あらすじ
ひとりは令嬢、一人は孤児として育った。
戦後御殿場を舞台に始まる 双子姉妹のアンティークミステリー開幕。
昭和30年。東京の養育院で暮らす16歳の小百合は呆然とした。自身が元華族・雪宮家から誘拐された令嬢だと告げられたのだ。当主で双子の姉でもある撫子の暮らす御殿場に身を寄せた小百合。孤児から令嬢へと一変した生活に戸惑いつつも、撫子との距離をゆっくり縮めていく。そんな雪宮家には時折思わぬ客が訪れる。その理由は代々の当主が蒐集してきたいわくつきの美術品にあるようで……?
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Posted by ブクログ
昭和30年。東京の養育院で暮らす16歳の小百合は、元華族・雪宮家の誘拐された娘だと告げられた。双子の姉・撫子が当主を務める雪宮家で暮らす事に…
真っ直ぐでストレートに感情を表す小百合に対して当主としての重責故に厳しく接する撫子。正反対の二人だけど、小百合が来た事で少しだけ年相応の姿を見せる撫子にほっとしました。ずっと周りが敵だらけの中で、唯一対等な立場の小百合の存在がこれから心の支えになってくれると思います。
雪宮家の曰く付きの美術品の数々、まだ色々ありそうで、続編希望です。
Posted by ブクログ
アンティークミステリー。とても素敵なジャンルでした。
旧華族の絢爛たる美術品に、雪華がモチーフの美しい邸宅。読んでいるだけでも心が躍ります。
生粋のお嬢様である撫子と、養育院で暮らしてきた小百合。お互いがお互いを気にしているけど、まだぎこちない雰囲気。出会ったばかりの双子の姉妹の関係性。微笑ましく読んでしまいました。
そして厳しいけれど優しさのある橘含めた、雪華邸の人々。どの登場人物にもすごく愛着が湧きました。(叔父たちは除いて…)
そしていわくつきの品としてでてくる、美しい美術品たち。思わずこの目で見たくなってしまいました。双子の見た目も気になりますし、
表紙のイラストが楽しみです…!
離れ離れだった双子の物語だけでも素敵なのに、そこにいわくつきの美術品が絡んだミステリー。大変面白かったです。
きっと続きがあると思うので、今から楽しみです。
Posted by ブクログ
姉妹の関係性や小百合の生活の変化、親戚との関係など、
そういったところが多く記述されている印象。
美術品が何か事件を起こすというより人間の心や戦争の影響が色濃いと
感じた。戦後のほの暗さを登場人物全員から感じる。
本当にそうだなと思うのは、お腹いっぱい食べられないこと、親がいない
ことなどは子どものせいじゃないのにね。なんでそうやって蔑んだ目で
見られなきゃいけないのかな。
Posted by ブクログ
戦後10年。
元華族のお嬢様と、孤児として育った双子の姉妹が再会するところから。
お嬢様はいけ好かないかと思いきや、これは……ツンデレ!?
意外と相性の良い二人。
小百合が幸運だったのは、境遇の割に擦れてないというのもあると思う。
なんだかんだ、新しい暮らしに馴染んでいる。
しかし、いくら愛人がその相手と妻を恨んだからといって、憎き本妻の子を誘拐するかね?
しかも、その誘拐犯の母親は小百合をちゃんと可愛がって育てていたようだし、その心理はよくわからない。
同じ華族ってことで、そのうち花菱男爵夫妻が出てきたりはしないのかな。
あの二人なら、昭和恐慌も戦中・戦後もたくましく乗り越えて、気の良い老夫婦になっていそう。
(あっちの話のネタバレになるのでしばらくは難しそう)