あらすじ
辛い過去を抱え故郷を去り、奉公先である新潟静修学校に辿り着いたナカ。尋常小学校を出た後、家庭の事情などで進学を諦めた人たちのために開かれた私塾だが、幼い弟妹を働く親に代わって世話する生徒が多かった。そんな生徒たちのために子守をするのがナカの仕事だった。自らの過去を重ね合わせ、次第に子供たちと打ち解け、存在意義を見つけていく。やがて生徒以外にも子を預ける親が増え、校長の赤澤鍾美は託児所を「付設子守室」とした。しかし、幼稚園として独立しなければ違法だと官吏から忠告を受ける。それには学費を上げなければ続けることが出来ず、本当の意味でここにいる者たちを救うことにはならない。苦渋の決断を迫られたナカと鍾美がとった策とは――。
日本で最初の保育施設、現・赤沢保育園誕生の軌跡を描いた物語。
【著者略歴】
佐藤雫(さとう・しずく)
1988年、香川県生まれ。2019年「言の葉は、残りて」(「海の匂い」改題)で第32回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。著書に『さざなみの彼方』『白蕾記』『花散るまえに』『行成想歌』『残光そこにありて』がある。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
戦前の話を書いている著者がほぼ年がかわらず驚いた!口調や時代背景も全然違う時代だから…
それはさておき、カツカツな生活でも、こどものため、学校を守り抜く夫婦の物語。
Posted by ブクログ
実在の日本最初の保育所のはなし。
今よりひどい教育格差、待機児童、ワンオペ育児。
「徳は孤ならず必ず隣あり」相互扶助の尊さをみた。
創設者の思い、妻の心情は描かれていたが、時代背景や新潟の空気感は伝わってこず。さらっとして読みやすくはある。