【感想・ネタバレ】もつれ星は最果ての夢を見るのレビュー

あらすじ

地球から十光年離れた未開の星で見つけたのは、銃殺遺体――。量子テレポーテーション通信の開発によって、遠く離れた星同士でも通信が可能になった時代。宇宙開発コンペに参加するため、地球から十光年離れた星に降り立ったエンジニアの零司と相棒のAI・ディセンバーは、別の区域にいるはずの競合相手、ピエールが何者かに銃殺されているのを発見する。ほかの参加者に事態打開の協力を求めるも拒絶され、さらにコンペ運営本部との通信も途絶えてしまい、零司とディセンバーは孤立無援に陥るが――。不穏な侵入者、新たな惨劇……宇宙を駆け巡る壮大なSFミステリ!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

もつれ星は最果ての夢を見る
市川憂人の長編ミステリー。宇宙とA Iをテーマにした壮大な作品。話の数10%は理解出来ない(笑)くらい専門用語が飛び交う作品だが、その一方で最後まで飽きる事なく読み進める事が出来た。単純にミステリーというだけではなく、ストーリーも独特で面白い。筆者は過去にも独創的な作品を発表しているが、今作では時間も空間も超えた、相談な物語が描かれている。
ネタバレになるかもしれないが、今作の犯人やトリックを受け入れる事が出来るかどうでこれからの僕の読者としての懐が決まる。当然、認めない事も素晴らしいし、認めたのなら更に多くの作品を許容出来る様になるだろう。(今作も"F''を超える衝撃ではなかったなぁ)

過去の宇宙で起きた殺人事件を土台に据えながら、宇宙開発が進む近未来で「開発競争」に参加した零司。彼の宇宙船に搭載されているのはどこか皮肉めいた高性能AIのディセンバー。後々明かされていくがディセンバーは「強いAI」と言われ、自我を持ち、嘘をつく事が出来き、あまつさえ人間を傷つける事も出来てしまう高性能AI。他のAIでは実現不可能な事もディセンバーなら容易く実行出来る。

こういった作品の場合、作中のルール設定と空気感がとても重要だが、今作はいずれも見事で破綻も殆どしていない。最後には零司とディセンバーの絆に心打たれる展開になる。
とある真実が打ち明けられて以降、作中でも触れられているが食事の問題や身体維持の問題等多少の疑問は残るが作品自体が宇宙の様に壮大で、ちっぽけな問題、些細な疑問は消し飛ぶ程の迫力がある。

時間の概念も飛び越えている為、かなり話が難しい。もう少し理解出来る頭脳が欲しい(笑)きっと理解が深くなれば更に楽しむ事が出来ただろう。

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2025年11月10日

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