あらすじ
人種主義とは,時代・社会に呼応しながらたえず創り出されていく制度だ.アメリカ合衆国の歴史においては,黒人への差別が「人種」という分類概念を生み,その概念がさらなる抑圧を生み出してきた.奴隷制度から,人種隔離とゲトーの時代を経て現代に至るまで,レイシズムとの複雑な絡み合いから合衆国の歩みをとらえる.
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Posted by ブクログ
アメリカ史を人種の切り口で考察した良書。
「黒人」というのは、分類ではなくて、社会や制度が創出したものに過ぎないとの結論。
奴隷制度から始まり、公民権運動、オバマ大統領の誕生まで徐々に長い時間をかけてアメリカ社会に調和してきた黒人の辛い物語だった。
Posted by ブクログ
アメリカの人種(特に黒人)まつわる制度を時系列で紹介。具体のことを何も知らなかったので勉強になった。制度がどのように変遷してきたかは網羅的にわかったが、もう少し社会学的な考察が欲しい気もした。
Posted by ブクログ
「人種」という概念は自然発生したものではなく、1619年に北米のイギリス領植民地にアフリカから陸揚げされた奴隷を発端に創り出された概念であること。
南北戦争を契機に「白人/黒人」が完全に自立した人種分類として社会に定着したこと。
これらを発端にアメリカで差別を受け続けてきた黒人の歴史を紐解いており、姿・形は変えども延々と黒人差別に繋がる制度が作られ、彼等が苦しめられてきたことが良く分かった。
興味深かった点としては、黒人に対する偏見と差別のうえに成立したエンタメであるミンストレル・ショーという大衆芸能の誕生である。
このショーでは、白人の役者があえて顔を黒く塗り、奴隷を模して滑稽な歌を歌いつつ踊るというものである。いくらエンタメと言え、白人側の視点に立つと差別している黒人の真似をすることに対する抵抗感はなかったのか?と感じた。