向き合い、どう乗り越えていくかの具体的なヒントを紹介。あなたの喪失感や不安をやわらげ、前向きな気づきを与える処方箋のような一冊。
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Posted by ブクログ
■日本版フレイル基準(J-CHS基準)
・体重減少
6ヶ月で2㎏以上の意図しない体重減少
・筋力低下
握力:男性28㎏以下、女性18㎏以下
・疲労感
ここ2週間ほどで、理由もなく疲れたような感じがする
・歩行速度
通常歩行速度が1秒あたり1メートル以下
・身体活動
軽い運動・体操、定期的な運動・スポーツを週に1回もしていない
■フレイルは病気とは違い老化の延長線上にあるもの。前向きな心構えと適切な対策を取ることで、元気な日常を取り戻すことができる。フレイルを自覚したら「疲れるから」「弱ってきたから」といえにこもるのは逆効果。
■いわゆる物忘れには2種類ある。一つは「想起障害」。とっさに人の名前が出てこない、というのがまさにこちらのタイプ。
もう一つが「記銘力障害」。これは5分前のことを忘れてしまうタイプ。そして認知症における記憶障害は基本的に記銘力障害。
記銘力障害の場合、主に3つの原因が考えられる。一つが認知症。一つがうつ病。もう一つが男性ホルモンの低下。
■脳に刺激を与えるために新しいことに挑戦してみること。特に進めるのはインプットよりもアウトプット。
言語などのインプットに関わる部分は側頭葉であるのに対し、アウトプットは蓄積した記憶や知識、情報を引っ張り出す機能を担う前頭葉。
前頭葉は想定外の出来事や新しいことを経験すると活性化することが分かっている。
■深い喪失から回復するまでの心理過程
ボウルヴィの4段階の心理過程
①麻痺・無感覚(激しいショック)
②否認・抗議(現実感のなさ、実感の欠如)
③絶望・失意(深い悲しみ、魅力感、抑うつ)
④離脱・債権(喪失を受け止め、現実と向き合えるようになる)
Posted by ブクログ
タイトルだけでこの本を選びました。秋に大切な人を亡くしたためです。
喪失感と言えば、死別が大半だと思い込み、半分、躊躇したものの、健康、仕事、家族、介護など失う経験は多岐に渡っていて、手にしてよかったです。
まさに、同世代であり悩みの真っ只中で、自分と同じ思いの方がいることに、共感できました。
気持ちを切り替えてみる
また新たなに始めてみる
親の介護だけに集中しないなど
自分がどう感じるかを大切にしたいものですね。ついつい一般的なケースと比べてしまってることも多いので。
相手の言葉は人それぞれ、期待していたようなものでないにしても、そんな考えもあるのだ‥程度にしたいものです。
Posted by ブクログ
60代の「心と体」「人間関係」「キャリアと生きがい」の喪失感を、データと具体例で丁寧に掘り下げている一冊でした。
世代は中年に限定されているけれど、中には
・心地よい人間関係を選ぶ
・環境の変化を受け入れる
・今の自分に飽きたら、新しい自分を楽しむ
など、中年以外にも響く示唆が多い。
特に「新しいコミュニティに参加する」という提案は、独身でコミュニティが限られがちな自分にも刺さった。これからは近所のイベントにも少し目を向けてみようと思う。
「余命宣告は、残り時間を有意義に使うための視点転換にもなる」という哲学的な考え方にもハッとさせられた。
中年向けの本だけど、どの世代にも“生き方の問い”として読める一冊。