あらすじ
30年以上にわたって世界を旅してきた著者が、各国で出会った「食」を切り口に、旅の日々を綴った紀行短編集。中国、ロシア、ドイツ、メキシコ、トルコ、アメリカ、インド……味の記憶とともによみがえる旅の場面を、旅情豊かな文章で紡ぐ。
第6回「斎藤茂太賞」(『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』)受賞後第一作。
感情タグBEST3
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人の旅話を聞いてもあんまり楽しさを感じずに興味が持てない。それは旅は経験であるからこそ。経験は自分がしてこそ味がする。
旅先での忘れられない景色。
マウントジョンの星空、どこか忘れてしまったけれど終わりの見えない岩砂漠の地平線、ボルネオでの昼と夜の境目に浮かんでくる1番星、カンボジアの遺跡で猫とお昼寝しながら眺める夕日、ウルルの灼熱の砂漠を1人探索した時の赤土、上海のジャズバーの迫力、、
文章だけで知っている光景である時がとても嬉しい。あ〜あそこの角曲がったところね!とかなるの、この先どれだけ増やせるだろう。
いつか必ず、ここに戻るという地。私にとってはプリンスエドワード島。
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30年以上前から「旅」を生業としている「旅の
達人」による紀行集です。
特にトラブルやドタバタを描くわけでもなく、
そこで見た景色を水墨画を描くように淡々と
描写する内容には旅情を誘われます。
主に食がテーマであり、辺境の地で食べた食事
などもゲテモノではなく、現地の人からちょっ
と誘ってもらったスープを忘れられない味とし
て記している下りなどは素晴らしいです。
旅とはこうありたい、と願う一冊です。
Posted by ブクログ
山本高樹さんが旅人となり旅を言葉に写真にされるようになって30年か、、とそんなに昔から存じている作家さんではないのだが、なんか、ラダックの風息あたりと比べると、すっかり、大ベテラン、この道の大家になっておられて、本書の文書は堂々素晴らしい。
それでも、彼はつねに迷い知らないことを知らないわからないことをわからないと恥ずかしそうにそっとつぶやき、奥ゆかしい。
行ったことがない土地には山本さんの文章をよみ行ってみたいと単純に思うし
行ったことがある国にはこんなふうに行けたらよかったと思うし
ラダックにこれから行くのでそのあたり、本書の後ろの方が読み始めたのだが、最後の最後の、
ひまわりの種と夜行列車、夜の列車で出会ったウイグルの母子の姿、彼女たちの途方もない哀しみと、なにもできない自分。涙が出た。途中から読んで前に戻ったのでその時は気づかなかったが、ひまわりの種と夜行列車が最後の旅の物語。出てくる食べ物はひまわりの種と油菓子。素晴らしい作家さんで素晴らし旅人と改めて恐れ入った。
初めて知ったもの、場所
バングラデシュ シュンドルボン国立公園マングローブ林 マングローブの蜂蜜
一度食べてみたいが、
このような困難な蜂蜜取りをして、貴重な蜂蜜はその価値や労力に対し買い叩かれていないか、、、、、
Posted by ブクログ
まず第一に本のタイトルのネーミングセンスに脱帽です。全部詰まってますね、このタイトルに。
少しずつ、異国の地を想像しながら、わからない国は画像をググって、想像できるようにしてから、あえてゆっくり読みました。旅のすばらしさと少しの寂しさが溢れた素敵な本でした。
Posted by ブクログ
自分は寝る前に少しずつ読んだので、毎晩日本ではないどこかの景色を想像できたことが嬉しかった。
読んでいて、若菜晃子さんの『旅の断片』を読んだ時の感覚がよみがえってきた。美味しい水をゴクゴクと飲んでいるような、読んでいて染み渡っていく感覚があった。
旅した景色が再度訪ねた時になくなってしまっていたことに触れていたのもよかった。全ての景色は移り変わっていくし、自分の考え方もまた移り変わっていくものだと思う。淡々とした語り口の中に、人との関わりの不思議さや食べることに対する面白さが感じられた。おススメです。
Posted by ブクログ
インド シーク教の総本山
黄金寺院内には「グル・カ・ランガル」という
無料食堂があって
礼節を守るものには
食事が配られるんですね
毎日10万食配るとか
スケールが違うわ
著者は写真家でもあるので
冒頭にだけついている 写真も
すごくいいんですよねぇ
もっと写真も載せてほしかった