あらすじ
孫娘になりすました詐欺電話で、時子は大金を取られてしまう。娘からは固定電話の解約を求められるが、時子は「0874(おはなし)」と語呂合わせのできる電話番号に家族の思い出をたくさん重ねていた。夫を亡くした直後、孤独に苛まれていた時子は、同じように寂しさを抱えている人たちの話し相手になろうと、電話解約までの期間限定で「おはなし電話」を開設する。一期一会のおはなしに耳を澄まし、心を寄せる時間は、しだいに時子自身の生活に変化をもたらしてゆく。79歳、未来へ向けた決意を清々しく描いた長編小説。
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Posted by ブクログ
オレオレ詐欺に引っかかっちゃったおばあちゃんの話、だけじゃなかった。友人や孫・娘との話。話し相手がいると元気でいれる。高齢者の気持ちが如実に出てて、考えさせる。
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主人公は、70代の女性、オレオレ詐欺に引っかかったことから、固定電話を解約することになり、その解約前にある計画を思いつく。
詐欺は、お金を取られるだけでなく、被害者を自己嫌悪に陥らせ、家族との関係までギクシャクしてしまう。
むしろ、そちらの問題の方がキツイかも、、、。
時子さんが平凡なのに、とても魅力的で、身近に感じる小説だった。
Posted by ブクログ
多分、はじめましての作家さん。
79歳の時子が劇場型詐欺に引っかかって170万円ほどを騙し取られる。
騙されたことももちろんキツイ事だけど、家族から責められ自分を責めることが更なる苦しみになる。そんな時子にはラジオ体操仲間が居て良かった。
時子と娘の亮子、その娘で孫の愛梨。
三世代のそれぞれの立ち位置や心情、寂しさ、脆さなど、ついつい自分の立場や将来、家族に置き換えてしまい共感したりハラハラしたりで一気読みでした。
明日も仕事で早く寝なくては、、だったのに。
けれど、読後感が良い本でよく眠れそうです。
Posted by ブクログ
とても良かった!最初詐欺の件がすごくつらくて、いやな気持ちがしたんだけど、娘からも怒られ、落ち込むばあばが、ラジオ体操のメンバーと前を向き、また孫とおはなし電話をする、という新しいことをして、老後や、亡くなったご主人や、孫や娘のこと、友達のこと、犯人のこと、電話の相手のことを考え行動する姿が素敵だった。こんなおばあちゃんにもなって、傷ついたり、励まされたりいろんなことがあって生きていくのがなんだか不思議と勇気をもらえる。ザ、ハッピーエンドじゃないこともよい。完全なる毒親じゃなくても、自分は覚えてないがこどもを傷つけていることそして相手はずっと恨んでることもあるんだな。
Posted by ブクログ
消えていく固定電話をめぐる思い。
人と人との連絡手段は時代によって変化してきた。
今、若い人は実家から独立しても固定電話を引かないし、特殊詐欺に使われることが多くなって、高齢者が亡くなれば解約される。
固定電話を利用し続けている高齢者を狙った特殊詐欺も多いことから、一人暮らしの老親を持つ息子や娘による解約も進んでいるらしい。
コミュニケーションツールとしての固定電話の役割は終焉を迎えつつあるのかもしれない。
時子、時子の娘・亮子、亮子の娘で時子の孫である・愛梨。
亮子は仕事が忙しい世代でキリキリしている。母親の時子をも娘の愛梨をも、自分がしっかり管理統制しなくてはと気負っている。
愛梨は母親の干渉に対して猛烈な反発心を持っている。
この三世代の構造こそが、オレオレ詐欺に都合の良い状況を作っていると思う。本当に悪人は目の付け所が鋭い。
時子が引っかかったのは劇場型詐欺だが、一人で電話してくる単純なものは、孫がおばあちゃんに電話するというパターンだ。
バイト先で物を壊した、女の子を妊娠させた、会社のお金を使い込んだ・・・
「親には話せないから」おばあちゃん助けて、と言われると、愛する孫のために老後の資金を使ってしまう。
娘や息子が最近何かと自分を役に立たない老人扱いする、と不満に思っていたところに、孫から頼りにされて嬉しい。
そこには息子や娘に対する対抗心も少し隠れているかもしれない。
時子の娘と息子は、詐欺に遭ったのを理由に固定電話を解約させることを決めた。らくらくホンがあるんだからいいでしょ?
解約までの猶予期間に時子が始めたのは、寂しい人からお話を聞くこと。
電話番号を公開することは現代ではリスクが大きいと考えられている(以前は「電話帳」が配布されていた、怖い怖い)
最初はお決まりのセクハラ電話。そして、資格もないのにカウンセリングをするのはけしからんというお叱り。
ようやく、時子が思い描いていたような「雑談」の電話が来るようになる。
しかし、時子の「おはなし電話」に誰よりも救いを求めていたのは意外な人物。
20歳という愛梨の世代の危うさがよく分かる。大人でもあるけれどまだ経験値が不足している。
本人は自立していると思っているから大人に縛られたくないけれど、大人が見守り、力になることも必要だ。
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朝比奈あすかって、いまだにどういう作家さんなのかよく分かってない。これはずっと「原田ひ香」さんっぽいなぁって思いながら読んだ。
時子おばあさんが、典型的な電話での詐欺にあって、その後、自宅の電話でおはなし電話をはじめる話。
自分の母親と重ね合わせながら読んだ。
時子さんは、詐欺にはあったけれど、かなり幸せで恵まれている。ほどほどの距離に娘と孫がいるし、干渉してこない自立した息子と同居しているので、なにかあったときの不安がないし。ラジオ体操の仲間がいるし、気軽にお茶できる友達がいる。いいなぁ。
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私もこんな老後送りたい
亮子が今の自分と重なって見えた…
自分もいずれ老いていくのに 親にはいつまでもしっかりしていてほしくて ついつい上から言ってしまう
反省(/. _.\)
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電話が廃れる中、あえての電話。
誰とも話さなくなる孤独は、
今の私には実感できないけど、
老いてく中で、どういうコミュニティに属すか、
考えさせられるなあ。
Posted by ブクログ
騙す方が悪いのか、騙される方が悪いのか。
そんなの前者に決まっている。
主人公は詐欺電話で大金を奪われた79歳の時子。
娘から責められる彼女の姿が気の毒でならない。
情報弱者になる事も、認知機能の衰えも、誰もがいずれ辿る道だ。
突然の出来事に冷静さを保てる人など、どれほどいるだろう。
そんな時子が、自宅の固定電話で「おはなし電話」を始める。
話し相手を求め電話を掛けてくる人々への時子の眼差しが温かい。
寂しさを抱える彼女だからこそ生まれる優しさに、胸がじんわりと満たされた。
私も時子さんと0874(おはなし)したくなった。
Posted by ブクログ
主人公の時子に母を重ねたり、自分の老後を重ねたりして読んだ。
思うように動かなくなっていく体、自宅で一人ただ時間が過ぎていく日々。そのなかでおはなし電話によって生活に彩りがでてくる様子が温かくよかった。
時子の心の動きがとても丁寧に描かれているので、79才という年になっても友人関係や娘や孫の発言にひとつひとつモヤモヤするのかな…やはり人間である以上そういうものかな…とそんなことを考えてしまった。
いくつになっても心に灯る火を大切に、行動に移していけるのは素敵。
Today is the first day of the rest of your life!
まさにその通り。
Posted by ブクログ
孫が事故を起こしたから示談金を持ってきて欲しいという詐欺で騙された時子。簡単に騙されてしまった自分に自己嫌悪を感じるだけでなく、頭ごなしに責めて固定電話を取り外すようにと言う娘の亮子や同居しているのにまるで下宿人のような息子に意気消沈している。そんな時子がもうすぐ取り外すことになる固定電話で、いろいろな話を聞くお話電話を始めることを思いつく。手伝ってくれるのは孫の愛梨。愛梨にも、時子を手伝わなければならない理由がある。時子の近所のラジオ体操仲間とのやりとりはあまり明るい話題はない。でも同じような境遇の仲間が助け合ったり、何でもない話をしたりしている様子は、微笑ましくホッとさせられた。お話電話を開設したことで、いろんなことが少しずついい方向に向かっていく物語。
Posted by ブクログ
主人公の時子は79歳。大学に通う孫の愛梨が車の事故を起こしたという電話を信じて、お金を騙し取られてしまう。娘からは叱られ、同居の息子は慰めてもくれない。2人とも、犯罪に巻き込まれた老親の体の心配すらしてくれない。それどころか、固定電話は解約という話になってしまった。時子は、解約させるまでの数ヶ月間、孫の協力のもと「おはなしのばあば」の電話サービスをしようと決心する。
孫が内緒でお金を借りに来たり、一緒にラジオ体操をしている仲間が倒れたり、調子を崩したり、派手な事件はないものの、日頃、高齢者がどんなふうに思っているか、暮らしているかを垣間見るような内容。登場人物たちと歳が近いと、身につまされるように思ったり、元気づけられたり、共感したり、色々感じるところがありそう。
人生の終盤は、友がいて助け合えるのが一番なのかもしれない。一緒に集えるカフェがあり、誰かを助けられるほどの健康であることは、本当に幸運なことだと思った。
Posted by ブクログ
時子さん、79歳。何人かの友人や、ほどほどの距離感の子供や孫に囲まれて暮らしている彼女の、やりがいや生きがいを綴った物語でした。穏やかで読みやすい内容と思います。
私としては登場人物の背景があまり語られていないように感じてしまい、特に高齢の方々についてはそれがあるとより面白かったかも、という感想を持ちました。
星3つの評価といたします。
Posted by ブクログ
家の固定電話、最近は嫌なことでしかかかってこない。詐欺電話か、学校からの悪いお知らせか…
解約しようかと思うけど、なんとなくズルズルそのままに。
詐欺電話でお金を騙し取られた時子が、愛着のある番号0874(おはなし)を手放したくない気持ちもちょっとわかる。でも、ただそのまま置いておくのではなく、「おはなし電話」を開設しようと考えるバイタリティがすごいなと思った。
現実には、自宅の電話番号を公開して…というのは難しいかもしれないけど、こんな風に気楽に誰かと話せる場所があるというのはいいこと。
ラストは時子の思いが報われた気がして嬉しかった。
Posted by ブクログ
詐欺に合ってしまった、時子ばあばがどのように気持ちを切り替えられるのか興味しんしんでした。
騙されたことも含め、歳を取っていくことも上手に受け入れ、良い人生が送れそうで今後の参考になりました。
Posted by ブクログ
翼の翼が良かったので読んでみた。ヘビーな作品ではなくあっさりでもなく何と表現すればいいんだろう。時子が詐欺にあったのに怪我を心配してくれない、孫の愛梨が勝手に整形してた、娘の亮子は子供の頃のエピソードを覚えていない時子に腹を立て続け…どれも少しずつわかる気もするけどみんな勝手だから読者側はモヤモヤ不完全燃焼する、そんなふうに読んだ。時子の思考に驚いたが年代の差なのかな。相手を思い伝えた言葉が正しく伝わるとは限らない、肝に銘じたい。