【感想・ネタバレ】都市殺し――ジェントリフィケーション・不平等・抵抗のレビュー

あらすじ

ジェントリフィケーションがどれほど複雑な過程で進み、私たちの脅威になるのかはあまり知られていない。
――ある地域が高級化し繁栄する反面、元々住んでいた人々の暮らしは破壊され、不当に立ち退かされている。

日本でも進行しているこの問題と内実をアメリカの4つの都市から解き明かした衝撃作!

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Posted by ブクログ

わたしがこの本の中で行ったことある街ニューオーリンズを真っ先に読んでみた。
セントチャールズStからストリートカーに乗ると、素敵な庭の邸宅が続く。観光ガイドの写真はたしかに全て通り沿いのfancyな家しか写さない。
その裏手に拡がるのはショットガンハウスと呼ばれる平屋、壁には大量のゴキブリが潜む、そしてプロジェクトと呼ばれる団地群。黒人の子供しかいない学校。凸凹の舗装されていない、大きな水溜まりだらけの道路。
わたしは入ってはいけないと言われていたが当時フレットストリートを歩いていた。そんな記憶を思い出してしまった。今も危ないのでオススメしない。
フレンチクォーターからストリートカーではなくフレットstのバスを乗るとわかる。
ハリケーンカトリーナがニューオーリンズを直撃したのは2005年、その後が書かれていた為、興味深く読ませてもらった。

P.106
ジェントリファイされた側の目には、都市再生は立ち退きに、新しいビジネスはチャンスは人種の選別に、しゃれた近隣はコミュニティーの喪失に。

わたしは何かこの本を読んでいて、日本のことを考えてみた、何千円もする観光客用としか考えられない飲食店やら施設やら、免税をやたらうたう店舗、高いマンション群、アメリカのような貧富の格差はそこまで無いのかもしれないが街が少しずつ殺されていく感覚は最近感じられる。

森が伐採されて、今まで暗闇で日が当たらなかったところが日にあたり、様々な植物が生えて、最後には元の木々が生えて戻ることはあるかもしれないが、一度殺された都市はまた同じコミュニティーには戻ることはないかもしれない。

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2025年07月21日

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