あらすじ
コロナ禍の北京で単身赴任中の夫から、一緒に暮らそうと乞われた菖蒲(アヤメ)。愛犬ペイペイを携えしぶしぶ中国に渡るが、「人生エンジョイ勢」を極めるこの女はタダじゃ絶対に転ばない。過酷な隔離期間も難なくクリアし、現地の高級料理から超絶ローカルフードまで食べまくり、極寒のなか新春お祭り騒ぎ「春節」を堪能する。街のカオスすぎる交通事情の把握や、北京っ子たちの生態調査も欠かさない。これぞ、貪欲駐妻ライフ! 北京を誰よりもフラットに「視察」する菖蒲がたどり着く境地とは? 一気読み必至の「痛快フィールドワーク小説」!――「味わい尽くしてやる、この都市のギラつきのすべてを」
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
元銀座ホステスの菖蒲が単身赴任中の夫のいる北京で生活を始めるお話。
解説でも書かれていた通り本当に痛快な一気読み小説でした!読むと元気になれる!私はめちゃくちゃ好きでした!2026年ナツイチの小説!
まず、菖蒲のキャラクターが強い。
この小説は、「なんか虚しい。っていうのを私は経験したことが無くて、それは私が苦労していないとかじゃなく、楽しみを見つけるのが上手いからだ。」で始まっており、菖蒲のキャラをよく表現しているなと思いました。
冒頭の女子会のシーンは、マウントの取り合いのような不思議な会話がリアルで面白かった!菖蒲が北京に行った後に友達から来たメールに対して、「この人今年も私と"友達"を続けていくつもりなのか。よろしい。受けて立ちましょう。」という反応もシュールで面白い
北京での生活の描写は、著者の綿矢さんが以前中国で滞在していた影響もあるのか、本当に旅をしている気分になれるようなリアルなものでした!
日本じゃ食べることのないような料理、日本にはない文化、春節の盛り上がりなど…。
菖蒲の価値観は、一見自分勝手に見えるかもしれないけど、今の自分を楽しく生きる!ポジティブに生きる!というような明るい芯の強さのようなものを感じました。
夫に対しても、価値観が合わない部分はありつつも、2人でコロナになった時は夫を気にかけたり、夫が老いたときは私が支えてやる。それが夫婦ってもんだ。できなくなってからが本番だと語っており、愛情や思いやりも感じたのがよかったです。
この小説には他にもSNSの誹謗中傷について、子どもを産むことに対する菖蒲の気持ちなど…色々なことが詰まっており、何度も刺さりながら読みました!
Posted by ブクログ
一気読みできて面白し、主人公の考え方、生き方など共感できるものが多く面白かったり
綿矢さんの経験談からくるものもあるようで、
初めて綿矢さんの本を読んだ自分からしたら綿矢さんってこんな感じの人なのかなって勝手に想像できて楽しめました。
Posted by ブクログ
帯コメントに京極夏彦さんの『スゴイ。』という感想があり、面白くって文字買いした。そして本当にスゴかった。単身赴任中の夫に呼び出され、愛犬ペイペイとともに北京で暮らすことになった元ホステスのスーパーポジティブな菖蒲は、北京を遊び倒す。コロナなんのその、とにかく食レポが続くシーンは笑ってしまい、観光地も多く紹介されて調べながら読むことで存分に楽しめた。北京という地で菖蒲が行き着く境地とは。読んでいてグルーヴ感があり、ここまでのマインドで生きられたらそりゃ痛快だわと、やっぱり笑ってしまった。
Posted by ブクログ
えーーーー!!!!!!!!!!
楽しいんですけど~~~~!!!!!!!!!!
食の描写も楽しいし、主人公も痛快。
「この私のままで、永久に世界に完全勝利するの」
楽しすぎる!!!!!
自分を生きてる人間って大好き。大好き!
Posted by ブクログ
タイトルの語呂の良さから気になってて
ついに文庫化したから読むことに!
もうね、初手から火力強め笑
菖蒲のように生きたいとは思わないけど
ちょっとくらいあの強強マインドを見習ってもいいかもな〜!まあ真似できないけど!
最後までぶっ飛んでて面白かったな。
中国の解像度が高まった。
Posted by ブクログ
3.8
この著者の作品は初めて。すごく自分が好きな文章を書く人。細かい人の心の描写がうまい。
でも大丈夫、私が私を見捨てる日は永遠に来ない。
この一文が刺さった。
他人の評価を、自分の価値の基準にしない人でいたい。
Posted by ブクログ
疾走感を感じる。この主人公、行動力ありすぎる。
主人公がポジティブ思考・常識にとらわれないのは、それだけで強者と言えよう。
コロナ禍の中国のことなんて、ゾッとして想像するのもいやだった私には、結構意外な風景もあったりして、思っていたよりも淡々としている風に思えた。
著者自身の体験がベースになっているそうだけど、細かい風景や物、人の観察眼は、とても想像しやすく読みやすかった。
Posted by ブクログ
世はコロナであろうとなんだろうと、異文化やイレギュラーを恐れず楽しめるって才能だね。
周りの目を気にしてたらそんなふうにはできないんだろうけど、悩むだけ無駄でしょ、と楽しむことに突っ走る主人公と、そういうわけにはいかない夫、表向きには気の毒がるフレネミーとの対比。
そこは一応気にするんだ
俗っぽさはしっかりあるのね
など、色々ツッコミを入れながら読んだ。
綿矢節は楽しい。
Posted by ブクログ
綿矢りさの本性が、この主人公と相似形であるかどうかについての興味は別として、現代のリアル中国の風物や人情について、作家の目でビビッドに描いてあるので大変勉強になりました。
Posted by ブクログ
単行本でも読んで大好きだったので。もう文庫化されるとは時の流れがはやい~。主人公の言葉や考え方にめちゃくちゃパワーをもらえますね。既存の普通とされてる価値観への強烈な怒りも感じて綿矢さん節が炸裂してました。本当ににおすすめの1冊!
Posted by ブクログ
かっこいいな、菖蒲。こんな気持ちで生活してたら、そりゃ怖いもんなしだわ。大丈夫、あんたは十分一人で生きていけるよ、と言いたくなる。
ペイペイの名前の由来とか、夫とのコロナ禍の生活とか、思わず笑ってしまう表現があって、楽しく読めた。
最後の美杏の一言、最高すぎる。
中国の様子も知れるし、やっぱり綿谷りさ節があって面白楽しく読める話だったな。グレタニンプを読んだからか、それを思い出させる内容だった。
女は強くいなきゃね!!
Posted by ブクログ
綿谷りさの小説を初めて読んだけど凄く面白かった!
主人公・菖蒲のキャラが強烈だけどポジティブなマインドが最高。自分は夫みたいなネガティブなので読んで元気出た。精神勝利法を極めた菖蒲のこの先もぜひ知りたい。
北京でのグルメとショッピングを楽しむ様子から中国はパワフルで陰陽がパッキパキに別れてて面白いなと思ったけど、暮らすのは菖蒲の様なメンタルがないとキツそう。
Posted by ブクログ
これって本当に「痛快小説」なのかな?
確かに、今が楽しければ良いという菖蒲の行動力や図太さは、後先を考えてしまう私からすれば羨ましい。
でも、なぜ彼女はこれほど勝ち負けに拘るのだろうか疑問に思った。マウント合戦や「精神勝利法」、他人の幸せに横槍を入れる姿など、ポジティブさの裏に、ちょっと黒い顔が見え隠れするんだよね。
ちょっと捻くれた見方かもしれないけれど、
エリートの夫やブランド品の鎧で身を固め、人生を楽しんでいるようだが、その実は、誰とも心から繋がれない孤独で可哀想な人だ。そう思うと、自分を肯定しようとする言動のすべてが滑稽に見えてくる。他者を威嚇し続ける愛犬のペイペイは、まさに彼女の「合わせ鏡」のよう。
ポップなタイトルやエッセイのような軽妙さの裏で、人間の内面の闇や孤独を深く描いている。痛快コメディの皮を被った、純文学のような奥深さを持った作品だった。
Posted by ブクログ
駐在妻が欲望のままに北京を楽しみ尽くす。楽観的な主人公が、自身の信念に基づいて次々と問題をねじ伏せていく様は痛快で爽快。と同時に、物事の本質を捉える鋭い視点(達観と諦観)と見事は言語化に慄く。特に「女性」「出産」「誹謗中傷」などへの冷徹な批評には鳥肌が立つほど。刹那的な快楽を追い求めた先にあるのは「虚しさ」であることが暗に示されるのも良い。
Posted by ブクログ
面白かったです。痛快です。ブッ飛んだ主人公が爽快です。物語としては中弛みあったかなですが、主人公のような考え方は憧れるし真理を突いてると思う。精神的勝利できたら人生とっても素晴らしいだろう。
Posted by ブクログ
主人公が痛快なんだ そうか
こういう人が身近にいて、振り回された側なので、こういう人って可哀そうというか、寂しいんじゃないかと思ってた
またこういう人は元気に年取ると、とっても面白いお婆さんになるのだけど、周りは疲れるよね
中国の旅行記としては面白かったと思う
Posted by ブクログ
爽やかだった。
北京を軽やかに巡って行く主人公はさっぱりとして、自分にはないその爽快感が楽しかった。おまけに北京を旅行した気になれて、さらに楽しい読書体験だった。
こんな女にはきっと一生なれない。なろうとも思えない。
だからこそ主人公の見る世界を擬似体験できて面白かった。こんな人が本当にいたら、すごいRockだしずっと見てたい。人間として魅力的だなぁと思う。
とにかく楽しかった。落ち込んでる時に読み返して元気をもらいたい本。
Posted by ブクログ
小説というより、綿谷さんの北京滞在エッセイかなという感じ。
物語的には、
北京に単身赴任する夫の元へ主人公が行く→北京でなんやかんやある→主人公は日本に帰る決意をする、
といった流れで、北京滞在中はひたすら食べて観光してしかしていないので、ストーリーの起伏としてはめっちゃ平坦。北京の食べ物とか観光名所とか紹介されても、知らんし。笑
じゃあ退屈なのかといえばそうでもなく、主人公の性格がワイルドで、異国の地北京で図太く生きる様は読んでいて楽しい。でも主人公の性格は難ありで、良く言えば「自分に正直に生きている」、悪くいえば「その場のノリで生きている」。
作中、主人公の家の水回りが故障して業者に修理してもらうシーンがある。修理の際にバカでかい穴を開けられて、現状困っている箇所は解消されたけど後々その穴が問題になってくるシーンがあって、このその場しのぎの感じがまさに主人公の生き様と一緒だなと思った。
ラストで主人公は日本に帰るのを決意するのだけど、このまま北京で住んだほうが意外とエンジョイできるのでは?と思った。
というわけで⭐︎3つ。
あとこれはどうでもいいけれど、綿谷りささんの小説まいかいページ数少なすぎ。
Posted by ブクログ
強い、強すぎる。主人公の菖蒲にはこの言葉がピッタリだと思う。でも「勝っている」とはなんだろう?この人は何に勝とうしているんだろう?と読んでて若干疲れました。
無意識のうちに張り合ってくるような女性同士のマウント合戦は見てて面白いですが、はっきり言って不毛と思っているので、それが染みついたような菖蒲の根性は少々滑稽に見えました。
ただ、菖蒲のように自分大好きで自分が1番で何もかも気にしないマインドは羨ましくも思います。本当に自分にとって譲れない部分については、菖蒲のような身勝手さも自分の人生を謳歌するためには必要なのかもしれないですね。
私は中国には行ったことはありませんし、どんな国なのかということもあまり知りませんでしたが、綿矢りささんの滞在経験も元に書かれているということで、菖蒲が食べる料理や北京での生活の様子がみすみずしく描かれていて面白かったです。
Posted by ブクログ
女子会でのマウント合戦?も面白かったが、夫の転勤で北京へ行くことになった。自分もコロナ前に北京へ旅行したが、かなり前から北京では電気自転車が走っていた。ブランド腕時計を見ていると、ジャージ姿のおばちゃんがまとめて高級腕時計を買ってるのをみて、主人公はガッカリ。気持ちはわかるw後から代行業者と知って笑った。今、中国はかなりヤバくなってきているが、今後の北京でもどうなってしまうのだろう?
Posted by ブクログ
解説の『『坊ちゃん』を思い出す」ってところ。ちょっと違うと思ったなあ。
坊ちゃんはね、菖蒲と同じくらいの正直、というか「自分」を持ってるけど、もっと不器用。自分のためにというか、自分であろうとなかろうと、不正義や不義理が許せない。
菖蒲はけっこう要領よく自分のために生きてる感じがある。「自分」をちゃんと持ってるから、自分は何をしたくて何がしたくないのかはっきりわかってる。というか線引きしてる。だから他人には割とドライな感じ。
菖蒲は、坊ちゃんみたいに「真っ直ぐ」ではあるけど、真っ直ぐさの方向が違う。坊ちゃんは融通の効かない堅物な面があって他人を変えようとするけど、菖蒲は「自分は自分、相手は相手」みたいな割り切りがある。
だから、自分が縛られるようなことが嫌い。自分が好きで大事。子どもが生まれたとしても今の自分がいちばん。
かっこいい。
でもリアルなのは、彼女がふと見せる感傷的な雰囲気だ。どんなに強く見える人でも、ずっと強くは在れない。刹那に気の抜けた菖蒲の姿を見ると、この人も、ギリギリのところで踏ん張ってきた過去がいくつもあるんじゃないか、と勝手に同情してしまう。
菖蒲はどこか強く在ろうとしている人に見えた。
強く在らねばという意識で、地位やお金を求める。ブランド品を買い漁る。周りから羨望の眼差しを受けて悦に浸る。「勝った」と思う。
でもそれも、ひとたび外に出てしまえば何の価値もないことを菖蒲は知った。中国では有名なブランドも日本では見向きもされない。だとすると何のために大枚叩いて買うのか。とたんに顕示的消費が虚しくなる。
けれどそこでヤケにならないのが彼女らしい。彼女は「勝つ」ために別の目標を立てる。そうして、夫と別れると決め日本へ戻る決意をする。
坊ちゃんは正義に真っ直ぐだった。
菖蒲は自分自身に真っ直ぐだった。
そこに私は惹かれたのだと思う。
Posted by ブクログ
キャラクター小説というのだろうか。とにかくパワフルだった。
キャラクター小説のわりに、彼女の容姿についての描写はほとんどない。銀座の元ホステスさんなので、言わずもがななのだろう。容姿よりも行動で感情よりも行動で魅せてくる。それでいて下品には感じなかった。スカッとする2時間ドラマを観た読後感だ。