あらすじ
世界一うまい米作りを目指して、革新を続けてきた福島の農業集団「ジェイラップ」。しかし、福島原発事故以降、彼らが闘う相手は、目に見えない放射能と、世間からの偏見に変わった。絶望から立ち直れるか? 大宅賞作家、10年に及ぶ取材の集大成!『それでも、世界一うまい米を作る』を全面改稿して改題。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
原発事故後の福島で、農業の再生を目指す、稲田アグリサービスという企業がある。
それは事故の前から革新的な農業の再生を実践してきた農業集団であり、その綿密な作物の管理体制がすでに存在していたことが、放射能汚染の検査をいち早く取り入れ、科学的に安全性を検証することが可能になっている。
世界一うまい米をつくることを目標として、農協や既存の農家と過酷なせめぎ合いをしてきた彼らが、今度は放射能、更には風評被害という目に見えない敵と戦うことになる。
神はいないのかとさえ思えてしまうその試練に、彼らは毅然として立ち向かう。その精神には感動を覚える。
いち消費者として率直に言えば、他に選択肢があるのであれば福島および近隣の農作物は避けたくなる。だがしかし、彼らのことは信じて支援をしたくなるのも事実である。
ほんとうに難しい問題を突きつけられている…。