【感想・ネタバレ】おはなしの時子のレビュー

あらすじ

孫娘になりすました詐欺電話で、時子は大金を取られてしまう。娘からは固定電話の解約を求められるが、時子は「0874(おはなし)」と語呂合わせのできる電話番号に家族の思い出をたくさん重ねていた。夫を亡くした直後、孤独に苛まれていた時子は、同じように寂しさを抱えている人たちの話し相手になろうと、電話解約までの期間限定で「おはなし電話」を開設する。一期一会のおはなしに耳を澄まし、心を寄せる時間は、しだいに時子自身の生活に変化をもたらしてゆく。79歳、未来へ向けた決意を清々しく描いた長編小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

とても良かった!最初詐欺の件がすごくつらくて、いやな気持ちがしたんだけど、娘からも怒られ、落ち込むばあばが、ラジオ体操のメンバーと前を向き、また孫とおはなし電話をする、という新しいことをして、老後や、亡くなったご主人や、孫や娘のこと、友達のこと、犯人のこと、電話の相手のことを考え行動する姿が素敵だった。こんなおばあちゃんにもなって、傷ついたり、励まされたりいろんなことがあって生きていくのがなんだか不思議と勇気をもらえる。ザ、ハッピーエンドじゃないこともよい。完全なる毒親じゃなくても、自分は覚えてないがこどもを傷つけていることそして相手はずっと恨んでることもあるんだな。

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2026年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

消えていく固定電話をめぐる思い。
人と人との連絡手段は時代によって変化してきた。

今、若い人は実家から独立しても固定電話を引かないし、特殊詐欺に使われることが多くなって、高齢者が亡くなれば解約される。
固定電話を利用し続けている高齢者を狙った特殊詐欺も多いことから、一人暮らしの老親を持つ息子や娘による解約も進んでいるらしい。
コミュニケーションツールとしての固定電話の役割は終焉を迎えつつあるのかもしれない。

時子、時子の娘・亮子、亮子の娘で時子の孫である・愛梨。
亮子は仕事が忙しい世代でキリキリしている。母親の時子をも娘の愛梨をも、自分がしっかり管理統制しなくてはと気負っている。
愛梨は母親の干渉に対して猛烈な反発心を持っている。
この三世代の構造こそが、オレオレ詐欺に都合の良い状況を作っていると思う。本当に悪人は目の付け所が鋭い。
時子が引っかかったのは劇場型詐欺だが、一人で電話してくる単純なものは、孫がおばあちゃんに電話するというパターンだ。
バイト先で物を壊した、女の子を妊娠させた、会社のお金を使い込んだ・・・
「親には話せないから」おばあちゃん助けて、と言われると、愛する孫のために老後の資金を使ってしまう。
娘や息子が最近何かと自分を役に立たない老人扱いする、と不満に思っていたところに、孫から頼りにされて嬉しい。
そこには息子や娘に対する対抗心も少し隠れているかもしれない。

時子の娘と息子は、詐欺に遭ったのを理由に固定電話を解約させることを決めた。らくらくホンがあるんだからいいでしょ?
解約までの猶予期間に時子が始めたのは、寂しい人からお話を聞くこと。
電話番号を公開することは現代ではリスクが大きいと考えられている(以前は「電話帳」が配布されていた、怖い怖い)
最初はお決まりのセクハラ電話。そして、資格もないのにカウンセリングをするのはけしからんというお叱り。
ようやく、時子が思い描いていたような「雑談」の電話が来るようになる。
しかし、時子の「おはなし電話」に誰よりも救いを求めていたのは意外な人物。

20歳という愛梨の世代の危うさがよく分かる。大人でもあるけれどまだ経験値が不足している。
本人は自立していると思っているから大人に縛られたくないけれど、大人が見守り、力になることも必要だ。

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2026年09月24日

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