あらすじ
「日本の背骨」を地図で旅する列島縦断6000キロ
空から降り落ちた雨の行く先は太平洋か、それとも日本海か?
その運命を決める一本の線=大分水嶺には、自然と人間にまつわる大いなるドラマが秘められていた。
本書は分水嶺=日本の背骨にかかわる128の物語を紹介。
嶺が作り出した興味深い話題や身近な疑問を取り上げ、肩の凝らない解説で読者を空想旅行へと誘います。
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Posted by ブクログ
よく決断を迫られる局面で使われる”分水嶺”という言葉ですが、本当にホントの日本の”分水嶺”について書かれた本。紀行文でもなく、淡々と日本列島縦断する、降った雨が日本海と太平洋のどちらへ流れるかの境界線について綴ったものだが、実に面白い。作者の知的好奇心の広さからなるものだろうが、単なる気候風土の紹介にとどまらず、その界隈の文化、歴史、現代の諸問題(環境問題、電力問題)に話題がおよぶ。分水嶺は主に山脈のことだが、そこから流れ出す河川にも話が及ぶものだから、カヌーイスト的にも読んでいて興味深い。転覆隊の本まで引用されているとは驚いた。
全部、一気に読んでしまうのは勿体ない。訪れたことのある場所、故郷の周辺は読んで、まだその地方の山々に足を踏み入れてない、北海道、九州などは、いずれ訪れるときがきたら読んでみようと思う。