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Posted by ブクログ
レイシズムを「時代や社会の要請に応じて創り出されていく制度」として捉え、奴隷制から現代に至るまでのアメリカの歴史の中でレイシズムがどのように形成されてきたかを紐解く一冊。
抜群に読みやすいため、アメリカ史およびレイシズム研究の入門書としては最適。
個人的には、音楽だけでなく映画や文学といったサブカルチャーにアフリカ系アメリカ人が与えた影響にも言及してもらいたかった。
以下、メモ書き
• 第一章:奴隷制度と「人種」
アメリカ合衆国における奴隷制の現実および対立を説明し、黒人への差別がどのように「人種」という分類概念を生み出し、抑圧を正当化していったかの起源に迫る。
• 第二章:ジム・クロウ制度の確立
南北戦争後の再建期を経て、南部に定着した人種隔離制度(ジム・クロウ法)と、近代国家へと統合されるなかで創り出された新たなレイシズムを説明。
• 第三章:大移動とゲトーの形成
南部から都市部への黒人たちの「大移動(グレート・マイグレーション)」に焦点を当て、都市におけるゲトーの形成と、それに抗う黒人たちの思想や文化(ハーレム・ルネサンスなど)の変革運動を描く。
• 第四章:現代アメリカ社会と「人種」
一見すると「人種」が見えにくくなった現代において、貧困層を閉じ込める「ハイパー・ゲトー」や、特定の層が大量に投獄される「収監国家」の仕組みなど、形を変えて生き続ける制度的レイシズムの現在地を告発。
結局、アメリカにおけるレイシズムは解決されたようで根本的には何も解決されておらず、むしろ表面上(制度上)は人種の差異が見えにくくなってしまったために、より人種問題は複雑化している。
「人種ではなく人間性で人は判断されるべき」というメッセージに共感した。デュボイスの作品もちゃんと読んでみたい。
Posted by ブクログ
「人種」という概念は自然発生したものではなく、1619年に北米のイギリス領植民地にアフリカから陸揚げされた奴隷を発端に創り出された概念であること。
南北戦争を契機に「白人/黒人」が完全に自立した人種分類として社会に定着したこと。
これらを発端にアメリカで差別を受け続けてきた黒人の歴史を紐解いており、姿・形は変えども延々と黒人差別に繋がる制度が作られ、彼等が苦しめられてきたことが良く分かった。
興味深かった点としては、黒人に対する偏見と差別のうえに成立したエンタメであるミンストレル・ショーという大衆芸能の誕生である。
このショーでは、白人の役者があえて顔を黒く塗り、奴隷を模して滑稽な歌を歌いつつ踊るというものである。いくらエンタメと言え、白人側の視点に立つと差別している黒人の真似をすることに対する抵抗感はなかったのか?と感じた。
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