【感想・ネタバレ】男子という闇――少年をいかに性暴力から守るかのレビュー

あらすじ

私たち大人は何も知らない
全米各地で研究者、学校関係者や親子など数百名に聞き取りを行い男子の性加害・被害実態を調査。
男子大学生の22%が入学前に性暴力を振るった経験をもつ国の、語られざる物語を紡ぐ。

「男らしさ」の常識に挑み、あるべき性教育を模索する、この時代の必読書。

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Posted by ブクログ

女性への様々な暴力に声をあげ世の中も許してはいけないという風が吹きはじめた。だが男性は糾弾されるばかりなのか。加害者ばかりなのか?という疑問から男性、男の子の隠された被害者がたくさんいることを知る。少年たちの抱える闇は深い。
この本は実態を詳しく述べるだけでなく、そこからどういう風に守っていくかの取り組みについても詳しく調べてあるべき方向を照らしてくれる。
あるがままにお互いを尊重しあえる社会になってほしいと思った。

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2022年08月17日

Posted by ブクログ

これまで経験したことのない感覚で、読み進めるのがとても苦しい内容
既に知られエンタメのように消費されるものの中にも同様の苦しさを感じる人がいることを想像すると、その苦しみを大したことないとはとても言えなくなる

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2024年04月02日

Posted by ブクログ

だいぶ読むのに時間がかかってしまった。おそらく期待していた内容とやや違っていたからだと思う。男児をいかに性暴力の加害者になることがないように育てるかみたいな内容を期待していたんだけど、被害者としての男性の立場もいろいろ書いてあった。
もちろん、男児・男子・男性が性暴力の被害者になることもあり得るんだけど、この本で書かれている大半が男子間の悪ふざけ~いじめ的なもので、それは同性間で何とかする問題だと思う。一方で、アメリカだとこんなもんなのってくらい、高校生や大学生の男子が女子に対して性暴力や同意ない性交をしている状況も書かれている。被害者としての男子と、加害者としての男子が一緒くたに書かれていて問題の整理がしにくかった。……被害を受けたからこそ加害者になり得るということもあるか。
伊集院静の母だったか「男の子一人産んだら泥棒を悪く言っちゃいけないよ、女の子一人産んだらお女郎さんを悪く言っちゃいけないよ」みたいなことを言ってたというのを読んだことがある。自分の泥棒やお女郎さんの身内になる可能性があるという戒めだろうと思うけど、男子を育てるうえでは性犯罪者になる可能性も十分に考えながら、そうならないような育て方をしないといけないなあと思った。
それにしてもこういう本が、やはりというべきか女性によって書かれている。男性こそがわが性を見つめ、こういう本をちゃんと書くべき。育児の問題じゃなくて、人として、男性として、夫や父としての生き方に関することだと思うし。

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2023年11月23日

Posted by ブクログ

イエットアナザー男の子育て本。チェリーピッキングみたいなのにもとづいた理想と妄想の話であり、アネクドータルな智恵さえ含んでないように思う。こういうの読むたびに、思春期男子の内的な視点からしたら世界はどうなのか、みたいなのに関心もってほしいと思う。

著者の経歴はよくわからん。
Education: Stanford University, BA in anthropology; University of Alaska Southeast, MA in teaching; University of California at Berkeley, MA in journalism

Emma Brown is a reporter on the investigative team. She worked as a wilderness ranger and as a middle-school math teacher before discovering journalism during an internship at High Country News, a magazine that covers the American West. She came to The Washington Post in 2009 and wrote obituaries and covered local and national education before joining the investigative team in 2017.

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2022年03月04日

Posted by ブクログ

性暴力の対象は、女性だけではない。男性が被害者になる事だってあるのだ。とりわけ、学校内での男子同士の性的な暴力行為。悪ふざけで済ませてきていた気もするが、確かに、身近に存在する〝いじめ“でもあり〝犯罪行為“だ。

男子の闇。男が泣くな!と言ったのは蓮舫だったか。私自身、男の子には強く逞しく、弱者を守れるように育って欲しいと思うが、それはステレオタイプの刷り込みなのか。LGBTを認め、ジェンダーレスを目指す社会において、男らしさの境界線の見直しが求められるが、簡単な事ではない。女性を口説く事がセクハラにも当たるかも知れない。ルールを見直す意識が高まっているが、ルールの見直しは、解釈の多義性からも事態は複雑だ。

本著は、アメリカにおけるこのステレオタイプな男性像に対し、男の子同士が、男らしさを証明するがために性暴力、性的発言をエスカレートする問題を例に挙げる。この現象は日本でも実感がある。男の子が集まる時、武勇伝が競われる。「ゲイではない、俺は男だ」という通過儀礼であり、男性文化だと。聞くに耐えない性犯罪が過激化する時、日本でも複数名の男が事件の現場に居合わせている事が多い。東大生による女性暴行、コンクリ事件然り。丸出しにした本能のエコーチェンバーは、果てしなき恐怖だ。

男らしさは、本能に由来する面と文化に依拠する面がある。文化による刷り込みは、社会や法令で徐々に変えていかねばならない。

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2022年01月02日

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